原爆資料館への加害展示問題

原爆資料館をめぐる情勢

年月日 事項
890701 広島国際会議場、開館。
910801 広島市の平和記念資料館(原爆資料館)、新装開館。
9210 長崎市、長崎国際文化会館(原爆資料センター)の建て替え基本設計を公表。
9303 広島市、平和記念館の展示物の検討を開始。94年6月新装開館。
940401 広島市、平和行政組織を改組。平和記念館の平和記念資料館への吸収。
940601 広島市平和記念資料館の東館、開館。
9408 広島市教育委員会、アジア13カ国・地域の歴史教科書の収集・翻訳事業の報告書「アジア諸国・地域の教科書(抜粋)」をまとめる。
941003 -16日、広島アジア大会。
940913 広島市の呼びかけによる「平和博物館会議」、原爆資料館東館で開催。埼玉県平和資料館、川崎市平和館、立命館大学国際平和ミュージアム、大阪国際平和センター、長崎国際文化会館、沖縄県立平和祈念資料館から参加。
960401 長崎原爆資料館、開館。

 

加害展示

Y M D NEWS1
87 05 18 「ストップ・ザ戦争への道!ひろしま講座」など、広島が軍都だったことを示す資料を原爆資料館に展示するよう広島市に申し入れ。
87 11 27 「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」など、広島市に、原爆資料館に「加害者コーナー」を設置することを要望。
88 05 24 大阪市立中島中学校生徒、修学旅行で来広し、西宮市の朝鮮人資料を原爆資料館に寄贈。同館長、被爆資料ではないと展示を断る。
88 08 17 旧陸軍歩兵十一連帯(広島県出身者を中心に編成)による住民虐殺のなかを生き延びた中国系マレーシア人ら(6人)、来広し原爆資料館など見学。
91 10 23 国際交流基金招請の東南アジアの新聞記者ら(9人)、来広し、原爆資料館などを視察。記者ら、原爆資料の巡回や原爆資料館への加害の歴史を展示などを提言。
94 07 04 原爆資料館東館の「前史展示連絡会」(松江澄代表世話人)のメンバー7人、東館の展示の侵略性表現は不十分と市に検討を申し入れ。
95 07 28 バーンステイン米スタンフォード大学教授、原田広島原爆資料館館長に残虐行為など説明不足を指摘。
95 12 18 長崎日の丸会、来年4月開館予定の長崎原爆資料館の展示内容について、加害展示を避けて欲しいなどを長崎市長あてに要望。
96 01 01? 長崎市、4月開館の長崎原爆資料館に日本の加害行為を説明する展示を常設することを決める。
96 02 08 長崎日の丸会、今年4月に開館する長崎原爆資料館の展示に関し、従軍慰安婦問題や南京大虐殺の常設展示を行わないように求めた要望書を長崎市に提出。昨年12月以来の申し入れ。
96 02 25 長崎市、原爆資料館の戦争加害行為を示す展示予定の資料を削除した問題で、自民党市議団の抗議で変更したのではないとの見解を、市議会教育厚生委員会で示す。
96 03 07 伊藤長崎市長、長崎原爆資料館に日本の加害責任について独立したコーナーを設けない考えを市議会で表明。
96 03 22 長崎市が原爆資料館の展示資料で、自民党市議団が内容変更を申し入れた後に、南京大虐殺などの写真の展示をしないことを決めていたことが判明。
96 03 25 「長崎の原爆資料展示を考える市民連絡協議会」と長崎県被爆者手帳友の会、長崎原爆資料館の加害行為を指摘する展示予定資料の一部が自民党市議団の抗議で削除された問題で、抗議の申し入れを市に行う。
96 03 26 長崎県平和労働センター・県原水禁、長崎原爆資料館の展示資料について、自民党市議団の要求で削除した加害責任を示す資料を元に戻すよう長崎市に申し入れる。
96 03 26 中国の有力紙など、長崎市が長崎原爆資料館に展示予定の「南京大虐殺」の写真などを自民党市議団の抗議で削除した問題を取り上げ批判。
96 03 27 長崎日の丸会、長崎原爆資料館の「日中戦争と太平洋戦争コーナー」の展示を取りやめるよう長崎市に申し入れ。29日、再度、申し入れ。
96 03 28 長崎市、原爆資料館に展示予定の南京大虐殺の写真を南京入城の写真に変更したことについて、この日在長崎中国領事館を訪問し説明する予定であったが、延期。
96 03 28 伊藤長崎市長、原爆資料館の展示をめぐり最終案としていた「南京入城」の写真を再び変更する考えを示唆。
96 03 30 伊藤長崎市長、原爆資料館の展示写真について、ビデオコーナーの日中戦争に関する映像から一コマを接写した写真に再変更する方針を明らかにする。
96 03 31 長崎市、長崎原爆資料館の開館記念式典を開催し、全展示資料を初めて公開。招待の被爆者ら約500人が見学。「日中戦争と太平洋戦争」のコーナーのビデオで強制連行などを紹介。
96 03 31 長崎県被爆二世教職員の会など、「長崎の原爆資料館の展示を問う市民集会」を爆心地公園で開催。約40人が参加。
96 03 31 長崎市、原爆資料館の開館記念式典に本島等元市長を招待せず。
96 04 05 日本中国友好協会長崎県連合会、長崎原爆資料館に対し、加害行為展示の充実を求める要望書を提出。
96 04 08 長崎市の西淳、長崎原爆資料館の展示を中国側の要求で写真を変更したことに抗議し、市政功労者の表彰状を破棄する考えを伊藤市長に伝える。
96 04 13 長崎平和推進協会、「ながさき平和講座」を長崎原爆資料館で開催。伊藤市長が「核兵器は国際法違反」と題して講演。約70人が参加。
96 04 24 長崎市の市民団体「原爆展示をただす会」、長崎原爆資料館に展示してある虐殺直前の写真は、米国の反日映画「ザ・バトル・オブ・チャイナ」の複写の一場面であることを確認したことを明らかにする。
96 04 25 中部以西の右翼団体約65団体300人、長崎原爆資料館の加害写真に対する抗議行動を長崎市内で実施。メンバー23人が同資料館を見学し抗議。-27日。
96 05 14 長崎市、原爆資料館で上映している南京大虐殺のビデオ上映をめぐる問題で「長崎原爆資料館運営協議会」を設置し、判断をゆだねる方針を明らかにする。
96 05 31 長崎市、長崎原爆資料館の「やらせ」との指摘のあった南京大虐殺のビデオ映像の調査結果を公表。「やらせ」の確証は得られなかったとの結論。
96 06 24 村上正邦参議院自民党幹事長、長崎原爆資料館の展示内容について、政府・与党連絡会議で批判。橋本首相、外務省と文部省に調査を指示。村上幹事長、25日の記者会見でも同様の考えを明らかにする。
96 06 25 長崎市、第2回原爆資料館運営協議会を開催。同市、南京大虐殺とされた映像を差し替える方針を明らかにする。26日、差し替えを実施、「疑惑映像」のビデオも展示を中止。
96 07 05 車貞述韓国原爆被害者協会釜山支部長・平野伸人韓国の原爆被害者を救援する市民の会長崎支部長、長崎原爆資料館の加害展示の充実などを、長崎市に要望。
96 07 11 長崎市、長崎原爆資料館の展示問題で、先月下旬自民党本部から転じ内容について問い合わせがあったことを明らかにする。
96 07 11 長崎の原爆資料の展示を考える会(長崎の証言の会・長崎被災協など8団体)、長崎原爆資料館の加害展示充実について長崎市に要望。
96 07 11 伊藤長崎市長、長崎原爆資料館で真偽不明の資料展示が発覚した問題で、行政と展示企画業者がそれぞれ責任を取る方向で検討していることを明らかにする。
96 07 16 長崎市、長崎原爆資料館運営協議会を開催。真偽不明の映像を使用したビデオの改訂版を上映し、来月1日からこの映像に変更することなどを決める。
96 07 24 伊藤長崎市長、長崎原爆資料館の展示をめぐる一連の混乱に伴い、江口圭一助役と田中洋一原爆被爆対策部長を口頭での厳重注意とする処分を行う。
96 08 01 長崎市、原爆資料館の「日中戦争と太平洋戦争」のコーナーで南京大虐殺関連の部分を差し替えたビデオの一般公開を開始。
96 08 19 長崎の原爆展示をただす市民の会、長崎原爆資料館に展示されている「日中戦争と太平洋戦争」コーナーの展示に替えて原爆投下そのものを批判する資料を展示するよう求める署名活動を実施。
96 09 02 「長崎の原爆展示を正す会」のメンバーら、長崎原爆資料館のビデオ問題で大失態を招いた責任は監修者が負うべきであるとして、謝礼金350万円の返還を求める住民監査を市監査委員に請求。
96 10 27 おりづる国体出席のため広島滞在中の皇太子夫妻、原爆資料館を見学。
96 10 30 長崎の原爆展示をただす市民の会(西淳代表)、長崎原爆資料館に投下不要論の展示などを求める要望書を提出。
96 11 29 「長崎の原爆展示をただす市民の会」、伊藤市長を相手取り、原爆資料館の監修者らに損害賠償を請求するよう求めた訴訟を長崎地裁に提訴。
96 12 06 長崎の原爆展示をただす市民の会、原爆資料館の展示の全面改善を求める請願を市議会に提出。
96 12 10 朱成山・南京大虐殺資料館館長(中国・南京市)ら、広島の原爆資料館を見学。「被爆原因の追究が必要」と指摘。
96 12 10 長崎市議会議院運営委員会、長崎の原爆展示をただす市民の会の提出した長崎原爆資料館「核兵器のない世界をめざして」コーナーの全面的な改善を求める請願を議長預かりとし、委員会付託を保留することを決める。
97 02 21 長崎市監査委員、長崎の原爆展示をただす市民の会が提出していた原爆資料館の展示業務を行った丹青社に損害賠償すべきとの監査請求を却下。
97 03 21 長崎市、原爆資料館の展示に「原爆不要論」に関する資料を増設する方針を明らかにする。
97 10 23 長崎市、長崎原爆資料館の常設展示に、米軍人や科学者らの「原爆不要(違法)論」などを新たに加えることを明らかにする。
98 03 24 長崎地裁、西淳「長崎の原爆展示をただす市民の会」代表らが長崎原爆資料館の展示に関連して長崎市長に違法確認を求めた訴訟の第7回口頭弁論を開廷。
98 03 24 田崎昇長崎市平和推進室長、長崎地裁での「長崎の原爆展示をただす市民の会」から起こされた訴訟の第7回口頭弁論で、長崎原爆資料館開館直前に「南京大虐殺」の写真を差し替えたことについて、自民党市議団の抗議の申し入れがきっかけ、と証言。
98 03 25 長崎の原爆展示をただす市民の会、長崎原爆資料館に対し、原爆不要論などの展示が追加されたされたことを評価する一方で、一層の充実や加害展示の撤去などを要望。
98 09 16 長崎地裁、「長崎の原爆展示をただす会」会員が、原爆資料館の展示変更に関連し、監修者2人に損害賠償をしなかったには違法として長崎市長を訴えた裁判の第10回口頭弁論を開廷。京都地裁とテレビ会議システムで結び安斉育郎の証人尋問を実施。