これは5年前の広島においての痛ましい体験のいつわりなき記録の一部である。
応募164編、いずれもこれを読むものをして血涙をしぼらしめるものがあったが、被爆当時の環境、実態、距離的関係等の観点から原文のまま18編と、特色ある体験のぬきがき16片をここに収めた。他の原稿は平和都市広島の至宝としてやがて生まれるべき平和記念館に保存される筈である。
人類の誰しも経験したことのないあの大受難に耐え、あらゆる苦悩と悲しみのどん底に生き抜き、そして立ち上った人達のこの聖なる手記は、二つの世界の激しい対立の嵐吹きすさぶ中に、天来の平和の訴えとして人の子の耳を傾けさせないであらうか。
昭和25年8月6日
編者記
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参考資料 |
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内容概要 | |
広島市原爆体験記刊行会(代表:広島市長・浜井信三)編、朝日新聞社刊、 1965年7月20日 | |
未収録分 |