『原爆の図 描かれた「記憶」、語られた「絵画」』(小沢節子著、岩波書店、 20020725)
内容
はじめに | |||
Ⅰ | 前史二人の画家 | ||
1 | 丸木位里水墨の自由 | ||
生い立ち―絵の世界との出会い/自己表現の術を求めて-社会主義運動への参加/水墨の発見とシュルレアリスム | |||
2 | 赤松俊子 自己実現の物語 | ||
促される自立とセクシュアリティ/「女流画家」への道/ミクロネシア体験の意味/位里との出会いとモスクワ再訪 | |||
3 | 戦時下の画家夫婦 | ||
相互の影響とそれぞれの画業/太平洋戦争下の絵本 | |||
Ⅱ | 生成原爆の表象 | ||
1 | 広島へ、広島から | ||
八月六日からの「距離」/「新しい時代」の政治と美術/裸体と群像-よみがえる記憶 | |||
2 | 二 描かれた被爆体験『ピカドン』と初期「原爆の図」 | ||
「体験」の集積(1)生者と死者の記憶/「体験」の集積(2)山端庸介の写真/記憶の器―小さな絵本と大きな絵本/破綻する構成と「リアリズム」 | |||
3 | 表現の力 | ||
裸体と女・子ども/小さきものへのまなざし/共同制作の意味 | |||
Ⅲ | 旅 人びととの出会い | ||
1 | 「逆コース」のなかの全国巡回展 | ||
巡回展の実態/メディアとしての「原爆の図」/巡回展の担い手たち | |||
2 | 語りのはたらきと「原爆の図」の大衆性 | ||
語りと祈り/「焼け死んだややこ」の話/母子像と少女像の浮上/せめぎあう大衆意識 | |||
3 | 平和運動と中期「原爆の図」 | ||
占領の終結と「原爆の図」の変化/消された富士山―迷走するナショナリズム/批判と共感 | |||
4 | 世界巡回展の光と影 | ||
ミッシング・リンクとしての世界巡回展/旅路の果て-母の死 | |||
終 | 展開二 十世紀の体験を描く | ||
「原爆の図」の帰国と制作の再開/アメリカ展の衝撃/後期「原爆の図」の物語/世紀を超えて-「原爆の図」の発見 | |||
註 | |||
あとがき |
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