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河図洛書-渓水社十周年記念

『河図洛書-渓水社十周年記念』(木村逸司編、溪水社 <渓水社>19850430)目次(抄)

Ⅰ-1 出合いの一冊
長岡弘芳 J・ハーシー『ヒロシマ』のこと
Ⅰ-2 幼い日に
Ⅰ-3 青春の道すがら
天野卓郎 私の読書
佐藤進 万年文学青年の読書歴
平岡敬 カフカと『世紀群』
Ⅰ-4 わたしの読書法
Ⅰ-5 収書・探索
Ⅰ-6 蔵書
宇吹暁 蔵書あれこれ
Ⅰ-7 思いつれづれ
岩崎清一郎 ありあまる時間の中の怠惰
宇野正三 安養の浄土はこいしからずそうろう
中敏みのり 遠来の友との出会い
Ⅱ-8 本づくりあれこれ
石踊一則 紙魚のひとりごと
Ⅱ-9 編集のことなど
大牟田稔 見果てぬ夢
五藤俊弘 広島県詩集のこと
Ⅱ-10 本としてだす
Ⅱ-11 文化・地方・渓水社
板垣綬 「中央」と「地方」って何んだろう
今堀誠二 世界にひろがり得てこそ
米山穫 渓水社
Ⅲ- 渓水社の十年

宇吹寄稿文「蔵書あれこれ」

『河図洛書―渓水社10周年記念』(渓水社、1985年4月1日)pp.140-143

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原爆問題についての私の師の一人であるT(田原)氏との出会いは、広島市内のあるガレージであった。そこには、T氏の管理する原爆関係の本が持ち込まれていた。私は学生時代から平和、
原爆問題に関心を持っていた。広島県の歴史の中でも重要なテーマと思い、その関連の本について、卒業後も気をつけていた。しかし、T氏の本の大半は、初めて目にするものであった。その後、T氏は、しばしば「蔵書を前の議論」の機会をつくってくれた。それは、私が、学生時代以来、久しく忘れていたものであった。私の原爆文献漁りが、T氏との出会いを契機に始まった。

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