「安倍晋三」カテゴリーアーカイブ

広島市平和式典総理大臣挨拶(2019年)

広島市平和式典総理大臣挨拶(2019年)

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2019/0806hiroshima.html

今から74年前の今日、原子爆弾により、十数万ともいわれる貴い命が失われました。街は焦土と化し、人々の夢や明るい未来が容赦なく奪われました。一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらしました。
原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
核兵器によってもたらされた広島と長崎の悲劇を決して繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けた努力をたゆまず続けること。これは、令和の時代においても、変わることのない我が国の使命です。新しい時代を平和で希望に満ち溢(あふ)れた時代としなければなりません。
近年、世界的に安全保障環境は厳しさを増し、核軍縮をめぐっては各国の立場の隔たりが拡大しています。
我が国は、「核兵器のない世界」の実現に向け、非核三原則を堅持しつつ、被爆の悲惨な実相への理解を促進してまいります。核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取組を主導していく決意です。
明年は、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年という節目の年を迎え、5年に1度のNPT運用検討会議が開催されます。この会議において、意義ある成果を生み出すために、一昨年、ここ広島から始まった核軍縮に関する「賢人会議」の提言等を十分踏まえながら、各国に積極的に働きかけていく決意です。
私たちには、唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性を、世代や国境を越えて伝え続ける務めがあります。
被爆者の方々から伝えられた被爆体験を、しっかりと、若い世代へと語り継いでいく。
そして、広島や長崎を訪れる世界中の人々が、被爆の悲惨な実相に触れることで、平和への決意を新たにすることができる。そうした取組を我が国として、着実に推し進めてまいります。
被爆者の方々に対して、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、今後も、被爆者の方々に寄り添った援護施策を総合的に推進してまいります。特に、原爆症の認定について、引き続き、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査を行ってまいります。
結びに、「国際平和文化都市」として発展を遂げた、ここ広島市において、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

令和元年8月6日
内閣総理大臣・安倍晋三

広島市平和式典総理大臣挨拶(2020年)

広島市平和式典総理大臣挨拶(2020年)

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0806hiroshima.html
令和2年8月6日

本日ここに、被爆75周年の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が挙行されるに当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が世界を覆った今年、世界中の人々がこの試練に打ち勝つため、今まさに奮闘を続けています。
75年前、一発の原子爆弾により廃墟(はいきょ)と化しながらも、先人たちの努力によって見事に復興を遂げたこの美しい街を前にした時、現在の試練を乗り越える決意を新たにするとともに、改めて平和の尊さに思いを致しています。
広島と長崎で起きた惨禍、それによってもたらされた人々の苦しみは、二度と繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けた国際社会の努力を一歩一歩、着実に前に進めることは、我が国の変わらぬ使命です。
現在のように、厳しい安全保障環境や、核軍縮をめぐる国家間の立場の隔たりがある中では、各国が相互の関与や対話を通じて不信感を取り除き、共通の基盤の形成に向けた努力を重ねることが必要です。
特に本年は、被爆75年という節目の年であります。我が国は、非核三原則を堅持しつつ、立場の異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促すことによって、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードしてまいります。
本年、核兵器不拡散条約(NPT)が発効50周年を迎えました。同条約が国際的な核軍縮・不拡散体制を支える役割を果たし続けるためには、来るべきNPT運用検討会議を有意義な成果を収めるものとすることが重要です。我が国は、結束した取組の継続を各国に働きかけ、核軍縮に関する「賢人会議」の議論の成果を活用しながら、引き続き、積極的に貢献してまいります。
「核兵器のない世界」の実現に向けた確固たる歩みを支えるのは、世代や国境を越えて核兵器使用の惨禍やその非人道性を語り伝え、継承する取組です。我が国は、被爆者の方々と手を取り合って、被爆の実相への理解を促す努力を重ねてまいります。
被爆者の方々に対しましては、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、原爆症の認定について、できる限り迅速な審査を行うなど、高齢化が進む被爆者の方々に寄り添いながら、今後とも、総合的な援護施策を推進してまいります。
結びに、永遠の平和が祈られ続けている、ここ広島市において、核兵器のない世界と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

令和2年8月6日
内閣総理大臣・安倍晋三

内閣総理大臣(安倍晋三)挨拶 20200806

内閣総理大臣(安倍晋三)挨拶 20200806

本日ここに、被爆75周年の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が挙行されるに当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が世界を覆った今年、世界中の人々がこの試練に打ち勝つため、今まさに奮闘を続けています。
75年前、一発の原子爆弾により廃墟(はいきょ)と化しながらも、先人たちの努力によって見事に復興を遂げたこの美しい街を前にした時、現在の試練を乗り越える決意を新たにするとともに、改めて平和の尊さに思いを致しています。
広島と長崎で起きた惨禍、それによってもたらされた人々の苦しみは、二度と繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けた国際社会の努力を一歩一歩、着実に前に進めることは、我が国の変わらぬ使命です。
現在のように、厳しい安全保障環境や、核軍縮をめぐる国家間の立場の隔たりがある中では、各国が相互の関与や対話を通じて不信感を取り除き、共通の基盤の形成に向けた努力を重ねることが必要です。
特に本年は、被爆75年という節目の年であります。我が国は、非核三原則を堅持しつつ、立場の異なる国々の橋渡しに努め、各国の対話や行動を粘り強く促すことによって、核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードしてまいります。
本年、核兵器不拡散条約(NPT)が発効50周年を迎えました。同条約が国際的な核軍縮・不拡散体制を支える役割を果たし続けるためには、来るべきNPT運用検討会議を有意義な成果を収めるものとすることが重要です。我が国は、結束した取組の継続を各国に働きかけ、核軍縮に関する「賢人会議」の議論の成果を活用しながら、引き続き、積極的に貢献してまいります。
「核兵器のない世界」の実現に向けた確固たる歩みを支えるのは、世代や国境を越えて核兵器使用の惨禍やその非人道性を語り伝え、継承する取組です。我が国は、被爆者の方々と手を取り合って、被爆の実相への理解を促す努力を重ねてまいります。
被爆者の方々に対しましては、保健、医療、福祉にわたる支援の必要性をしっかりと受け止め、原爆症の認定について、できる限り迅速な審査を行うなど、高齢化が進む被爆者の方々に寄り添いながら、今後とも、総合的な援護施策を推進してまいります。
結びに、永遠の平和が祈られ続けている、ここ広島市において、核兵器のない世界と恒久平和の実現に向けて力を尽くすことをお誓い申し上げます。原子爆弾の犠牲となられた方々のご冥福と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに、参列者、広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

令和2年8月6日
内閣総理大臣・安倍晋三

広島市平和式典(2007年)における総理大臣挨拶

広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式
内 閣 総 理 大 臣 挨 拶

本日、広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に当たり、原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。また、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞い申し上げます。
広島は、焦土から立ち上がり、国際平和文化都市として、大きく成長しました。今日まで、広島の復興と発展に尽力された多くの皆様に心から敬意を表します。
今から六十二年前の今日、原子爆弾がこの地に投下されました。広島の広範な地域で十数万ともいわれる尊い命が一瞬にして奪われ、多くの方々が傷つき、今も残る耐え難い障害に苦悶されています。
七万戸に及ぶ建物が破壊され、市民の財産の大半が灰燼に帰するなど、ここ広島の地は廃墟と化しました。
我が国は、戦後六十二年の間、ただひたぶるに国際平和への途を歩んでまいりました。広島、長崎の悲劇は、この地球上のいかなる地においても再び繰り返してはなりません。我が国は、人類史上唯一の被爆国として、この悲惨な経験を国際社会に語り継いでいく責任があるのです。
私は、犠牲者の御霊と広島市民の皆様の前で、広島、長崎の悲劇を再び繰り返してはならないとの決意をより一層強固なものとしました。今後とも、憲法の規定を遵守し、国際平和を誠実に希求し、非核三原則を堅持していくことを改めてお誓い申し上げます。
また、国連総会への核軍縮決議案の提出などを通じて、国際社会の先頭に立ち、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
政府は、被爆者の方々に対して、これまで保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護施策を充実させてきました。本年四月からは、原爆特別養護ホーム「矢野おりづる園」を新たに開設したところです。今後とも、被爆者の方々の切実な声に真摯に耳を傾け、諸施策を誠心誠意推進してまいります。
終わりに、犠牲となった方々の御冥福と、被爆者並びに御遺族の皆様の今後の御多幸、そして広島市の一層の発展をお祈り申し上げます。

平成19年8月6日
内閣総理大臣 安倍晋三