『「被爆者実態調査」に対する日本被団協の要望』(森滝市郎(日本原水爆被害者団体協議会理事長)、1965年3月)
調査対象:未登録被爆者、沖縄在住被爆者 |
全被爆者調査 |
ABCC調査資料 |
発病被爆者の医療上・生活上の環境 |
医療上の予防措置、生活上の保障 |
発病・体力低下・身体障害 |
就職・就労・結婚・進学 |
家族構成、母子家庭、孤老、孤児 |
就業、就労、収入、支出 |
根治療法研究状況 |
各地の健診、治療期間 |
被爆二世、被爆者の生殖機能 |
意思による健康状態調査 |
被爆直後から被爆者と接触した家族への影響 |
特別被爆者・一般被爆者区分の適否 |
調査の立案・実施・集約の各段階での被爆者・学識経験者の意見反映 |
要望事項 一、この調査対象に、未登録被爆者、沖縄在住被爆者が含まれるよう、あらゆる方法を適用して下さい。未登録を含め被爆者実数を把握して下さい。 一、健康・生活両面について、全被爆者の全数調査を行って下さい。健康調査については十分の一描出ということが伝えられていますが、この調査を完全なものにするためにも、またこの調査を機に個々の被爆者の精密な医学検査が行われるためにも、全数調査をして下さい。 一、今後の医学的研究のためにも、ABCCの調査資料等も活用し、原爆障害死亡者の数、死因等について、できる限り性格に把握して下さい。その遺族の生活実態を把握して下さい。 一、現に発病している被爆者が、安心して療養できるような医療上・生活上の環境におかれているか否かを調査して下さい。 一、被爆者が発病をくいとめ健康を維持して社会生活を営む上で、医療上の予防措置、生活上の保障は充分か否かを調査して下さい。 一、現に発病しているか、体力(=従って労働力)が低下しているか、あるいは身体障害を有するか、いずれかに該当する被爆者およびその家族の、経済生活、社会生活の実態を調査して下さい。 一、被爆ということが、就職、就労、結婚、進学等、被爆者の社会生活にどういう影響を与えているかを調査して下さい。 一、被爆ということが、家族構成にどういう影響を与えているかを調査して下さい。その中で母子家庭、孤老、孤児等の生活実態を把握して下さい。 一、被爆者の就業、就職、収入、支出の状況を調査して下さい。被爆者の就業、就職している生業について、その業種、業態、収入等の特徴を把握して下さい。 一、被爆者に特徴的な病気を調査して、それに対する根治療法研究の状況を把握して下さい。 一、被爆者の検診、治療について、各地の検診、治療機関は充実しているか、被爆者が利用し易いか、利用上の障害は何か、被爆者がどういう不満と要求をもっているかを把握して下さい。 一、医学上の問題として特に被爆者二世に対する原爆障害の遺伝的影響、被爆者の生殖機能等の問題について調査して下さい。 一、健康状態の調査については、自覚症状等のききとり調査にとどまらず、医師による検査を行って下さい。 一、医療法第二条第三号に定める被爆者について、例えば被爆直後から被爆者と接触した家族への影響の問題等を調査して下さい。 一、特別被爆者、一般彼爆者の現行法規による区分が適当か否かを調査して下さい。 一、この調査の立案・実施・集約の各段階を通じて、審議会の設置その他の方法により、被爆者及び学識経験者の意見が反映されるようにして下さい。 |
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