歌集 鶺鴒

『歌集鶺鴒 長崎多磨叢書第三篇』(迫澤子著、長崎多磨会刊、19530120)

001 序 島内八郎
013 三日月集(昭和20年以前)
018 箒雲集(昭和21年)
035 季節の花(昭和22年)
063 見通しの廃墟の中に雙塔<そうとう>はそのおもかげを半ば曝しつ(浦上天主堂)
064 うず高き瓦礫をぬきて立つ塔にキリストマリアの像は残りつ
065 聖歌隊のコーラスをいま聴きおりて眼つぶりぬ廃墟の中に
066 あけくれ抄(昭和23年)
072 二月の感情(昭和24年)
086 瀬音抄(昭和25年)
092 向日葵集(昭和26年)
過去を抱く
不安から逃れたときの悦びをくりかえしつつ老いゆくかわれは
死の翳におびやかさるるといふ貌〈かほ〉のみにくくゆがむとみにこのごろ
120 愛憎抄(昭和27年)
原爆の悲しき痛手うすらぎて過ぎ来し日日よ七年は経つ(原爆七周年記念日二首)
原子野に早や建ち並ぶ家家の窓の灯りよ胸に沁み来る
132 母の歌集『鶺鴒』によせて 田中幹朗
134 短歌的リアリズムについて 迫徹朗
138 後記 迫澤子