『破滅の決定 世界を変えた“マンハッタン”計画』(マイケル・アムライン著、野間寛二郎訳、三一新書<三一書房>、19620420)
内容
1 | 「いそいで、ひとめにつかぬよう」 9 | ||
「ハリー、大統領が死にました」/君たち、ぼくのために祈ってくれ!/あたらしい世紀の開幕 | |||
2 | 「月と星と ぜんぶの惑星が」 15 | ||
戦争はアメリカ人の世界への眼を開いた/原子のカーテンは厚く、とざされていた/『無の生産』とトルーマン委員会/ロス・アラモスが生んだ『あたらしい生命』/大統領第一日はバーンズとの会見からはじまった/<補助大統領>ジェイムズ・バーンズ/バーンズ国務長官の誕生/国連憲章は原子力時代以前の産物 | |||
3 | “manhattan” 35 | ||
力の限界以上のものをよんだ/史上空前の《いそがしい大統領》/スチムソンと“manhattan”/原子力世界の『悪夢』的性格/人間は原子エネルギーを管理できるか/スチムソンを議長とする秘密委員会の成立 | |||
4 | 「ただ一機」 49 | ||
<ギミック>をまつ飛行士たち/五〇九航空部隊の秘密任務/孤島のなかの孤島の基地 | |||
5 | 「ただ一個の爆弾」 55 | ||
砂漠のはての<Y地点>/Y地点の物理学者たち/<ギロチン>で<竜のしっぽをねじる> | |||
6 | 「臨時」-だが「歴史の長い眼」 61 | ||
臨時委員会の最大の問題/テニアン島の五〇九部隊/日本をおそった《人工台風》/あれくるった人工の火の嵐/どたん場の抵抗と勝利へのみおとし/<たたかう意志>のかたまりへの恐怖/使用決定の歴史的意味/爆弾の効果はどれぐらいか/爆弾の秘密はまもられるか/最初の原爆で人を殺すべきか/使用についての科学者の判断 | |||
7 | 「老鷲」 81 | ||
組織に忠実な男/1911年の世界 | |||
8 | 「爆弾の下側」 87 | ||
二つの脅威を育てた男/<治金研究所>の科学者たち/ひとりのヨーロッパ人/科学者の協同の中心/米ソの競争を予測したフランク報告/国際協定と廃棄についてのみとおし/原爆の無警告投下について/直接的ナ使用イガイニナイ/スチムソンの判断 | |||
9 | 「ジュリアスからきた」103 | ||
ローゼンバークとフックス/ゴールドとフックス/「ジュリアスからきた」/秘密はソ連の手にわたった/この章についての訳者註 | |||
10 | イギリス人とソ連人 111 | ||
「少数の者による生活様式の決定」/<秘密>をめぐるイギリスとアメリカ/“知る必要という原則”/爆弾は使用するためにつくる/秘密ではなかった原子計画/この世の地獄、大統領の激務 | |||
11 | 「日本への侵入計画」 121 | ||
統合参謀本部会議と文官指導の会議/なされなかった日本への警告/軍と政治の指揮系統/スチムソンの日本観/拒絶すれば破壊、降伏すれば希望/長い時間に準備されたひとつの<橋> | |||
12 | 最後の数分 133 | ||
ジラードの嘆願書/秘密のなかにきえた科学者の意見/原爆使用についての科学者の投票/鋼鉄の塔は秘密の儀式をまつ | |||
13 | テニアン-「光輝ある奴らは準備する」 143 | ||
バラード《だれもしらない》 | |||
14 | 「終着駅」ターミナル-三大首脳アインシュタインの世界に入る 149 | ||
アインシュタインの世界のさいしょの政治家/戦後世界の最大の焦点/世界の悲劇の目撃者/ポツダムの空気はよどんだ/雨と電光の<その前夜>/「赤ん坊は満足に 生まれた」!/はるかにめんどうな問題/わたしはその武器をこのまない/管理制度についてのスチムソンの見解/原爆による天皇の説得/目的のための絶対的道具/世界の死をすくうちいさな悪 | |||
15 | 下稽古と役者たち 167 | ||
<カボチャ>をつかチた下稽古/ポツダムの晩餐会/コンプトンの決断/投下命令はポツダム宣言のまえにだされた/重要さを理解しなかったスターリン/千両役者?スターリン/ポツダム宣言は<威力>をもちえたか? | |||
16 | 「することはもはやない」 189 | ||
<地獄の機械>ははこばれた/チャーチル、総選挙でやぶれる/<のろまな竜>のものがたり/ついに命令はくだされた | |||
17 | 「おお、神よ!」 191 | ||
広島、小倉、長崎/八月六日午前九時一五分! | |||
18 | 「荒廃の雨」 197 | ||
真珠湾から広島へ/平和と挑戦の交錯-日本の混迷/アメリカの降伏勧告/<無条件降伏>のためのふたつのシンボル/だれも<機械>をとめなかった/<たえがたきをたえ…>/ことはおわった!/未来はここからはじまる | |||
19 | 19 良心と疑問 215 | ||
決定は単独でなされたか/決定者は制約されていたか/日本降伏と原爆のかんけい/フランク報告を読んだのはだれか/スターリンはどこまでしっていたか/冷戦への洞察はあったか/決定的重要性のなかった原爆スパイ/現代の最大の悲劇的疑問!/戦争終結と原爆のかんけい/永遠と未来への決定? | |||
止