思想検事

『思想検事』(荻野富士夫、岩波新書、20000920)

内容

思想検事とはなにか
「思想司法」という発想―大逆事件から3・15事件まで
1 「裁判攻め」、そして森戸事件
2 治安維持法―治安法制の最強・最大の武器
3 京都学連事件前後
4 思想検事の誕生
弾圧と「転向」の体系ー「共産党の自壊没落時代」を演出
1  大量検挙のなかで
2  法の拡張解釈ー目的遂行罪の活用
3  「転向」方策を編み出す
4  さらなる機構の拡充へ
5  思想検事たちの勝利宣言
検事主導の「思想戦」ー日中戦争下の取り締まりと拡大と深化
1  思想犯保護観察制度の成立
2  社会民主主義と宗教運動も標的に
3  思想検事の再拡充
4  「思想司法」の掌握指揮をめざす
 Ⅳ  「思想国防」体制の構築―対米英開戦から敗戦まで
 1  司法理念のあらたな展開
 2  新治安維持法はなんであったか
 3  「陛下の検察官」ー「思想国防」の支柱として
4  「決戦段階」の弾圧強化
 公安検察への道ー克服されないままの戦後
1  思想検察はなぜ断罪されなかったか
 2  公安検察への継承
 結び ふたたび思想検事とはなにか
 治安維持法関連条文
 あとがき
 参考文献一覧