民族と国家―イスラム史の視覚から

『民族と国家―イスラム史の視覚から』(山内昌之、岩波新書、19930120)

内容

はじめに
1 イメージとしての民族と国家―レコンキスタから冷戦終了まで
1 湾岸戦争とボスニア=ヘルツエゴヴィナ内戦
2 神話・象徴複合としての民族
3 二つのナショナリズム
2 イスラム史のなかの民族―ムスリムと啓典の民
1 イスラムにおける民族の系譜
2 レンズを通して見た非イスラム世界
3 ムスリム・キリスト教徒・ユダヤ教徒
4 中東とヨーロッパのキリスト教
3 パックス・オットマニカ―ミッレト制による「諸民族の平和」
1 オスマン帝国とアラブ独立王朝
2 ボスニア=ヘルツエゴヴィナのイスラム化
3 イスラム国家とヨーロッパ
4 他民族と平和共存
4 愛国心か、ナショナリズムか―ムスリムの見た外国と異民族
1 ヨーロッパのなかのイスラム
2 国名のない国家
3 フランス革命とオスマン帝国
5 ムハンマド対マルクスー資本主義・労働運動・民族問題
1 クウェートとサウディ・アラビア」の原型
2 「アラブ国家」か、エジプト国家か
3 民族問題と経済問題
4 民族モザイクの変容
5 バルカンの労働運動とアナトリアのアルメニア問題
6 「高貴な民」の目覚め―アラブ人とトルコ人
1 ミレットから民族へ
2 「高貴な民」としてのアラブ
3 イスラムから生まれたアラブ意識
4 預言者の正系とアラビアのロレンス
5 中央集権化対地方分権化
7 イスラム帝国の終焉―国民国家に向かって
1 植民地分割か、国民国家の成立か
2 エジプト・ナショナリズムの開花
3 ムスリムからつくられたトルコ人
4 イスラムと複合アイデンティティ
5 ユーゴスラヴィアの「ムスリム人」
民族と国家のリアリズム―構造と神話