ナチス追及

『ナチス追及』(望田幸男〈もちだゆきお〉、講談社現代新書1015、19900820)

内容

いまドイツのなにを問うべきか
いまドイツにを問う意味
アウシュヴィッツは終わらない
美少年ゆえの数奇な半生
問われる国民の戦争責任
二つのファッショ体制の相違
「ヴァイツゼッカー演説」を貫くもの
ナチス追及の広がりと深さ
本書の構成
1 追う者と追われる者
逃亡14年――アイヒマンとモサド
「他者」による追及と裁き
時効なき「みずから」による裁き
2 「ワルトハイム」たちの悩み
「過去」を捨てられなかったワルトハイム
「過去」を墓場に埋葬したカラヤン
「庶民のなかのワルトハイム」とその家族たち
3 西ドイツにおける極右=ネオナチの流れ
生きている「ナチスの残党」
旧ネオナチから新ネオナチへ
ヒトラーの孫たち
ナチス追及の未来
日本における「ナチス追及」論の二つの流れ
道徳的リゴリズム
道徳的な非政治の世界
道徳的な非政治の落とし穴
ナチス追及史における新たな問題状況
熱望と不安のなかの「ドイツ統一問題」
ドイツ統一問題と「過去の克服」
ナチスなきナチス追及
「ナチス追及」が日本に問いかけるもの
<沼田鈴子、日本の原水爆禁止運動、・・・>
あとがき