戦争と平和のマスコミ学

『戦争と平和のマスコミ学』(岡崎万寿秀、新日本出版社、19830525)

内容

序章 青年とマスコミとの対話
あるエピソードからの問いかけ/「どこまで語れるか」の苦悶/戦争か平和かの岐路にいどむ記録/求められる路線そのものの選択肢/二つの道の対決のマスコミ的反映
1 たちあがる良識
マスコミの男女差別考
  あまりにも男性的単眼が/差別撤廃への逆行現象
米原潜あて逃げ怒り三態
 疑惑の目―”核のカサ”の現実/真相解明とざす安保擁護論
歴史家の出ない天皇80年史
 天皇報道にみる”大本営発表”/宮内庁仕込みのテレビ特番
”風にそよぐ”憲法とマスコミ
 鮮明となる憲法判断の分岐/選択めぐるあいまいな一皮
はえなわ切断事件、憤りの壁
 「日米同盟」の危険さまざま/ 「日米同盟」の問い直し必要
ライシャワー発言の大波紋
 国民とともにたつ報道/WHYとHOWの追及
ミッドウェー”ノー”に考える
 非核と”核のカサ”共存論一考
たちあがる日本の良識、そして
 「限定核戦争」の視角が/”核のカサ”か”核のタテ”か//
”平和ボケ”か、”軍拡ボケ”か
 「サンケイ」の軍拡ラッパ/「反政府、反権力」否定の論理
36年目の沖縄の声
 沖縄二紙-統一訴えの真摯さ/”安保21年”の国民的討論を
世論状況と二人の知識人〈中野好夫・新村猛〉
 屈折した世論に迎合なきか/核戦略を忘れた核論議/
社会党だけか”20年1日”
 都議選にみる都民の疑惑/ミッテランの赤いバラは
”押っ取り刀”のタカ派雑誌よ
 新聞の右傾化要求の論理/雑誌の志操と伝統とくらべ
一巡したサミットの正体
 政治サミットの本質あらわ/潮流を乗り越える視点
2 岐路にたちて
八月六日、核と非核の間
  「現実主義」のしたり顔破綻/逆流に身をおく「読売」連載
8・15-よみがえる加害体験
 侵略戦争の認識いま /貫くべき「マリコ」の視点///
日昇丸事件にみる「虚実皮膜の間」
 米側報告書への不信と賛辞/「ひと皮めくる」追跡力を
いま「敬老」いうならば
 「行革」問わぬ報道のマンネリ/老人が願う仕事を!平和を!
ベルリン五輪の再現ノー
 平和の祭典への危惧/クーベルタン精神にたって
はたして「知る権利 守る権利」
 「知る権利 守る権利 支える読者」/心したい読者要求の変化/米軍タンク爆発事件では
ロッキード疑獄追跡の初心はいま
 ”当局追尾型”の報道では/世論喚起もP3C究明も
鬼頭謀略告発の活気、その後
 新聞が告発した権力犯罪/にもかかわらず、なぜ?
パターン破った公明党報道
 もう「現実路線」とは呼ばぬ/知りつつ欺瞞にのる悪習
労働戦線統一”冬景色”
 体制内労働運動の推進役/右傾化への懸念と矛盾
3 反核・軍縮の波
”軍縮の年”新聞事始め
 軍縮の主張高けれど・・・ /分岐する”世界の中の日本”論
 朝日新聞vs「諸君!」の図式
 右傾化迫る「諸君!」の手法/右がみた論説と報道の距離
軍縮論のリトマス試験紙
 ゼスチャー「軍備」論登場/軍縮報道の座標軸
戦争犠牲に同情でよいか
 中国残留孤児問題への視点/どうみる中国侵略の罪悪
「ヒロシマ行動」今後の見方
 プログラムもつ運動の提言/歴史は語る自民党の妨害
さわやかな家永教科書裁判への目
 教育の反動化ゆるさぬ姿勢/ふだんの世論喚起を
国鉄再建は春の乱気流
 「分割・民営化」論の裏に/国民のための国鉄への視角
核軍縮報道の”これから”
 民衆の反核運動こそ力/なにより自国政府へ向けて
草の根運動と新聞の発想
 活気ある反核報道の自負/”民衆運動恐怖症候群”
世界の戦火にマスコミ舞う
 見忘れられた民衆の視点/ベトナム戦争報道の体験を
許さぬ一線―教科書問題
 ジャーナリスト戦後の視点/軍国主義批判の首尾一貫性
マスコミの8・15風景
 とりわけ加害責任を自覚/「ハッとする」時代感覚こそ
4 転換期のジャーナリズム―マスコミと「赤旗」のばあい
”安保タブー”は生きている
  無残に焼かれたものの怒り/ジャーナリズムとして
 F16配備めぐる今様「新聞主義」
  ”安保タブー”で通らぬ現実/いずれが真のジャーナリズムか
自民党政変で語らぬもの
 政策破綻をいうだけでなく/”国民のもんさし”でみる
だが、日米共同作戦は進む
 憂慮か、問題追跡か/意図的な情報操作も
”ブルーインパルス”の陰影
 なぜ無謀な自衛隊PR/教科書問題その根底に目を
中曽根内閣批判の欠落部分
 新政権みすえた批判力/「行革」問題でなぜ弱腰
転換の時代のマスコミ像
 野党の責任を問う姿勢/革新統一にこそ展望
波乱の幕開け、新聞の本領
 二つの「戦後の総決算」/マスコミ版、二つの道の選択
反中曽根の表層と深層
 「戦術転換」―そこから、タカ派、ハト派の分類法
エンプラ寄港の「いまという時代」
 安保条約へのきびしい目/平和の根源を問い考える
あとがき///