『戦争と民衆 戦争体験を問い直す 一橋大学大学院社会学研究科先端課題研究叢書(3)』(三谷孝編、旬報社、20080410)
内容
部・章 | タイトル(著者) | 備考 |
はじめに(三谷孝) | ||
Ⅰ | 総論 戦争体験を問い直す | |
1 | 〈戦争体験〉-その全体像をめぐる〈人間〉の営み…(濱谷正晴) 21 | |
はじめに-戦争の”歴史性” 21 1〈原爆と人間〉-視点を探し求めて 23 2〈戦争体験の全体像〉-その形象化と非戦の胎動 35 (1)オーラル・ヒストリー&パーソナル・ドキュメント 36 (2)第二世代、同世代・異世代間の対話、コミュニティ 37 (3)集合的記憶・トラウマ 39 (4)メモリアル・モニュメント・ミュージアム 40 (5)つぐない・戦争犠牲は受忍しない 41 むすびに代えて-”戦なき世”を 43 |
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2 | 東井義雄の戦中・敗戦経験とペタゴジー-戦後教育実践に刻んだもの…(木村元) 50 | |
はじめに-教育における戦中と戦後経験 50 1 敗戦から戦後へ 53 (1)戦後教育の出発時の東井における教育課題 53 (2)敗戦時の立脚点-唐川校から相田校へ 55 2 『学童の臣民感覚』を生み出した東井の歩み 60 3 村と学校を繋ぐ「土生が丘」-沈潜の戦後実践 65 (1)「土生が丘」の成立基盤 65 (2)「土生が丘」の出発と構成 66 (3)村の教育の課題と「土生が丘」の展開 68 (4)「村を捨てる学力」への対抗と「村を育てる学力」の登場 69 (5)『村を育てる学力』の上梓 72 4 小括-敗戦時の課題と戦後の総括 74 |
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Ⅱ | 原爆体験 | |
3 | 原爆被害者と「こころの傷」-トラウマ研究との対話的試論…(直野章子) 85 | |
はじめに 85 1 被爆者の精神的被害にかんする研究 87 2 トラウマとPTSD-概念の系譜 89 3 トラウマ研究と表象不可能性 92 4 被爆者の語りと沈黙 95 5 死者を抱きしめながら 101 6 証言者と聴き手 105 おわりに 109 |
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4 | ある被爆者の原爆体験と証言活動-その思想的営為…(源氏田憲一) 122 | |
はじめに 122 1 被爆 123 2 思想的営為 125 3 証言活動 129 4 語り手の多元的主観性と証言者の「立場」-むすびに代えて 134 |
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Ⅲ | 沖縄戦 | |
5 | 沖縄戦と民衆-沖縄戦研究の課題…(林博史) 141 | |
はじめに 141 1 沖縄戦とはなにか 142 (1)沖縄戦への道 142 (2)沖縄戦の経過 144 2 沖縄戦の特徴-これまでの研究で明らかにされてきたこと 147 (1)沖縄戦研究の視点 147 (2)沖縄戦研究の成果 150 3 『沖縄戦と民衆』で提起したこと 153 4 近年の研究成果 156 (1)その後の沖縄戦研究 156 (2)新しく見つかった日本軍資料 157 (3)県や警察の資料 160 5 沖縄戦研究の課題 162 さいごに 167 [追記] 170 |
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6 | 本土における沖縄戦認識の変遷-軍隊と民衆の関係という論点をめぐって…(小野百合子) 175 | |
はじめに 175 1 沖縄戦の語りの変化-軍隊の目から民衆の目へ 177 (1)①援護法の適用と「軍民一体」の語りの形成 177 (2)②戦後本土における沖縄戦の記録 181 (3)沖縄における住民の戦争体験記録運動の始まり 186 2 本土における沖縄戦への着目の始まり 190 (1)①空襲・戦災体験記録運動の活発化とそこでの沖縄戦の扱い 190 (2)②本土における沖縄戦への着目 194 3 本土における沖縄戦認識の争点化 199 (1)教科書の沖縄戦記述の増加と争点化 199 (2)戦場における軍隊と民衆の関係という論点への着目 204 おわりに 206 |
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Ⅳ | 中国大陸での戦争に関連して | |
7 | 中国における戦時性暴力をめぐる記憶と記録…(内田知行) 219 | |
はじめに 219 1 同時代の文書史料が語る「戦時性暴力」の記録 221 (1)同時代の抵抗権力による公文書 222 (2)同時代の抵抗権力等によるインフォーマルな文書 224 2 『山西抗戦ロ述史』が語る「戦時性暴力」の記憶 227 ①山西省東南部、壷関県鶴屋村で発生した性暴力の証言 228 ②山西省東北部、代県劉広村で発生した性暴力の証言 229 ③山西省東南部、潞城県五里後村で発生した性暴力の証言 230 ④山西省西南部、襄汾県の農村の砲台で発生した性暴力の証言 230 ⑤山西省西南部、襄汾県南賈村の砲台で発生した性暴力の証言 231 ⑥山西省北部、忻県宋家荘村で発生した性暴力の証言 232 3 共著が語る「戦時性暴力」の記憶 235 (1)「個人の個別の被害」の記憶 235 (2)もうひとつの「被占領経験」の記憶 240 (3)村の性暴力と都市部における「慰安所」との関係 243 むすび-歴史研究者として学んだこと 245 |
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8 | ある「シベリア抑留」のライフストーリー-自分史のなかの戦争の記憶…(佐藤美弥) 250 | |
はじめに 250 1 Aのライフストーリー 252 (1)成長と職業の選択 252 ①生い立ちと教育 252 ②卒業と就職-鉄道業務のなかの戦争 255 (2)Aの戦争-入営・「満洲」・「シベリア」・「ダモイ」 256 ①部隊での経験と敗戦の記憶 256 ②アングレンでの強制労働 261 ③強調される記憶-ソ連人との交流・「民主教育」・「ダモイ」 263 ④復員、再就職後の生活について 267 2 いま、戦争を語ること 269 (1)自分史における戦争の記憶の位置 269 (2)戦争を語ることについて 270 むすびに代えて 272 |
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9 | 中国東北地区における朝鮮族部隊について-中華人民共和国建国期を中心に…(李海燕) 278 | |
はじめに 278 1 「満洲国」崩壊後における朝鮮族部隊の成立 280 (1)成立の背景 280 (2)国共内戦での活躍 281 (3)中国共産党による改編 284 2 朝鮮族部隊の北朝鮮への移動 286 (1)移動のプロセス 286 (2)移動の背景 288 3 朝鮮戦争と新たな入隊 292 (1)入隊志願の動機 292 (2)入隊情況 295 おわりに 297 |
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補講 | 「防衛のための戦い」の記憶-中世ノルウェーのレイザングルについて…(阪西紀子) 305 | |
はじめに 305 1 戦いへの召集の二つの方法-レイザングルと緊急の全員召集 306 2 マンゲルズの基礎としての「ビール醸造組」 307 3 法に見るレイザングル 311 4 「王のサガ」と文書に見るレイザングル 316 おわりに 320 |
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止