「書誌1995」カテゴリーアーカイブ

ホロコーストの罪と罰-ドイツ・イスラエル関係史

『ホロコーストの罪と罰-ドイツ・イスラエル関係史 講談社現代新書』(ミヒャエル・ヴォルフゾーン、講談社、19950920)

内容

日本語版へのまえがき
まえがき
凡例
1 ヒトラーがいなければイスラエルはなかった?―建国の伝説に反論する
2 ドイツ・ユダヤ・イスラエルにおける歴史政策の歩み
1 戦後の補償 1949~55年
2 歴史政策と日常政策の間 1949~55年
3 「正常な関係」への転換 1965~73年
4 「正常な関係」の限界 1973~84年
5 割れた薄氷 1984~87年
6 政治的生物主義、政治的機械主義、反ドイツ主義
7 ドイツとユダヤ人と「新しい中東」
3 ホロコーストとユダヤ人
1 ホロコーストを通して世界を見る
2 ホロコーストがアイデンティティをつくる
3 ホロコーストがイスラエルを正当化する
4 ホロコーストが社会を統合する
5 補償交渉というブーメラン
6 世論調査に映った「人殺しの国」
4 ドイツとイスラエルの役割交換
5 言葉をめぐる問題―「防衛」から「ホロコースト」まで
6 市民の意見―世代交代の鏡像
7 市民の行動―指標としての観光
8 礎を置いた二人
1 コンラート・アデナウアー
2 ダヴィッド・ベングリオン
9 三角関係を検証する
1 イスラエルは疎外要因か?
2 離散とイスラエルのはざまで―ドイツ・イスラエル・ユダヤ関係
3 伝統的友好関係という錯誤―ドイツ・アラブ・ユダヤ=イスラエル関係
変わったもの、変わらないもの
訳者あとがき

朝鮮戦争

『朝鮮戦争』(和田春樹、岩波書店、19950130)

内容

北朝鮮群の南進攻撃とソ連・中国
1 開戦四〇年から振り返る 3
2 開戦時の北人民軍 7
3 ソ連の態度 13
4 中国革命と北朝鮮 23
5 中国の参戦 30
再論 北朝鮮群の南進攻撃とソ連・中国
1 開戦四〇年から停戦四〇年まで 43
2 ふたたび開戦時の朝鮮人民軍について 48
3 ふたたびソ連の態度について 65
4 ふたたび中国革命と北朝鮮について 78
5 北朝鮮の韓国占領 85
鮮戦争の開始と日本共産党
1 二つの研究 97
2 中ソ両党とコミンフォルム批判 103
3 転機を迎えた日本共産党 113
4 朝鮮戦争の開始と日本共産党 124
IV 米韓国連軍の北進攻撃
1 朝鮮戦争の開戦と米国 133
2 李承晩大統領の希望と現実 146
3 米国の参戦と北進 149
4 米韓軍の北朝鮮占領 167
V 米中戦争
1 ふたたび中国の参戦について 181
2 米中戦争の体制と展開 191
3 停戦会談の開始 212
VI 戦時下の日本と北朝鮮
1 朝鮮戦争の影響と日本 223
2 戦時下の北朝鮮 248
VII 停戦協定の締結と戦争の遺産
1 停戦協定の締結 281
2 平和の到来と南労党系の裁判 313
3 戦争のもたらした被害 320
VIII 歴史としての朝鮮戦争
エピローグ
1 一冊の本 350
2 ロシア政府提供の資料 354
文献目録 371
人名索引 1

原爆神話の五〇年 すれ違う日本とアメリカ

『原爆神話の五〇年 すれ違う日本とアメリカ』(斉藤道雄、中公新書〈中央公論社〉、19951025)

内容

ロスアラモスの千羽鶴 3
11ドル50セントの始まり
サダコと千羽鶴
平和プロジエクトの波紋
スミソニアンの新風 13
よみがえるエノラ・ゲイ
新館長の就任
第一次大戦展
大統領決定への疑問
ボランティアの反乱
原爆神話ヘの挑戦 31
企画書第一版
復讐の戦争、防衛の戦争
人種偏見への言及
日本の和平工作
無条件降伏の呪縛
ソ連ファクター
なぜ警告しなかったか
日本本土への上陸作戦
推定死傷者数
被爆写真
企画書への評価
三万フィートの上と下
踏まれた虎の尾 60
広がる警鐘
口火を切った空軍協会
WAVAラジオの討論
マスコミによる袋叩き
歴史の書き換え
原爆神話の背景 83
何が原爆神話か
三〇対ゼロの採決
教科書の原爆消えない一〇〇万人神話
原爆は戦争を終わらせたか
たったひとりのための原爆?
変わらぬ世論調査の結果
戦争-退役軍人の記憶 113
「被害者意識」への疑念
五〇年前の世界
日本人への恐怖
五〇九航空部隊
引き継がれる記憶
原爆「論」許すまじ 137
アメリカン・リージョンの査問会
動ぎ出した議会
原爆投下の容認
危険な賭け
ロスアラモスの緊張 159
最初の公聴会
国に縛られた歴史
反核を許さない町
子どもたちの力
歴史学者の反論 180
原爆の悲惨から威力へ
歴史は誰が書くのか
記憶と歴史の混同
原爆チーム五分の魂 197
原爆展の中止
キノコ雲の上の五〇周年
スミソニアンさんに感謝
過去を見つめるべき時
半世紀の軌跡 210
戦争の文化
消えない原爆論争
戦争の忘却
五〇年目からの歩み
あとがき 229

 

岸信介―権勢の政治家

『岸信介―権勢の政治家』(原彬久、岩波書店〈新書〉、19950120)<きしのぶすけ、はらよしひさ>

内容

1 維新の残り火―生いたち
2 青春の刻印―国家社会主義への道
3 時代の帆風を受けて―少壮官僚の野心
4 国家経営の実験―満州国時代
5 戦時体制を率いて―国家主義の蹉跌
6 幽囚の日々ー獄中日記が語るもの
敗戦/東久邇内閣/A級戦犯容疑者/巣鴨プリズン時代/獄中日記/金網の向こう側/揺れる心/尋問/乱れ飛ぶ情報/東京裁判への反発/「法律論ノ域ヲ逸脱」/「暴虐」/「反共」と「反米」/米ソ対立と日本/好機としての冷戦/「反共の盟友」/「日本義勇軍」/児玉誉士夫からの情報/井野の出獄/「住めば都」/東条らの死刑判決/「不起訴・釈放」への疑問/御前会議への出席/国際検察局の報告書/椎名悦三郎の嘆願書/GHQの「内戦」/G2の優位/多彩な趣味/総選挙で惨敗/
7 保守結集に向かって―55年体制の構築
吉田政治の本格的始動/新憲法への感想/「強力な指導態勢」/「力」の根源/日本再建連盟/右派社会党への入党打診/自由党入党/保守本流と保守傍流/二大政党と小選挙区制/「独立の完成」/第一次保守合同への道/”岸派”の母体/自由党憲法調査会長に/転機/「反吉田」/日本民主党/吉田から鳩山へ/国民の意思/行き詰まった憲法改正/第二次保守合同への道/三木車中談/浦厚相と表交渉/両党党首会談/社会党統一への動き/重光・ダレス会談/再び新党の幹事長に/自由民主党の誕生/
8 権力の頂点に立つ―安保改定への執念
再建連盟と保守合同/緒方の死去/石橋内閣とその崩壊/強運の人/安保改定の構想/駐日大使との予備会談/「中立化」への恐れ/「アジアの盟主」/防衛力増強/日米新時代/岸への信頼/2・18草案/「新条約」構想/10・4草案/国内事情/派閥関係の原構図/基盤強化に腐心/警職法改正/全面敗北/対大野念書/行政協定の大幅改定/河野と池田/「拒否権」/冷戦体制への認識/「解散」実現せず/民社党の結成/安保特別委での審議/事前協議、極東の範囲/5・19採択/院外闘争の高揚/党内反岸の鳴動/総辞職/
エピローグ 執念と機略と
講和条約と安保条約/「自助および相互援助」/吉田と岸/新条約と「独立の完成」/不本意な退陣/池田後継/沖縄返還/憲法改正/政権復帰の道/岸の田中評/構造の彼方に/乱世を生きて/
あとがき
参考資料・1次資料

科学技術の戦後史

中山茂『科学技術の戦後史』(岩波新書、19950620)

 はじめに/起承転結
1 占領政策の影響(1945-1952)「起」の位相
1 敗戦になって
2 占領軍の科学政策―武装解除と研究禁止
3 新しい研究組織作り
4 基礎科学か経済復興か
5 占領政策の転機
6 講和になって
2 高度成長の軌跡(1956年ごろから1960年代)「承」の位相
1 通産省の神話
2 技術移転による高度成長
3 スプートニクショックと理工系ブーム
4 官・産・学の研究構造の成立
5 国民生活と民需
3 科学優先主義の曲がり角(1970年代)「転」の位相
1 反科学と科学批判
2 公害問題
3 オイルショック以後
4 日本型モデルの成立(1980年代以降)「結」の位相
1 科学技術立国
2 基礎科学の問題点
3 大学院の改革と国際化
4 アジアの諸国との関係
5 結論
1 日本の型とは
2 進歩のパラノイア
あとがき

 

戦後文学を問う―その体験と理念

『戦後文学を問う―その体験と理念』(川村湊、岩波新書、19950120)

内容

「戦争」が終わった
帰還/死者たち/たどりつけない「日本」/廃都の獣/戦後文学の始まり
初めての海外旅行
1
中国へ―中野重治/「事実を見て書く」/反右派闘争をめぐって/政治に従属する文学/「片寄った眼」
2
1960年の「中国」―開高健/砕けちる幻想/「大躍進」を見る―野間宏/健全で幸福な旅-大江健三郎
放散するエネルギー―60年安保と文学
1
パルタイの時代―倉橋由美子/若い世代の信仰告白/青春の群像―舟橋聖一/連帯をうながすもの/衝動に走る若者たち/
2
学生運動の精神的風景―柴田翔/純粋を志向する青春/観念的風俗の小説群/エネルギーの追い風=野間宏/虚無に支えられたエネルギー―石川淳//
1960年の雛祭り
1
目に見えないタブー/説得力のない擁護/夢の物語/悪意あるイタズラ/三島由紀夫の配慮//
2
「聖婚」への反対者/作家の孤立/////
ベトナムを見る眼
1ベトナム青年の銃殺―開高健
〈見る〉ことの犯罪性/25年ののちに―日野啓三/〈聞く〉体験/インドシナ地域への関心/三角関係の構造―結城昌治/「ベトナム」の意味する者/ベトナム・朝鮮・日本
〈性〉の冒険者たち
方法としての〈性的なもの〉―大江健三郎/文学の新潮流/性的人間/原初的欲求の解放―宇能鴻一郎/現実に追いつかれる文学/〈性的なもの〉の変貌/”性の自叙伝”の系譜/観念化された〈性〉/野坂昭如の世界/
関係としての〈性〉
ジェンダーの文学/「内向きの世代」―古井由吉/日常生活のエロティシズム/徹底した性描写―中上健次/80年代の〈性〉―村上龍・山田詠美/孤独な男たち/母体回帰の物語/フェミニズム的視点
クルマの中の闇
1
移動する”個室”/小説空間としてのクルマ―義之淳之介/家庭崩壊とクルマー立松和平/浮遊する密室///
2
ガレージに住む少年―日野啓三/孤独で凶暴なクルマ/自画像としてのクルマ―村上春樹/魔法の箱
「家」が流れる
漂泊する「家」―宮本輝/宙吊りのコンクリート箱―後藤明生/「家」を脅かす”敵”/歪んだ「家」―干刈あがた/戦後民主主義の帰結―山田太一/
普遍化する〈アメリカ〉
1
作品空間のアメリカ化/”新世界”を目指す文学―村上春樹/〈アメリカ〉の変貌/〈アメリカ〉化する感性/私たち内部の〈アメリカ〉//
 2
〈アメリカ〉への変身願望/テーマとしての「亡命」/黒人と混血児/”ここがアメリカだ、ここで跳べ”
「在日する者」の文学
1
定着しない呼称/その誕生/三つの問題意識/第一世代とその前史/第ニ、第三世代/
 2
 新たな事態/「アイデンティティーの危機」の消失/立原正秋と金石範/否定される「民族」/在日朝鮮人文学から在日の文学へ
「戦後文学は」が終わった
新しい文学の予兆/みなし子の物語-吉本ばなな/家庭崩壊から孤児感覚へ/文学伝統からの孤立―笙野頼子/夢の世界のリアリティー/架空の「地図」と「地誌」/日本の新しい文学
作家一覧

 

遺族と戦後

『遺族と戦後』(田中伸尚・田中宏・波田永美著、岩波書店、19950720)

内容

遺族の半世紀 1
1 遺族の戦後50年 2
2 日本遺族会の軌跡 34
3 変わっていく「遺族」 58
II 国家は遺族にどう補償したか 81
1 非軍国主義化と軍人恩給の復活 82
2 被爆者、引揚者、沖縄戦の犠牲者 97
3 戦後補償における国籍差別 114
4 高度成長下での変化と“一国主義” 129
III 戦没者をどう追悼するか 147
1 平和遺族会の誕生と歩み 148
2 国家による追悼 159
3 民族の追悼意識 177
IV  遺族と政治 193
1 日本遺族会と選挙 194
2 靖国神社法案 205
主要参考文献 241
あとがき 245

戦後政治史

『戦後政治史』(石川真澄、岩波新書367、19951205)

内容<作業中

はじめに
1 敗戦
2 占領と改革の開始
3 憲法改正
4 政党の復活
5 戦後初の総選挙と第一次吉田内閣
6 社会党、第一党に
7 初の単独過半数政党
8 講和の前後
9 吉田対鳩山、左社対右社
10 保守一党優位体制の成立
11 対ソ国交回復、国連加盟
12 60年安保と政治の転換
13 経済政治の時代
14 社会党変貌の挫折
15 佐藤長期政権の始まり
16 沖縄、「本土並み」変換
17 「今太閤」と列島改造
18 「今太閤」の没落
19 首相の犯罪
20 伯仲の継続
21 「闇将軍」の支配
22 「総決算」路線の進展
23 自民党の世代交代
24 竹下派支配
25 「国際貢献」と選挙制度改革
26 「保守」政治の拡大
補論 民意の軌跡
1 参院選挙と亥年現象
2 戦後総選挙の諸相
衆議院議員総選挙・基本数字
参議院議員選挙・基本数字

天皇裕仁と地方都市空襲

『天皇裕仁と地方都市空襲』(松浦総三著、大月書店、19950414)

内容

全土せん滅空襲の開始と大本営発表
1 4大都市空襲の裕仁・大本営発表 13
2 「天皇報道」の原点としての大本営発表 15
3 庶民の目、裕仁の目、米軍史料 18
4 裕仁・大本営発表への抵抗者たち 26
5 空襲「偽造」の皇国史観 30
4・13東京大空襲の死者はなぜ少ないのか
1 “ポスト焼行幸”の裕仁 37
2 「裕仁」のための「戦艦大和の最後」 40
3 4・13大空襲の死者はなぜ少ないのか 45
4 “プロフェッショナル”裕仁 52
ドイツ降伏におびえる裕仁
1 空襲警報下、裕仁44歳の誕生日 59
2 「武装解除」と「責任者処罰」仕方なし 61
3 ドイツ降伏におびえる裕仁 64
4 ソ連一辺倒コースと裕仁 68
5 名古屋・東京・横浜の潰滅 71
三代の象徴、明治宮殿焼失す
1 明治宮殿焼失と裕仁 77
2 裕仁の戦災責任を問う 90
3 裕仁決定の「一撃論」 95
ノイローゼ裕仁と阪神大空襲
1 阪神大空襲と天皇裕仁 105
2 「時局収拾試案」と裕仁 111
3 裕仁、ノイローゼに! 114
4 裕仁・荷風・顕治・高見順 120
5 空襲で崩壊に瀬する日本社会 125
中小都市に広がる空襲
1 無防備な地方都市空襲を傍観する裕仁 131
2 B297000機のうち3機撃墜す 134
3 遅すぎた、おそすぎた「聖断」 138
4 ポ宣言「黙殺」後の「富山大空襲」など 141
5 裕仁と近衛と「天皇親書」 146
原爆投下をまねいた三種の神器
1 断末魔の「ヒロヒト・ニッポン」報告 153
2 米大統領の「原爆投下」の論理と裕仁 158
3 三種の神器が「黙殺」させた 163
4 50万人殺した「黙殺」声明と裕仁 166
5 「原爆」を利用した「聖断」 171
8・15の空襲と裕仁
1 裕仁を「聖断」に追いこむ米軍ビラ 175
2 「聖断」後14日昼間大坂大空襲 181
3 玉音放送後3日間も燃えた土崎港 185
4 8月15日の熊谷空襲 189
5 不運な小田原など 193
8・15マスコミと戦後50年
1 裕仁のための8・15マスコミ 195
2 ルポと新聞はやらせ-8・15新聞 198
3 玉音放送の意味と裕仁-8・15のラジオ放送 203
4 詭弁・すり替えの「終戦の詔書」 210
5 玉音放送から疎外された声 214
6 フィナーレ・天皇報道の始まり 219
図表-地方都市空襲・4大都市空襲 224
あとがき 227
引用・参考文献 233

 

合掌-平和を祈る・小崎侃版画集

『合掌-平和を祈る・小崎侃版画集』(小崎侃<こざき・かん>、春陽堂書店、19950731)

内容

(昭和20年)
八月九日被爆、二児爆死、四才、一才、翌朝発見す
こときれし子をそばに、木も家もなく明けてくる
すべなし地に置けばこにむらがる蝿
<長男また死す、中学一年>
炎天、子のいまわの水をさがしにゆく あつゆき
・・・小崎侃の版画
 ほのお、兄をなかによりそうて火になる
 ・・・小崎侃の版画
なにもかもなくした手に四まいの爆死証明
 ・・・小崎侃の版画
 歩きならせてきょうは橋まで、あめんぼう
 ・・・小崎侃の版画
 <長崎にて、墓参>
 つまよまたきたよおまえのすきなこでまりだよ
・・・小崎侃の版画
 あらせってふせて虫なくひとりのちゃわん
 ・・・小崎侃の版画
 ひさしぶりゆみにきたつまにいいわすれたことこと
 <以下作業中
 小崎侃「出会い」
 ・・・一冊の本と出会った。松尾あつゆき著『原爆句抄』である。ページをめくると僕はとめどもなく涙がこぼれて感動した。・・・
 <以下作業中