「06 書誌」カテゴリーアーカイブ

医学的根拠とは何か

『医学的根拠とは何か』(津田敏秀、岩波新書、20131120)

内容

 まえがき
 序  問われる医学的根拠―福島・水俣・PM2.5
 1  医学の三つの根拠―直感派・メカニズム派・数量化派
 1 繰り返される三つ巴の論争
2 現代医学の柱は数量化、対象は人
 2  数量化が人類を病気から救った―疫学の歩み
1 数量化を始めた人々
2 疫学の現代化
3 病気の原因とは何か
 3  データを読めないエリート医師
1 数量化の知識なき専門家
(1)なぜ100ミリシーベルトか―「有意差がない」と「影響がない」との混同
  広島と長崎の被ばく者数
  診断X線の影響
  「有意差がない」≠「影響がない」
  解消されない混同
  福島の直観派とメカニズム派
(2)O157による大規模食中毒事件
2 水俣病事件
3 赤ちゃん突然死への対応を逸した研究班
 4  専門家とは誰か
1 進まない臨床研究
2 日本の医学部の一〇〇年問題
3 診察室でデータを作る時代
 終  医学部の”開国を”

津田敏秀[ツダ・トシヒデ]

女性・家庭・社会-広島で学んだこと

『女性・家庭・社会-広島で学んだこと』(山手茂・山手秀子著、東方出版)

まえがき 3
1 生きることと学ぶこと
学ぶことと生きること 10
一生かかって学ぶこと 13
学校での学習と社会での学習 23
読書と人生 26
変動する社会のなかでの婦人の学習 29
社会科学を国民のものに 32
科学的な家庭観をもとう 38
文学と人生と家庭と 40
2 女性・家庭・社会
人間らしく生きること 48
主婦の栄光と悲惨 68
「婦人解放の壁」は何か 82
婦人解放論の前進のために 87
共かせぎの将来 96
女性化論争・家庭論争への批判 103
大熊信行氏の家庭論への批判 114
これからの家庭はどう変わるか 119
これからの家庭と婦人 128
人間らしい生活と文化 134
3 子ども・家庭教育・学校教育
子どもの生活はどう変わっているか 138
子どもを忘れた子どものための文化 147
子どもの非行化に対する親の責任 158
カギッ子ママ 166
共稼ぎ家庭の家庭教育の方向 168
入学試験と親の立場 177
父母と教師との協力 180
家庭科教育の課題 184
高等学校教育はどう変わっているか 190
大学教育と学問の自由 193
「期待される人間像」の検討 198
平和教育と同和教育との共通の課題 205
4 原爆・人間・平和
原爆被爆者と原水爆禁止運動 220
原爆被爆体験と戦争体験の交流を 224
原爆被爆20周年を迎えた被爆者 227
原爆被爆体験を原水爆禁止運動に生かそう 232
原爆被爆者問題と被爆体験の意義 237
戦争と平和 246
拙著『現在日本の家族と家庭』への書評およびそれに対する感想
広島大学助教授・新堀通也氏の批評 250
広島県立保育専門学校主事・野垣義行氏の批評 251
『家庭と教育』誌編集長・切明悟氏の批評 252
小田原女子短大助教授・毛利明子氏の批評 255
大阪市立大学教授・上子武次氏の批評 256
『生産性新聞』HB氏の批評 258
書評に対する感想 259
あとがき 263

 

親鸞からの射程-宗教・平和・国家

『親鸞からの射程-宗教・平和・国家』(樹心の会編、永田文昌堂、19830910)<作業中

内容

著者 タイトル
001 西光義畝 はじめに
002 上田義文 念仏と平和―念仏者の社会的課題
035 日高六郎 現代の日本社会をどうとらえるか
安田講堂事件から京都精華大学へ
「十五年戦争」という表現の意味
「十五年戦争」と「きけわだつみのこえ」の手紙
戦時下の農民の手記と学生の手記
大正生まれの三つの区分
戦後三十七年の学生の思想状況と推移―革新政党から保守政党へ
戦前社会から戦後社会への転換
戦後三十七年の質的変化―時代の開閉
戦後日本社会の質的変化を計るものさし
高度経済成長
国内政治と国際関係
天皇制について
戦前の日本国家の思想的構造
「滅私奉公」から「滅公奉私」へ
現代日本人の「天皇制」意識
1985年体制
軍事費突出の意味
日本の今後の課題
マルクス主義の課題と展望
080 池田行信 念仏者にとって国家とは何か
142 李実根 原爆体験をめぐって今思うこと
183 遊亀教授 真宗学とはなにか―その将来への展望
243 加藤西郷 あとがき

原爆に生きて 原爆被害者の手記

『原爆に生きて 原爆被害者の手記』(原爆手記編纂委員会、三一書房、19530625)

内容

著者 タイトル メモ
序(原爆手記編纂委員会=山代巴・隅田義人・山中敏男・川手健・松野修輔)
1 生きる
短かき夜の流れ星 檜垣干柿 17
生命の河 小原秀治 41
白血病と闘う 恵京吉郎 52
ヌートリアの思い出 石井一郎 63
真如の心 磯川喜幸 78
母子抄 吉川みち子 87
2 歩む
敗戦日記 山下寛治 97
七年の記 日詰忍 112
「無窮」の木 鳥本正治郎 126
四十八願 浮気モト 133
夫はかえらない 多田マキ子 136
友の手紙 山野音代 146
生長の家から 宮田君子 156
行くとこなし 辻本トラ 169
未亡人の願い 山田静代 175
喜生園 大屋ヒデ 180
父情記 内山正一 187
傷害年金受給のこと 温品道義 196
3 叫び
春雪日記 山中敏男 215
平和をわれらに 上松時恵 233
青年の独想 浦本稔 239
甲神部隊の父 横山文江 248
すみれのように 牧かよ子 254
母となりて 池田精子 258
私は生きたい 西山わか子 261
子等とともに 尾形静子 271
半年の足跡 川手健 280

戦後日本と戦争死者慰霊―シズメとフルイのダイナミズム

『戦後日本と戦争死者慰霊―シズメとフルイのダイナミズム』(西村明、有志舎、20061225)

内容

戦争死者へ向き合うこと
1 戦争死者の慰霊を問い直す
1 戦争死者とは何か?
2
2 戦争死者へ向き合うことウチの死者とヨソの死者と―戦死者表象の集合化と戦死者儀礼の集団化
3 慰霊と暴力連関―戦争死者儀礼の系譜的理解
戦後慰霊と戦争死者―長崎原爆慰霊をめぐって
4 戦後慰霊の展開とその二源泉―長崎における全市的原爆慰霊の公共性を軸に
5 岡正治における慰霊と追悼―「二様の死者」のはざまで
6 死してなお動員中の学徒たち―被爆長崎医科大生の慰霊と靖国合祀
7 国の弔意?―広島と長崎の国立原爆死没者追悼平和祈念館をめぐって
まとめと展望 戦争死者慰霊とは何だったのか、そして何でありうるのか?
1 「シズメ」と「フルイ」の慰霊論
2 戦争死者慰霊と無縁空間の可能性

天皇裕仁と地方都市空襲

『天皇裕仁と地方都市空襲』(松浦総三著、大月書店、19950414)

内容

全土せん滅空襲の開始と大本営発表
1 4大都市空襲の裕仁・大本営発表 13
2 「天皇報道」の原点としての大本営発表 15
3 庶民の目、裕仁の目、米軍史料 18
4 裕仁・大本営発表への抵抗者たち 26
5 空襲「偽造」の皇国史観 30
4・13東京大空襲の死者はなぜ少ないのか
1 “ポスト焼行幸”の裕仁 37
2 「裕仁」のための「戦艦大和の最後」 40
3 4・13大空襲の死者はなぜ少ないのか 45
4 “プロフェッショナル”裕仁 52
ドイツ降伏におびえる裕仁
1 空襲警報下、裕仁44歳の誕生日 59
2 「武装解除」と「責任者処罰」仕方なし 61
3 ドイツ降伏におびえる裕仁 64
4 ソ連一辺倒コースと裕仁 68
5 名古屋・東京・横浜の潰滅 71
三代の象徴、明治宮殿焼失す
1 明治宮殿焼失と裕仁 77
2 裕仁の戦災責任を問う 90
3 裕仁決定の「一撃論」 95
ノイローゼ裕仁と阪神大空襲
1 阪神大空襲と天皇裕仁 105
2 「時局収拾試案」と裕仁 111
3 裕仁、ノイローゼに! 114
4 裕仁・荷風・顕治・高見順 120
5 空襲で崩壊に瀬する日本社会 125
中小都市に広がる空襲
1 無防備な地方都市空襲を傍観する裕仁 131
2 B297000機のうち3機撃墜す 134
3 遅すぎた、おそすぎた「聖断」 138
4 ポ宣言「黙殺」後の「富山大空襲」など 141
5 裕仁と近衛と「天皇親書」 146
原爆投下をまねいた三種の神器
1 断末魔の「ヒロヒト・ニッポン」報告 153
2 米大統領の「原爆投下」の論理と裕仁 158
3 三種の神器が「黙殺」させた 163
4 50万人殺した「黙殺」声明と裕仁 166
5 「原爆」を利用した「聖断」 171
8・15の空襲と裕仁
1 裕仁を「聖断」に追いこむ米軍ビラ 175
2 「聖断」後14日昼間大坂大空襲 181
3 玉音放送後3日間も燃えた土崎港 185
4 8月15日の熊谷空襲 189
5 不運な小田原など 193
8・15マスコミと戦後50年
1 裕仁のための8・15マスコミ 195
2 ルポと新聞はやらせ-8・15新聞 198
3 玉音放送の意味と裕仁-8・15のラジオ放送 203
4 詭弁・すり替えの「終戦の詔書」 210
5 玉音放送から疎外された声 214
6 フィナーレ・天皇報道の始まり 219
図表-地方都市空襲・4大都市空襲 224
あとがき 227
引用・参考文献 233

 

太陽 No.9 特集・長崎

『太陽 No.9 特集・長崎』(平凡社、19640212)

内容

撮影者ほか
特集1
05 長崎 撮影・島田謹介
21 石畳のある街角 撮影・坂巻とおる
28 クジラに乗った海士の話 撮影・芳賀日出男
31 長崎裏面史 非運の人たち  文・池田敏雄
□革命の玄関口 長崎□
□朝鮮独立党の首領 金玉均□
32 □ 長崎女人帳□
33 □大阪事件の国事犯 福田英子□
34 □比島独立軍支援の老朽船 布引丸□
□白系セミューノフの亡命□
35 くるわ丸山繁盛記 永島正一(長崎県立図書館司書)
38 家庭の本棚〈長崎案内書〉
史書あれこれ  読み物あれこれ  寺本界雄(長崎文庫同人)
40 石がつくる風景 長崎の道と橋と塀 宮本常一(民俗学者)
43 海をわたってきた文化 南蛮と紅毛 小野忠重 (版画家)
45 南蛮の文化 小野忠重(解説) 脇坂進(写真)
54 長崎の行事 凧(ハタ)揚げ大会  清水崑(絵)
56 ペーロン競漕
58 精霊船流し
60 オクンチの竜踊り
62 太陽ハンドブック しっぽく料理
女ひとりの旅 対馬への小さな旅  文・森崎和江
68 土地ことば一長崎県  写真・島内英佑
76 文明のかたち  76  撮影・構成/東松照明 文/寺本界雄
84 原子爆弾投下される―1945―
86 長崎・ある被爆者の系図
89 長崎の原子爆弾 井上光晴
 92  長崎ひとめぐり
148 特集2 背広

危機からの脱出 平和運動入門

『危機からの脱出 平和運動入門 合同新書』(池山重朗著、合同出版社、19621130)

内容

 第1部 平和運動はどのように発展してきたか
 Ⅰ  世界平和運動の歴史 10
 1 ストックホルム・アピールと世界平和評議会 12
戦後平和運動の出発…運動を支える要因…運動を導く平和の理念……ストックホルム・アピールの運動…世界平和評議会の結成…平和運動と革命運動との分離…ベルリン・アピールとウィーン・アピール運動…朝鮮戦争の停止
 2 混乱と論争の時期 30
 ハンガリー事件をめぐる混乱…平和運動と民族独立闘争との関係…世界平和評議会内での意見の対立…コルネチューク・スパーノ論争
 3 核軍拡競争と新しい運動の発生 43
 ヨーロッパの新しい平和運動…アメリカに生じた新しい波…多様化し重層化した運動…ストックホルムにおける意見の対立
4 全面軍縮めざす運動の統一 54
全般的軍縮と平和のための世界大会…アクラ会議とパグウォッシュ会議…キューバ事件と平和運動の高揚…中南米の抗議運動…死者をだしたイタリアの運動…世界平和運動の再編成
日本平和運動の歩み 68
1 運動の方向をさし示した知識人たち 68
平和運動の萠芽…運動出発期の諸困難…平和四原則のシンボル…しだいに組織されはじめた国民の力…先駆的役割を果した学生運動…運動内部の混乱と諸欠陥
2 さまざまな運動の簇生期 89
軍事基地反対運動のはじまり…日中友好・日ソ国交回復の運動…護憲気運の高まりと護憲連合の結成…日教組と平和教育の運動…平和運動の反省
3 原水爆禁止運動の発展 99
ビキニ事件と運動の爆発的発展…原水爆禁止署名運動の組織化…第一回原水禁世界大会の開催…運動の状況とそれの意味するもの
4 国民意識を変えた原水禁運動 114
原水禁運動のもたらしたもの…共産党の自己批判…核実験への抗議と禁止協定締結の運動
5 強力な抵抗運動の展開 120
砂川基地反対闘争の発展…クリスマス島の水爆実験への抗議…第三回世界大会と実験禁止協定
6 成功した平和行進 128
変動する情勢と運動内部の混乱…運動形態を発展させた平和行進…核武装に反対する運動
7 原水協と安保共闘との癒着 136
諸運動の重層的な発展と原水禁運動…安保闘争と第五回世界大会…安保の大衆行動と原水禁運動の混乱
8 ソ連の実験再開による混乱 148
ソ連の核実験再開と原水協の機能麻痺…ソ連の実験に対する共産党の態度
9 新しい運動の出発 155
運動再建の努力と新しい運動の出発…運動の分裂・再編のはじまり
第2部 平和運動の新しい課題と展望
冷戦から軍縮へ-転換の時代- 162
1 熱核戦争の意味するもの 162
平和運動の成立基盤…熱核兵器戦の諸特徴…人間の意志をはなれる戦争…政治的目的を果せない戦争…科学技術の発展と現代の戦争
2 新しい意味をもつ戦争と平和の矛盾 172
両体制の対立と軍拡競争…レーニンの時代との根本的相違…熱核戦争を生みだす諸条件
3 全面軍縮と冷戦構造の転換 179
冷戦構造のもたらす矛盾…冷戦構造と社会主義の矛盾…軍縮を促す要因とその条件の成熱
平和運動の性格とその可能性 188
1 平和運動の人類的性格 188
 熱核戦争と人類的平和運動…平和運動の特殊な意義…運動の自立性と主体性…平和の価値と人類意識…全面軍縮と冷戦の構造転換…人類の論理と階級の論理…平和共存と人類の解放
2 平和運動のもつ論理性 211
運動論理の二重性…平和の要求による統一…キューバ事件と平和運動の問題点…ソ連の核実験と「平和の敵」論…平和運動の重層的発展
3 科学的政策を必要とする運動 230
頭脳戦の時代の平和運動…自然科学者の貢献…科学的な政策要求の必要性…政策要求の多様な発展…政策要求をつくりだす必要性
 4 平和運動の政策構想とその展望 241
平和共存と社会主義への道…平和憲法と平和のための政策体系
5 平和運動の形態と組織的展望 245
国民の平和意欲の変遷…組織的な展望
あとがき 251

どっこい私は生きている ヒロシマの車いすおばちゃんの手記

『どっこい私は生きている ヒロシマの車いすおばちゃんの手記』(滝口富美子著、あゆみ出版、19830820)

内容

ふるさと・広島
家族 11
小学生時代 17
渡満 20
女学生生活 23
お正月 25
日中戦争始まる 28
運命の扉
小児マヒになって 33
妹の死 44
ミシンと書 46
秋田の生活 49
太平洋戦争 52
終戦前夜 58
たたけよさらば開かれん
広島へ 63
貸本屋開業 67
ひとつの転機 71
職業について 77
車いす 80
アキレス腱手術 86
タイプ 94
自動車運転免許取得 103
生きがいと自立を
県美展初入選 109
書道塾 113
書道講座 117
筆つくり見学 123
家が建った 126
原病院青年学級 133
社中展 138
障害者の“権利”にめざめ
障害者運動との出会い 149
友愛会のこと 154
ある友への手紙 166
全障研との出会い 170
国際障害者年広島のつどい 174
教育研究集会で 176
障害者のまちづくり運動
まちづくり運動 183
バス乗車 187
『広島のまちづくり』出版 193
「第5回全国まちづくり研究集会」の取り組み 196
私の「まちづくり」の話から 203
どっこい私は生きている
同窓会 215
ふれあい 220
子どもたちと 226
北海道旅行記 231
平和運動とのかかわり 238
ダイ・イン 241
平和へのねがい 246
あとがき

広島爆心都市からあいだの都市へ 「ジェンダー×植民地主義交差点としてのヒロシマ」連続講座論考集

『広島爆心都市からあいだの都市へ 「ジェンダー×植民地主義交差点としてのヒロシマ」連続講座論考集』(高雄きくえ編、インパクト出版会、20221125)

内容

1 旧陸軍被服支廠とヒロシマの記憶-何のために残すのか…23
小田原のどか 爆心地の彫刻 広島から得た視点を敷衍する…24
批評の必要…25
彫刻の恥ずかしさ…26
語り続けること…29
おわりに:まだ見ぬ誰かへ…32
森田裕美 旧陸軍被服支廠と広島の記憶…34
はじめに…34
軍都廣島を伝える「無言の証人」…36
詩画人・四國五郎と被服支廠…37
被爆…38
敗戦後の活用…40
存廃を巡る動き…41
そして私たちは…43
切明千枝子 加害と被害が刻印された全四棟が保存されることを強く望みます…44
2 在日朝鮮人女性史・生活史から学ぶ…55
宗恵媛 在日朝鮮人一世女性を読む-文学とエゴドキュメントと、そのあいだ…56
はじめに一世女性はどこにいるのか…56
在日女性研究には学問的価値がない?…58
文字資料の中で女性たちと出会う…60
一世女性たちはどのように描かれてきたか…61
「エゴドキュメント」と「文学」とその「あいだ」…64
女性たちの作品を読む…67
一世女性たちと識字教育…67
文字世界の中の一世女性たち…69
むすびにかえて…78
3 加納実紀代が語る、加納実紀代を語る…83
加納実紀代 『平和』表象としての鳩と折鶴 二〇一八年一一月一七日・『〈銃後史〉を歩く』出版記念会講演…84
表象研究の意義…84
平和とは何か…87
「平和」表象としての鳩…89
「平和」表象としての折鶴…90
〈無辜なる被害者〉の構築…90
世界に広がる禎子と折鶴…93
「右」に回収される「平和」表象…95
「右」に回収される折鶴…96
「大東亜戦争」肯定と千羽鶴…98
「表象」の持つ多面性…99
さいごに…101
池川玲子 未完の集大成「『平和』表象としての鳩と折鶴」…103
極私的交差路で辿る加納史学…103
加納実紀代さんと若桑みどりさん…103
戦争とジェンダー表象研究会…105
立つ瀬がない…107
3・11…107
「立つ瀬」を築くために-折鶴と鳩…109
二〇一八年『「銃後史」をあるく』…110
未完の集大成…112
「『平和』表象としての鳩と折鶴」の挑戦…112
ドラマへの意欲…113
未完の集大成「『平和』表象としての鳩と折鶴」を考える…114
宿題…114
「かっちゃんとミチコちゃん」…116
まとめにかえて…119
高雄きくえ 広島で「加納実紀代」を継承するということ…121
はじめに…121
『女たちの〈銃後〉』序章のインパクト…122
被爆体験を女の視点で考えるシンポジウム「女がヒロシマを語る」…126
原爆資料館で「銃後を支える力となって 女性と戦争」展…127
被爆者は加害者なのか-「加害と被害の二重性」をめぐって…130
広島で「加納実紀代」を継承するとは…132
平井和子 「被害」と「加害」の底深い悲惨さの自覚-「帝国の慰安婦」と「帝国の母」と…135
はじめに-「被害」と「加害」の二重性を引き受けつづけて…135
原点にあるもの…135
加納さんとのご縁のなかで…138
“銃後の女”は加害者か?…140
「侵略された女」と「銃後の女」をつなぐフェミニズム…143
「帝国の慰安婦」と「帝国の母」と…145
朴裕河さんの本をめぐって…145
日本兵と「慰安婦」の恋愛関係-消去されたノイズ…148
「平和の少女像」をめぐって-「被害」と「加害」の二重構造を見据えよ…149
『帝国の母』…151
まとめにかえて…152
4 『パーク・シティ』公園都市広島を語る…155
笹岡啓子 「なにかが起こったあとの場所」への眼(カメラ)-〈暗さ〉は抵抗…156
慣れ親しんだ街への違和感…156
ここは「広島に落ちた(その)原爆が落ちたみたいだ」…160
〈広島-東京-東北〉の往還から…162
公園化されていく三陸地域…167
柿木伸之 〈公園都市〉を視る写真の批評性-笹岡啓子『PARK CITY』への応答として…171
暴力が交差する場としての広島に向き合う…171
ヒロシマのアウラを剥ぎ取る写真…173
想起の媒体としての写真…176
公園化とそれを突き抜けるもの…180
5 広島の在日朝鮮人史を掘り起こすために…185
権鉉基 消える朝鮮人史への危機感から資料室づくりへ…186
「君はだれか?」という問いに…186
広島在日朝鮮人史の現在…188
資料室が新しい動きにつながるように…190
安錦珠 船越町に生きる在日韓国・朝鮮人-いつ・なぜ朝鮮人集落が形成され、どのように生きてきたか…193
はじめに…193
広島の韓国・朝鮮人…195
船越町の朝鮮人集落…197
船越町はどんな所?…197
船越町民の生活…201
朝鮮人の「船越」への流入…207
船越町の在日韓国・朝鮮人の生活…214
朝鮮人集落と日本人側の朝鮮人集落に対するイメージ…215
仕事…217
抵抗…218
仕事を失って帰国…220
定住志向と仕事の変貌…222
花都部落の宅地購入…223
地域の変化…224
朝鮮学校…226
初・中・高級学校…226
電機高校と朝鮮学校の生徒同士の喧嘩、そして教員同士の交流…228
教育内容の変化と朝鮮学校の課題…231
廉和善先生と教員免許取得…231
むすび…233
6 セクシャル・マイノリティとフェミニズムの対話…237
河口和也 家族から疎外される/を求める性的マイノリティ…238
「反家族」から出発…238
「身近な人が同性愛だった場合」の反応…240
パートナーシップ制度という動き…242
広島の場合…244
パートナーシップ制度と同性婚…246
性自認と同性婚…247
私が同性婚を容認する理由…249
堀江有里 〈反婚〉の可能性-婚姻不平等の現実と、制度がはらむ問題を同時に考えることは不可能なのか?…251
はじめに-問題の所在…251
自己紹介…252
問題関心…253
不平等の解消と〈反婚〉の可能性…254
〈分断〉をみつめる…257
性的マイノリティとフェミニズムのあいだ?…257
「同性婚」の(不)可能性…261
キリスト教の立場から-内在的な宗教批判の必要…263
それでも、なお、〈反婚〉を-分断を架橋するために…266
高雄きくえ 選択的夫婦別姓が法制化すると日本の家父長制・婚姻制度の何がひらかれるのか-フェミニズム・ジェンダー/植民主義という視点から考える…270
はじめに…270
二つのこだわり…272
自著『わたしの名前』の反響…273
わたしの「選択的夫婦別姓法制化」への共感と違和感…276
おわりに-戸籍につながる婚姻/家父長制・植民地支配を問い、ひらくために…281
7 〈この世界の片隅に〉現象を読み解くためのレッスン…283
植松青児 三つのコンテクスト(軍部・ジェンダー・植民地主義)から読み解く…284
すずの故郷・江波の顔…285
祖父と朝鮮人強制動員…287
日本軍「慰安婦」と地つづきの白木リン…288
ノスタルジーと歴史修正主義に抗する批判を…290
森亜紀子 切り落とされてきた場所・出来事から考える-呉・沖縄・南洋群島を糸口に…294
私の視点-沖縄・南洋群島を経由して故郷・呉に向きあう…294
『この世界の片隅に』はなぜ多くの人の心を掴んだのか…297
-描かれたことと切り落とされたこと-
「戦災地」としての呉を描く…297
戦時下の暮らしを詳細に再現した…298
すずの「呉市民化」の過程を丁寧に描いた…301
戦争への強い関心の一方で不可視化されてきた植民地主義…303
-南洋群島は「楽園」だった?-
「楽園」と名付ける植民者…304
沖縄エリート出身者・徳村夫婦の場合…306
チャモロ女性と光子さんのあいだ…308
沖縄人エリート層の帝国意識の内面化…310
消しさられた他者とその傷跡…314
おわりに-広島で培われてきた議論をさらに開くには-…315
川口隆行 〈この世界の片隅に〉現象をどう考えるか-植松報告、森報告を受けて…317
〈この世界の片隅に〉現象の前史について…318
『この世界の片隅に』にある朝鮮人イメージから何を考えるか?-植松報告を受けて…320
こうの史代の「普遍」へのこだわりをどう考えるべきか?-森報告を受けて…324
「復興」あるいは「レジリエンス」という言葉の浸透…326
おわりに…328
8 広島で〈加害性〉を語るということ-植民地支配/戦争責任/戦後責任と被爆都市のあいだ…329
阿部小涼 爆心都市からあいだの都市へ-植民地主義と戦争の責任という経路…330
はじめに…330
広島とあいだ…331
最近の報道から…334
沖縄の米軍基地をめぐる報道…334
被爆者をめぐる報道…338
コミュニケーションが寸断する戦争の責任という経路…339
日米首脳電話会談…339
核禁条約をめぐる平行線の同じ俎上…340
人々による別の物語の探求…343
被爆者からグローバル・ヒバクシャへ…345
軍事主義空間の忘却に抗う…346
空爆への問いと人種主義…349
米軍基地と核と女性解放…352
おわりに…357
河内美穂 植民地主義の起点・運動の継承-私自身のここ数年の最大の課題を提言として…359
私から始まる…359
「満州国」と中国残留邦人…361
「満州国」と中国朝鮮族…363
「満州国」とモンゴル系諸民族…364
加害との向き合い方…366
上野英信『天皇陛下萬歳』に見る加害との向き合い方…367
運動の継承…368
植民地主義の起点…370
アイヌについて 植民地化の原型…372
先住権を求める闘い…373
田浪亜央江 広島と中東の〈加害・被害〉と植民地主義-「復興」をめぐる齟齬から見えるもの…376
広島の「世界認識」…376
植民地経験に続く中東の現在…378
「アウシュビッツ」と広島…380
パレスチナから広島を問う…384
道面雅量 ヒロシマからは少し離れて…387
「呉」という地から…387
チョウ・ムンサンの遺書…389
美徳景さんとの出会い…390
「不戦兵士」小島清文…391
自由の価値と多様性…392
おわりに…393
中谷いずみ 未来を語ること-井上ひさし『父と暮せば』…395
はじめに…395
『父と暮せば』の時間…396
記憶の回復/整序と再生産的未来…399
単線的時間の(不)可能性-大田洋子『夕凪の街と人と』を参照軸として…404
おわりに…411