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中国往還―現代史の視点

『中国往還―現代史の視点』(小林文男、勁草書房、1991/05/15)

内容

見出し
新中国40年の軌跡 1
1 交錯する明暗 2
プロローグ 2
「新民主主義」の理念と実践 4
毛沢東の不幸 10
「専制」の風土と伝統 16
“必然”としての回帰 21
2 天安門事件と「民主」のゆくえ-月刊「状況と主体」誌の質問に答えて- 24
開放体制への影響 24
開放政策の矛盾 27
胡燿邦の政治と信条 28
胡燿邦の“罪状” 32
学生が求めた「民主化」の中身 34
「五四」運動以来の学生・知識人の役割 37
中国革命は未完成 40
方励之氏の主張と行動 41
「冬の時代」は再来するか 44
中国のゆくえ 45
それでも、日本人は中国が好き 47
3 胡燿邦氏を悼む 49
日中戦争の人間群像 55
1 張自忠将軍の死をめぐって 56
広島の“過去”と将軍 56
盧溝橋事件と張自忠 57
抗日将領への転身 61
藤部隊とは… 64
宜昌作戦のなかの藤部隊 66
将軍と藤部隊の遭遇 69
壮絶な死 71
中国軍による遺体の奪還 76
藤部隊の悲劇 79
中国側の記録に見る死の状態 82
“刺突”はなかった 86
秘められた苦悩 89
訪日の目的と内容 93
“誤解”の根源 96
藤部隊のその後 100
補記-張廉雲女史の印象 104
2 詩人・黄瀛 111
日中混血の子として 111
草野心平との出会いと交友 116
中国軍人として 123
迫りくる暗雲のなかで 128
詩集『瑞枝』を遺して 134
「黄瀛は死んだ」 140
生きていた黄瀛少将 144
李香蘭を救う 148
黄瀛氏はいま 151
知られざる近代史の底流 157
1 中国におけるデューイの足跡 158
問題の所在 158
「五四」文化革命の思想状況と胡適の役割 160
デューイの訪華とその影響 167
デューイ講演の基調と内容 174
今日における胡適評価 181
補説-デューイ「五大講演」について 184
2 「胡惟庸党案考」前後-若き日の呉晗の肖像- 196
はじめに 196
年少時代 197
『御批通鑑』を読む 199
胡適との出会い 202
北京での生活-胡適を師として 208
清華大学に入る 213
胡適学説と呉晗 217
学問と政治のはざまで 221
「胡惟庸党案考」の内容と意義 228
新進明史研究者として 233
袁震との恋 236
3 抗日戦争期、重慶の文化運動-郭沫若・文工会の理念と行動に関する覚書き- 244
「始于今日、終于今日…」 244
文工会の歴史 245
文工会の組織と行動 247
卓抜した学術成果と敵情研究 252
新華日報の意義と役割 256
文工会の歴史的遺産 259
国際化・日本と中国人留学生 263
1 在日留学生の現状と問題点 264
一万一千という数 264
日本留学の意図と背景 265
日本側の受け入れ体制 270
留学生教育の現状と問題点 275 就学生問題の意味するもの 281
2 留学生とともに20年-広島アジア文化会館 讃井光子、中田節子両氏に聞く- 286
讃井光子氏の生いたち 287
広島アジア文化会館設立へ 290
会館当初の思い出 296
留学生をめぐる事件 299
留学生気質の変化 303
国際交流・有識者への苦言 308
留学生とともに生きる喜び 312
さまざまな感慨 317
1 ヒロシマ「平和宣言」の検証 318
被爆45年・ヒロシマのかかえる課題 318
死してなお差別か 321
一転して「移設」へ 324
「平和宣言」に見る外国人被爆者 326
ナガサキ「平和宣言」こそ… 329
2 忘れられた中国人原爆被爆者-北京在住・由明哲さんを訪ねて- 333
あの日、私は 333
悲しみの記憶 335
帰国後の生活 336
ヒロシマの対応 339
3 故岡本哲彦教授の思い出-中国を共に旅して 342
長かった道程 342
紺碧の北京、広い空 344
思わぬハプニング、大同へ 346
華中工学院での学術交流 348
先生の中国イメージ 350
あとがき 352

小林文男

小林文男

こばやし ・ふみお 19330306生20060812没 享年72歳 中国研究者。アジア経済研究所主任調査研究員、広島大学名誉教授。

資料年表:小林文男

年月日 事項 備考
1933
0306 誕生
 1970
1101  『世界 第300号』(岩波書店)
 経済進出の実態と日台関係 小林文男 97
 1971
 0501  『世界 第306号』(岩波書店)
 もう一つの「日本軍国主義」論 小林文男 125
1001  『世界 第311号』(岩波書店)
 台湾問題・もう一つの視点 小林文男 130
1972
 0801  『世界 第321号』(岩波書店)
 日中問題と「戦後」状況 小林文男 50
 1975
  0601   『世界 第355号』(岩波書店)
 蒋介石の死と「三民主義」-その“反共”執念を支えたもの- 小林文男 201
  1982
  1201  『平和科学研究通信 Vol.6 No.2』(広島大学平和科学研究センター)
 「教科書問題」と中国の立場-最近の日中関係を考える- 小林文男 1
 1984
  0201  『IPSHU研究報告シリーズ No.9 中国の現代化と日中文化交流 1984.2.1』(広島大学平和科学研究センター)
〈報告〉中国現代化と教育 久留島幹夫 39
報告に対するコメント 小林文男 58
0830 『平和学講義 新訂版』(山田浩編、勁草書房)
第11章 中国問題と日本の平和――日中関係の過去と現状を中心に―― 小林文男 195
1986
0301 『平和文化 第58号』(広島平和文化センター)
戦争受難都市重慶とヒロシマ 両市の友好提携締結を前に
広島大学総合科学部教授 小林文男
0410 『中国現代史の断章』(谷沢書房)
0820 『ヒロシマ・ナガサキの証言’86夏 第19号』(鎌田定夫・庄野直美編、広島・長崎の証言の会)
特集/戦争・加害・原爆-中国への旅
中国の原爆観とヒロシマ-反核平を“語り合う”旅から帰って  小林文男 20
 1001  『かけはし 第10号』(YMCA国際平和研究所)
国際平和セミナー(第2回) 「現代中国の素顔と日本」  小林文男
1987
0601 『IPSHU研究報告シリーズ No.15 中国青年の核意識・平和観・ヒロシマ観─上海・重慶・北京・広島における初歩的調査をとおして─』(小林文男、小松出著、広島大学平和科学研究センター)
Ⅳ 補編
1.原爆投下に対する中国共産党の最初の反応(『新華日報』記事)
2.中国人留学生の被爆体験(由明哲)
1988
0210 『日本はアジアの友人か』(YMCA国際平和研究所編、東研出版)
III 日中関係を考える 小林文男 53
1989
0101 『広島平和科学 12  1989年』(広島大学平和科学研究センター)
日本人の中国認識に関する一考察―「天安門事件」をめぐる新聞投書分析とアンケート調査を実施して―小林文男・橋本学・柴田厳……79
1990
0101 『広島平和科学 13  1990年』(広島大学平和科学研究センター)
1990年ヒロシマ・ナガサキ「平和宣言」の一考察―広島大学学生の意識調査をとおして― 小林文男……33
0315 『広島大学四十一年の日々』(沖原豊学長退官記念誌刊行会編、第一法規出版)
復旧大学との大学間協定の締結 広島大学総合科学部教授 小林文男 257
0830 『証言-ヒロシマ・ナガサキの声1990 第4集』(長崎の証言の会)
忘れられた中国人被爆者-北京在住・由明哲さんを訪ねて 小林文男 116
1991
0515 『中国往還 現代史の視点』(小林文男、勁草書房)
0720 『森瀧市郎先生の卒寿を記念して』(行安茂 編著・刊)
森瀧先生と中国、そして私 小林文男 138
1992
0101 『広島平和科学 14  1991年』(広島大学平和科学研究センター)
強制連行と原爆災害―長崎における中国人死没者の遺族調査を終えて―小林文男・柴田巌……23
0831 『証言-ヒロシマ・ナガサキの声1992 第6集』(長崎の証言の会)
長崎原爆中国人犠牲者の悲惨-強制連行と被爆死、朱造火の遺族を訪ねて 小林文男/柴田巌 166
1110 『戦争と平和の理論』(芝田進午編、勁草書房)
中国への侵略と戦後責任 小林文男 95
1993
0707 『広島・長崎の平和宣言 その歴史と課題』(鎌田定夫編著、平和文化)
第2章 広島・長崎「平和宣言」の比較-1990~1992年,広島大学学生への意識調査結果を中心に-小林文男・橋本学・柴田巌
終章 広島・長崎「平和宣言」の課題と展望
1 広島から 小林文男 286
2 長崎から 鎌田定夫 290
0831 『証言-ヒロシマ・ナガサキの声1993 第7集』(長崎の証言の会)
〔証言’93座談会Ⅱ〕 ヒロシマ・ナガサキの課題と展望 〔出席者〕鎌田定夫 江口保 久保浦寛人 沼田鈴子 舟橋喜恵 山本真理 難波郁江 王小京 橋本学 柴田巌  小林文男  39
1020 『火幻 1993年秋号 第36巻第141号』(火幻短歌会)
豊田清史の仕事…小林文男…3
1994
01 『広島平和科学 16  1993年』(広島大学平和科学研究センター)
1993年広島・長崎「平和宣言」の一考察―広島大学学生311名の意識調査結果をとおして―小林文男、橋本学、柴田巌……41
0128 『アジアを語る 13人の視点』(中国新聞社)
第二章 中国=その1・文革余波…小林文男
政治の責任57/脈打つ儒教59/大鍋飯61/友好都市・重慶64/ラスト・エンペラー66/
中華料理69/二君に仕えず71/台湾の行方73/日中友好の課題75
中国=その2・開放政策の行方…小林文男
天安門事件の主役79/学生のヒロシマ観81/若者の天皇観83/進まぬ政治改革86/
市場経済の加熱88/荒廃する教育91/強制連行の悲劇93/胡耀邦の墓96
0809 『証言-ヒロシマ・ナガサキの声1994 第8集』(長崎の証言の会)
〔証言’94座談会Ⅱ〕ヒロシマは生き残れるか 52
〔出席者〕江口保 鎌田定夫 川原洋子 栗原貞子 ジーン・イグリス 柴田厳 沼田鈴子 橋本学 松江澄 丸屋博 湯浅一郎 小林文男
1995
0720 『月刊状況と主体 1995.8 No.236』(谷沢書房)
焦点・戦後50年の夏に思う
ヒロシマに見る平和の意味-被爆50周年にあたって 小林文男 7
0831 『証言-ヒロシマ・ナガサキの声1995 第9集』(長崎の証言の会)
〔漢詩〕被爆五十年に寄せる詩三編 白天(訳 小林文男 251
1998
 1010  『火幻 第42巻161号』(火幻短歌会)
 essay 小林文男(広大名誉教授) 32
 1999
 0710  『火幻 第42巻164号』(火幻短歌会)
 評論 ヒロシマの今に思う 小林文男 2
 2001
 1210   『火幻 第46巻174号』(火幻短歌会)
 評論〈石灰吟〉に寄す-豊田氏へ 小林文男 11
 2002
 0509  『アジア研究半世紀の軌跡 今堀誠二遺稿集』(今堀百合子)
 今堀中国学の真髄-「中国封建社会の構成」刊行によせて- 小林文男…298
 2005
0126  『創価学会ニュース広島版 Vol.10』(創価学会広島県広報部)
小林文男・広島大学名誉教授
 0310   『火幻 第49巻187号』(火幻短歌会)
 評論 ある中国人被爆者の悲哀 小林文男 2
2006
0710 『火幻 2006年夏号 第50巻192号』(火幻短歌会)
豊田清史賛歌―五十年を祝して―小林文男…124
0812 小林文男死亡