広島市平和式典(2016年)

平成28年8月6日広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式

原爆死没者慰霊碑の奉安箱の原爆死没者名簿の概要

あらたに3冊の名簿に記帳された氏名 5511人
名簿登録者総数 303195人
名簿総数 111冊

参列者の概要

被爆者や遺族など 約5万人
安倍晋三 内閣総理大臣
遺族代表 37都道府県
各国大使や代表 91か国と欧州連合(EU)。核兵器国のアメリカ、イギリス、フランス、ロシアを含む。

出典:『平和文化 No.193 2016年11月号』(広島平和文化センター)

広島市長平和宣言(下記参照)

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1110537278566/index.html

●平和宣言(PDF文書)(193KB)(PDF文書)

内閣総理大臣挨拶

本日、被爆七十一周年の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が執り行われるに当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊に対し、謹んで、哀悼の誠を捧げます。
そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
七十一年前のよく晴れた朝、一発の原子爆弾の投下によって、十数万とも言われる貴い命が奪われ、広島は一瞬にして焦土と化しました。
惨禍の中、一命をとりとめた方々も、耐え難い苦難を経験されました。
しかし、広島は、市民の皆様のたゆみない御努力により、見違えるような復興を遂げ、国際平和文化都市としての地位を見事に築き上げられました。
本年五月、オバマ大統領が、米国大統領として初めて、この地を訪れました。核兵器を使用した唯一の国の大統領が、被爆の実相に触れ、被爆者の方々の前で、核兵器のない世界を追求する、 そして、核を保有する国々に対して、その勇気を持とうと、力強く呼びかけました。
G7外相会合の「広島宣言」とともに、「核兵器のない世界」を信じてやまない広島及び長崎の人々、そして、日本中、世界中の人々に大きな希望を与えたものと確信しています。
七十一年前に広島及び長崎で起こった悲惨な経験を二度と繰り返させてはならない。そのための努力を絶え間なく積み重ねていくことは、今を生きる私たちの責任であります。唯一の戦争被爆国として、非核三原則を堅持しつつ、核兵器不拡散条約(NPT)体制の維持及び強化の重要性を訴えてまいります。核兵器国と非核兵器国の双方に協力を求め、また、世界の指導者や若者に被爆の悲惨な実態に触れてもらうことにより、「核兵器のない世界」に向け、努力を積み重ねてまいります。私は、新たな一歩を踏みだす年に、この地広島において、世界恒久平和の実現に向けて力を尽くすことを改めてお誓い申し上げます。
被爆者の方々に対しましては、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」に基づき、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護施策の充実を行ってまいりました。高齢化が進む被爆者の方々の実情を、今後もしっかりと踏まえながら、援護施策を着実に推進してまいります。
特に、原爆症の認定につきましては、一日も早く結果をお知らせできるよう、できる限り迅速な審査に努めてまいります。
結びに、永遠の平和が祈られ続けている、ここ広島市において、原子爆弾の犠牲となられた方々の御冥福と、御遺族並びに被爆者の皆様の御多幸をお祈り申し上げるとともに、参列者並びに広島市民の皆様の御平安を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。
平成二十八年八月六日
内閣総理大臣 安倍晋三

出典https://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/0806hiroshima_aisatsu.html