原爆白書の作成に関する陳情書
1958年8月30日
原爆の被害と障害に関しましては、その悲惨と残酷なることは周知のとおりでありますが、今回、これらの実態が国家においてまとめられていないというのは甚だ遺憾なことであります。
広島と長崎との各分野にわたる資料の収集と記録とは一地方の手に委ぬられることなく国家においてとりまとめられなければならないと存ずるものであります。
これは国民一般に権威あるものとして、その実態が認識せられ併せて対外的関係においても同様の措置は当然のことと思われます。
資料も時日を経るに従って散逸するのでありますからこの措置は速かに行われなければなりません。
つきましては、右事情御賢察の上、速かに原爆白書が作成されるよう格段の御配慮を賜わりたく、切に懇願する次第であります。
昭和 年 月 日
広島市長 渡辺 忠雄
広島市議会議長 仁都栗 司 殿