広島大学原爆死没者追悼碑
建立年月日:1974(昭和49)年8月6日
場所:広島市千田町
(裏面銅版)
昭和二十年八月六日、広島に原子爆弾が投ぜられた。
一瞬、莫大な破壊を生じ、無数の 人命を奪ったのみならず、その被害は長く今日に及び、身心の傷痕なお癒ゆることがない。
本学前身諸学校のうち、広島文理科大学、広島高等学校、広島工業専門学校、広島高等師 範学校、同附属中学校、同附属国民学校、広島女子高等師範学校、同附属山中高等女学校、 広島師範学校、同附属国民学校、広島県立医学専門学校、広島市立工業専門学校は当時市 内に所在し、直接被災した。
その教職員並びに学生生徒児童は学校の内外において死傷し、 また後遺症により没した者多きを数える。
爾来星霜三十年を経て、被爆により死没せられ た人々を悼む心吾人において益々ふかく、核兵器を憎み、その完全な廃絶と、世界恒久の 平和を願うこと切なるものがある。
ここに有志相はかり、建碑して追悼の意を表するとと もに、広島大学が人類平和の確立に敢然寄与すべきふかい学門的責務を負う所以を永久に 銘記する。
昭和四十九年八月六日
広島大学学長 飯島宗一撰
元広島大学学長 井上政雄書