被爆者はどこにいても被爆者 郭貴勲・回想録

『被爆者はどこにいても被爆者 郭貴勲・回想録』( 郭貴勲著、井下春子訳、韓国人被爆者・郭貴勲手記出版委員会編・刊、 20160331)

内容

日本語出版に当たり(郭貴勲)
013 植民地下で生まれて
玄風・郭氏の村/火と因縁が深い私/山を越え簡易学校へ/秀才を集めて馬鹿を作った師範教育
023 日本軍生活
問うなかれ、甲子生/貨物列車に乗せられて行った所/広島西部第二部隊/初年兵訓練/苦しい訓練の連続/わずかな期待/乙種幹部候補生/乗馬訓練/頻繁になった空襲警報/古参兵との摩擦/特別休暇/5日遅れの帰隊/転属/工兵隊の夜
059 被爆
1945年8月6日午前8時15分/背中が焼けているのも知らず/戦友M君の遺体を前にして/被爆直後の惨状/水をちょっとください!/幸運の生存者/火の海になった広島/歩ける者は駅に行け/60余時間の昏睡状態/生死の分かれ道/変わっていく病室の様子
083 戦争は終わったけれども
敗戦の放送/落ち着かない雰囲気/原隊復帰/原子爆弾とは?/テニアン島/部隊解散
099 帰国
広島よ、さようなら/船の墓場となった下関/仙崎港の帰国船/感激の釜山港/奇跡のような帰郷/私が失ったもの/私が得たもの
118 教育者の道
解放直後、教壇に立つ/登山も教育の課程/私の夢は地理教師/金山中・商校の時節/ソウル明星女子中学校へ/明星女子高のころ/東国大附属中のころ/学校も変わらねば/また明星女子中に/短い東国大附属高時代
145 山に登る
智異山、初登頂/登攀大会の開催/生徒と山へ行ったと、始末書を書くことも/山岳運動を興す/二つの山岳事故/洞窟探検
165 捨てられた韓国人原爆被爆者
世界唯一の被爆国という嘘/原爆被害とは/被爆体験記投稿/韓国被爆者を無視した韓日協定/初めて韓国人原爆犠牲者慰霊祭に参列/孫振斗裁判とその成果/三菱重工業本社訪問/日本政府、我々の手帳申請を拒否する
186 人道的支援の虚と実
日本政府の狡狽なやり方/恩に着せられて終わった渡日治療/気の毒な韓国人被爆者たち/救援ではなく補償をしろ/人道的支援金40億円
198 被爆者はどこにいても被爆者
切迫した韓国人被爆者問題/裁判闘争に突入/被爆者はどこにいても被爆者/日本人在外被爆者/ブラジルの原爆被爆者たち/アメリカの原爆被爆者たち/初勝訴/負けると信じていた2審で勝訴/痛快の至り/被爆者運動から反核平和運動へ
222 韓国人被爆者とともに歩んだ日本人
広島の良心、平岡敬/韓国人被爆者問題の伝導師、中島竜美さん/韓国人被爆者の同伴者、市場淳子さん/実践する「聖者」、本島等さん/情熱と執念の平和運動家、平野伸人さん
239 韓国原爆被害者協会と私
協会設立初期/私の原則/福祉平和会館建設の陶書画展/失敗した東京展示会/初回の任務は事務室移転/人事刷新/もしかしたら殺人容疑者になったかも/協会と保健福祉部/被爆者を本気でかばった金槿泰長官/国史編纂委員会に裁判記録寄贈
270 年表