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桑原裁判の経過と問題点

 

Bk691130s
原水爆禁止広島県協議会
広島県原爆被害者団体協議会
山陽民主医療機関連合会
1969年11月30日発行

 

被爆者医療の権利を守るたたかいのために--桑原経過と問題点

原子爆弾被爆者特別措置法が施行されて間もない昭和四三年九月七日、桑原忠男さん(五九才)は、特別手当を受けるため、脊髄円椎上部症候群の診断書を添えて、認定申請書を厚生大臣に提出しました。

被爆前には、剣道二段、一○○米を一二秒で走り、乗馬にも堪能で、体育指導員や剣道助教などをしていた桑原さんは、爆心から一、三○○米くらいの、広島市鷹野橋地区の路上で被爆しました。爆風で吹きとばされて重篤な打撲傷を負い、数時間も意識を失っていましたが、幸い一命はとり止め、同夜は、近くの吉島町の実兄の家に泊り、翌日、郷里の広島県御調郡原田村(現、尾道市原田町)ヘ帰りました。

帰郷後は、被爆時に体の各所にうけた外傷、打撲傷、とくに、そのために起った腰痛、また、大・小便の排泄の困難などで、二年間くらいは、ほとんど床に就いたままで苦しみ続けました。昭和二五年頃から、ようやく軽快して、松葉杖にすがりながら歩けるようになり、世話好きの桑原さんは、選ばれて村会議員、農業委員などになり、不自由な体ながらも、村民のために尽されました。しかし、その間も、健康が十分回復したというのではなく、病院に通い続けていたのですが、昭和二八年頃から、再び病状が悪化し、歩行は困難となり、排尿、排便にも苦しむようになりました。引き続き、通院、あるいは入院(尾道市民病院に二回、農協病院に三回、民医連福島病院に一回)して治療を続けていますが、現在も、腰部下部及び下肢の内側が麻痺して、歩行は困難を極め、大・小便の排泄にも苫しんでいます。

このような状態の中で、桑原さんは、特別措置法の実施によって、永年の苦しみが、幾らかでも償われるのではないかと、認定申請に大きい期待をかけたわけです。

ところが、厚生大臣は、桑原さんの病状が、原爆医療法第八条第一項(認定に関する条項)に該当するものと認め難い、として、一二月二五日付で申請を却下してきました。

それまで桑原さんの診察、治療を行ない、それに基づいて、認定の申請を勧めて、申請のための診断書も作製した福島病院はもちろん、広島県原水協、広島県被団協は、この却下処分が、原爆被害の実態、とくに放射能障害に対する故意の無視、医療法・特別措置法の立法精神の否定あるいは運用上での不誠実、また、認定の判断をする原爆医療審議会の認定基準のあいまいさなどによるもので、これは、ひとり桑原さん個人の問題ではなく、被爆者全体にかかわる極めて重大な問題であることを痛感しました。

そこで、広島県原水協、被団協及び山陽民医連は種々協議した結果、桑原さんに、異議申立の訴訟をするように勧めました。政府に対して法で争うことが、何か悪いことをするかのような、不当な考え万に慣らされてきている日本国民の多くの人びとと同じように、桑原さんの家族は、この訴訟をすることに、こぞって反対しました。家族の反対のために、桑原さんも一時は訴訟をためらいましたが、この数年、尾道被爆者の会の世話役などもしてきた桑原さんは、自分の一生を台なしにした原爆への怒り、ごまかしの医療法、特別措置法の実態についての不満、そして、それが、桑原さん一人のものでなく、三○万被爆者全部のものであることを痛感して、全国の被爆者のために、どうしても立ち上がるべきだと決心し、家族の反対を押して、訴訟に踏み切りました。

広島の民主的法律家グループ、広島法律事務所が積極的にこれに協力して、桑原さんの代理人となつて、昭和四四年二月一八日、行政不服審査法第六条による異議申立てがなされ、ついで、三月二六日、厚生大臣を被告として、「原爆医療法に基づく認定処分の取消請求」の訴訟を提起しました。

訴訟は今、広島地方裁判所で、原告(桑原さん)と被告(厚生大臣)との間で、訴訟の目的、お互の意見、異議を文書で交換し合っている段階にあります。これらの準備書面交換を一応終了した時期に裁判が行なわれるのですが、準備書面に開陳された意見が、判決に最も大きい影響を与えるので、広島県原水協、被団協及び山陽民医連は、広島法律事務所と一体となって、今この問題にとり組んでいます。

この訴訟は、桑原さんの認定獲得のための訴訟ではありますが、さきに述べたように、全ての被爆者の権利を主張し、援護を獲得するための、最も具体的な、また、もっとも直接的な斗争であると考えています。全国の被爆者及び被爆者救援に日夜活動しておられる全ての方々が、この桑原訴訟の意義を理解され、強力な支援を与えられることを心から念願して、以下の資料を提供する次第です。

資料Ⅰは、原爆被爆者の特殊な身体障害の実態とこれに対する政府の態度の問題点を明らかにするためのもの、資料Ⅱは、桑原訴訟に関して原告及び被告から出された準備書面(提訴理由書、却下理由書、それに対する反論等)、資料Ⅲは、被告厚生省の却下理由書に対し、現在の、桑原さんの主治医である福島病院長田阪正利氏が、過去のカルテを綿密にしらべ、現病状を詳しく診断した医学的立場に基いてなされた反論です。

今国の仲間の皆さんが、この問題の重大さに深く思いを致され、私たちのたたかいを、被爆者救援を願う全国民のたたかいとして、強化、拡大されることを心から願って止まない次第です。

一九六九年一一月

広島県原水協理事長      佐久間 澄
広島県被団協理事長      田辺  勝
山陽民主医療機関連合会会長  中本 康雄

年表:桑原原爆訴訟

年表:桑原原爆訴訟 1969~79

Y M D NEWS1
69 03 26 桑原忠男(尾道市在住の広島被爆者)、広島地裁に「被爆者医療法に基づく「認定却下処分」の取り消し」を斉藤昇厚生大臣に求める訴状を提出。桑原=「却下の理由が何ら示されず一方的な決定なので納得でぎない。尾道市内でこれまで十二人が認定申請したが認められたのは二人だけ。全国には一方的却下に泣き寝入りしている人も多いと思われるので訴訟を起こした」
69 03 26 原爆医療法による認定申請を却下された尾道市の桑原忠男、厚相を相手どり、広島地裁に処分取り消しの訴え起こす。
71 07 29 広島地裁、桑原原爆訴訟の第1回口頭弁論。
71 09 30 広島地裁、桑原原爆訴訟の第2回口頭弁論。田坂正利福島病院長、原告側証人として出廷。
71 11 05 広島県被団協(田辺勝理事長)、7日に長崎市で桑原原爆訴訟支援を呼びかけるため「被爆者遊説団」を結成すると発表。
71 11 12 広島地裁、桑原原爆訴訟の第3回口頭弁論。東京地裁での出張尋問。被告側証人:福渡靖鳥取県予防課長、原告側証人:伊東壮・田沼肇。
71 12 23 広島地裁、桑原原爆訴訟の第3回口頭弁論。原告側証人:杉原芳夫。
72 03 02 広島地裁、桑原原爆訴訟の第4回口頭弁論。原告側証人:富永初子。
72 04 20 広島地裁、桑原原爆訴訟の第5回口頭弁論。桑原忠男の本人尋問。
72 06 29 広島地裁、桑原原爆訴訟の第6回口頭弁論。被告申請の津屋旭と津山直一の鑑定書が提出される。
72 08 30 広島地裁、桑原原爆訴訟で津屋・津山両鑑定人の出張尋問を東京地裁で実施。
72 12 21 広島地裁、桑原原爆訴訟の第8回口頭弁論。結審。
73 04 18 石田明広島県被爆教師の会会長、桑原訴訟に続く原爆訴訟の提訴を準備していることを明らかにする。
73 04 19 広島地裁、原爆症認定をめぐる桑原忠男(尾道市)の講求を却下。「原告の疾病は被爆が原因と認め難い」
73 04 19 桑原原爆訴訟の判決報告集会、広島市内で開催。原告の桑原忠男ら40人が参加。
73 04 19 広島地裁、桑原原爆訴訟で原告の請求を棄却する判決。
73 05 02 桑原忠男、広島地裁の判決を不服として広島高裁に控訴。
73 07 23 「桑原訴訟を励ます会」、結成。
73 09 12 広島高裁、桑原原爆訴訟控訴審の第1回口頭弁論。
73 12 03 桑原原爆訴訟控訴審第二回口頭弁論。被告の国側「被爆と病気の因果関係の立証責任は原告にある」と主張
73 12 03 広島高裁、桑原原爆訴訟の第2回口頭弁論。
74 02 04 広島高裁、桑原原爆訴訟の第3回口頭弁論。
77 07 14 「桑原原爆訴訟」の口頭弁論、来月再開決定。
77 08 22 「石田原爆訴訟勝利1周年記念、桑原訴訟の勝利を目指す集会」広島市内で。
77 08 24 桑原訴訟の控訴審3年ぶりに再開、草野原水協理事長、原告側証人として採用。
77 11 02 桑原訴訟の控訴審第5回口頭弁論広島地裁で。草野日本原水協理事長、原告側の証人として陳述。
78 01 25 “桑原訴訟”控訴審。
78 04 26 “桑原訴訟”の口頭弁論で、証拠書類として“石田原爆訴訟”の記録集を提出。
78 09 27 “桑原訴訟”の控訴審口頭弁論。
78 12 06 桑原訴訟控訴審結審。
79 05 16 “桑原訴訟”で、原告被爆者の控訴を棄却するとの判決下る。
79 05 28 “桑原訴訟”原告、上告を断念すると発表。

 

原爆医療法に基づく認定申請却下処分の取消請求事件(昭和44年(行ウ)第8号)

 原爆医療法に基づく認定申請却下処分の取消請求事件(昭和44年(行ウ)第8号)

裁判所:広島地裁

提訴日:1969(昭和44)年3月26日

判決日:1973(昭和48)年4月19日

原告:桑原忠男

被告:国(厚生大臣)

事案の概要:原告は、広島の原爆爆心地から1.3キロで被爆、1953年ごろから下半身が不自由となり脊髄円錐上部症候群と診断された。1968年9月7日に行った認定申請に対し同年12月2日、厚生大臣の却下処分があり、これを不服として1969年2月17日異議申立を行い、この申立も同年6月棄却されたため原処分の取消を求めて提訴。

争点:原告の疾病(脊髄円錐上部症候群)が原子爆弾に起因するものであるか

判決:請求棄却

 

原爆医療法に基づく認定申請却下処分の取消請求控訴事件(昭和48年()第号)

裁判所:広島高裁

提訴日:1973(昭和48)年5月2日

判決日:1979(昭和54)年5月16日

原告:桑原忠男

被告:国(厚生大臣)

判決:控訴棄却

 

争点と判決

争点1:因果関係

原告   =現在の疾病は被爆の際受けた負傷と放射能による。

被告(国)=放射能が脊髄に傷害を及ぼすのは1500-2000ラドで、原告の推定被曝線量の100ラドでは起きない。

一審判決 =原告の疾病が原爆の傷害作用に起因するとは認め難い。

二審判決 =一審と同じ。

争点2:立証責任

原告   =放射能の影響でないと認定申請を厚生省が否定する以上、因果関係の立証責任は国にある。

被告(国)=認定すべきだ-と主張する原告側に、その認定要件を満たしているとの証明、つまり立証責任がある。

一審判決 =特に触れないが、「原告の疾病が被曝外の原因に基づく必然性が高い」と国の鑑定を重視。

二審判決 =原告側にある。その方法は、医学的に厳密に証明されなくても、被爆時の状況、病歴、現症状を通し、現在の医学水準に照らし相当程度の必然性が認められれば足りる。

争点3:原爆医療法の性格

原告   =国家補償的な性格を持つ。「疑わしきは認定」を認め、被爆者救済の枠の拡大をめざすべきだ。

被告(国)=社会保障法的性格を持つ。認定されれば一般被爆者より厚い保護を受けるのだから、厳しい区別が行われるのは当然。

一審判決 =触れず。

二審判決 =実質的に国家補償的配慮が根底にある。社会補償法と国家補償法の性格を合わせ持つ複合的立法。

1979年5月29日、原告、上告しないことを表明。
理由:「10年間の闘いの中で、いろいろな成果はあった。ただ、現行の原爆二法は、控訴審での判決に見られるように、認定制度としては機能しない。従って、今後は被爆者援護法の制定実現に向けて全力を挙げる。」

参考資料

 

1969.11.30 『被爆者医療の権利を守るたたかいのために-桑原裁判の経過と問題点』
1972. 「桑原裁判」の証人尋問記録
1973.04 桑原裁判判決(全文)-昭和48年4月19日言渡
年表:桑原原爆訴訟

 

「桑原裁判」の証人尋問記録

『「桑原裁判」の証人尋問記録』(原水爆禁止広島県協議会・広島県原爆被害者団体協議会(共編)1972年)

証人調書

期日 氏名 職業 備考
1971.09.30 田坂正利 医師 第2回口頭弁論
1971.11.12 福渡靖 地方公務員
1971.11.12 伊東壮 山梨大学助教授
1971.11.12 田沼肇 法政大学教授
1971.12.23 杉原芳夫 文部教官(医師) 第3回口頭弁論
1972.03.02 富永初子 無職 第4回口頭弁論
1972.04.20 桑原忠男 無職 第5回口頭弁論

年表:チェルノブイリ原発事故2000~

年表:チェルノブイリ原発事故2000~〈作業中

年月日 できごと 備考
2000
 0426
0605
1215
2001
2002
 0911
2003
 0517  広島市内で、ベラルーシ・ブレスト市のウラジミロビッチ保険局長が報告会。チェルノブイリ原発事故で被曝した住民の甲状腺がん対策が急務。
2004
 0927  連載:広島世界平和ミッション 第4陣の横顔〈1〉森下弘さん(73)
2005
0110 連載:広島世界平和ミッション ウクライナ編― 未来への模索(『中国新聞』)
 0113 連載:広島世界平和ミッション ウクライナ編― チェルノブイリの傷跡(『中国新聞』)
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
0224 ウクライナ内務省顧問、自身のSNSで、ロシア軍がウクライナ北部のチェルノブイリ原発周辺の立ち入り禁止区域内に侵入し、原発の警備隊との間で激しい戦闘が起きていることを明らかにする。
0407 国際原子力機関(IAEA)、ウクライナ当局が公開した、チェルノブイリ原発周辺の立ち入り禁止区域でロシア軍が掘った塹壕とされる映像を確認したと表明

年表:チェルノブイリ原発事故1999

年表:チェルノブイリ原発事故1999

できごと
99 02 01 医学研修のため長崎に来たウクライナとベラルーシのチェルノブイリ原発事故被災者救援医師団3人、長崎大学医学部を表敬訪問。
99 02 10 ロシアの慈善団体「ブラゴベスト」代表、公明党北海道女性局の党員らで作る「チェルノブイリの子を支援する会」に感謝状を贈呈。
99 02 18 チェルノブイリ原発事故による健康被害をテーマとした公開シンポジウム、広島市の放射線影響研究所で開催。ロシア・ベラルーシ・ウクライナと日本の研究者が地元住民の被災実態を報告。-19日。
99 03 03? ベラルーシの非政府組織「チェルノブイリ児童基金」(会員約7000人)、ルカシェンコ政権下で非合法化の危機に直面し、世界各国に支援と連帯を求める。
99 03 19 崇徳高校の生徒ら、同校を訪問したベラルーシ共和国の医師にチェルノブイリ原爆事故による放射能汚染に苦しむ同国の子供達に医薬品などを贈るために集めた募金11万円余を渡す。
99 03 22 中国新聞「東京トーク:松本妙子-遅咲きだから染みた「チェルノ」の言葉」
99 04 18 エレーナ・ブルラコーワ・ソ連科学アカデミー生物化学研究所教授、仙台市で講演。「チェルノブイリ救援募金」などの招きで来日。以後、青森・東京・横浜・神奈川・千葉・広島(26日)でも講演予定。
99 04 25 タス通信、チェルノブイリ原発事故当時、現場で消火や放射性物質の除去など事故処理作業に従事した約25万人のうち、既に1万人が死亡、約4万人が障害者になっていると報道。
99 04 26 エレーナ・ブルラコーワ・ソ連科学アカデミー生物化学研究所教授、広島市で講演。約60人が参加。「チェルノブイリ救援募金」などの招きで来日。
99 04 26 ウクライナ国議会のチェルノブイリ事故対策委員会、これまでに300万人以上が放射線被曝が原因で何らかの影響を受け、このうち約7万3000人が障害者になったと発表。
99 05 03 社会新報「チェルノブイリ原発事故から13年-ベラルーシの村々を訪ねて」
99 05 12 社会新報「チェルノブイリ事故から13年-低い被曝量で高いがん発生率-ロシアの科学者・ブルラコーワさんが報告」
99 05 13 広島市立大学の学生でつくるチェルノブイリ交流会実行委員会、キエフ市の民族音楽団「チェルボナ・カリーナ」のメンバー・ナターシャ・グジーを招き、広島市立大学で交流。約150人が参加。
99 05 24? ベラルーシ共和国科学アカデミーのミハイル・マリコ博士、チェルノブイリ原発事故の影響で甲状腺がんが大人(15才以上)でも増加したとする論文を発表。
99 06 04 財団法人若狭湾エネルギー研究センターの分析結果で、チェルノブイリ原発事故以降、一般の人が原子力に対して抱く安心感が急激に下がっていることが判明。
99 06 18 「プルトニウム・アクション・ヒロシマ」、講演会「チェルノブイリから13年」を広島市内で開催。講師は今中哲二京大原子炉実験所助手。
99 08 01 市民団体「チェルノブイリ支援・広島」、写真展「ノーモア・ヒロシマ ノーモア・チェルノブイリ」を広島原爆資料館で開催。
99 08 25 社会新報「地域イニシアチブ:チェルノブイリ原発事故の被災地ベラルーシ共和国の子どもたち-5人が保養のため北海道・余市町へ」(山田茂)
99 10 20? 加藤和明茨城県立医療大学教授、東海村臨界事故直後におよそ30万キュリー(1キュリー=370億ベクレル)の核分裂生成物ができていたとの推計をまとめる。チェルノブイリ原発事故の推定飛散量の1/100から1/10000の量。
99 11 27 創価学会広島平和会議、広島学講座「チェルノブイリ災害とその後」を広島池田平和記念会館で開催。イワノービッチ・ウクライナ最高会議事務局代表顧問が講演。
99 12 03 「平和・協同ジャーナリスト基金」、第5回基金賞を発表。「写真記録・チェルノブイリ消えた458の村」(広河隆一)が基金賞、朝日新聞社会部原爆投下取材班「原爆投下55年目の真実」など5点が基金奨励賞。

 

年表:チェルノブイリ原発事故1998

年表:チェルノブイリ原発事故1998

できごと
01 24 「ジュノーの会」・「原爆被害者相談員の会」、「広島からチェルノブイリへ-ヒバクシャ交流報告会」を広島YMCAで開催。
02 06 ウクライナの医師3人、チェルノブイリ原発事故被災者救援の医学研修のため、長崎原爆病院を訪問。
02 08? 長崎県佐世保東商業高校生徒会、「チェルノブイリ支援キャンペーン」で集まった約30万円をチェルノブイリ支援運動九州に送金。
03 17 広島大学原医研でチェルノブイリ原発事故被災者の治療について研修中のウクライナとキエフの医師3人、広島市を訪問し研修経過を報告。
04 07 新潟県原爆被害者の会など、チェルノブイリ原発事故被災者への医療救援を訴える公演に合わせ、「原爆と人間展」を長岡市で開催。-8日。
04 12 「チェルボナ・カリーナの会」、民族舞踊団「チェルボナ・カリーナ」を招き、広島市内でコンサートを開催。同団は、チェルノブイリ原発事故で避難したウクライナの子どもたちで組織。
04 18 広島市内の映画館シネツイン、チェルノブイリ原発事故で汚染した村を描いた映画「ナージャの村」を上映。-24日。
04 21 本橋成一の写真展「ナージャの村」(チェルノブイリ原発事故で汚染した村)、三越広島店で開催。
04 22 セルジュク・ウクライナ保健相、チェルノブイリ原発事故により現在までの12年間に、事故処理関係者約35万人のうち1万2519人が死亡したことを明らかにする。
04 26 クチマ・ウクライナ大統領、タス通信のインタビューの中で、チェルノブイリ原発閉鎖の方針を確認した上で、閉鎖時期は国際社会の支援次第と語る。
04 26 長崎・ヒバクシャ医療国際協力会、レオニード・イリーン著「チェルノブイリ虚偽と真実」の日本語版を発行。
04 26 広島県の尾道・三原・福山の市民らでつくる「脱びんごネット尾道」、「わたしたちはチェルノブイリを忘れない」の集いを尾道市内で開催。
04 26 「チェルボナ・カリーナの会」と障害者作業所「元気工房」のメンバー約30人、広島市の原爆ドーム前でチェルノブイリ原発事故12周年にあたり、犠牲者を追悼する集いを開く。
05 01 デメロ国連緊急援助調整官とロシア・ウクライナ・ベラルーシの各国国連大使、国連本部で記者会見し、チェルノブイリ原発事故の被害者に対する支援を訴える。
05 02 チェルノブイリ原発事故の放射能汚染問題を調査しているフランスの民間調査機関「放射能調査情報センター」、アルプス山脈で高レベルの放射能を検出したとする報告書を発表。
05 03? 原子力資料情報室(高木仁三郎代表)、チェルノブイリ原発事故の処理処理者の多くが健康状態の悪化に苦しんでいる実態を示す資料を入手。
06 07 今村展隆広島大学原医研講師、大量の放射線を浴びたチェルノブイリ原発の事故処理従事者の白血病発症率が高率であるという調査結果を原子爆弾後障害研究会で発表。
07 11? 旧チェルノブイリ原爆付近で軍事技術研修中に被曝したモンゴル人バヤラー、ジュノーの会の招きで来日し、広島大学原医研で入院検査。
07 14 ルカシェンコ・ベラルーシ大統領、欧州諸国が同国民のビザ発給に差別的な措置を取っているとし、対抗措置としてチェルノブイリ被災児童への援助の拒否を検討していると語る。
07 24 ドイツ・ビュルツブルグ大学で「シーボルト賞」の授与式。受賞者の長瀧重信長崎大学名誉教授、「広島・長崎とチェルノブイリからの教訓」と題して講演。
07 29 ウクライナ非常事態省、チェルノブイリ原発事故の影響で、現在もなお、ウラル以西のヨーロッパ総面積の4分の3がセシウム137に汚染されているとの調査報告を発表。
08 02? 今村展昭広島大学原医研講師の調査で、チェルノブイリ事故処理従事者の白血病発症率が非被爆者の40倍以上であることが判明。
08 08 長崎大学医学部と長崎ヒバクシャ医療国際協力会、「原研公開セミナー」を大学内で開催。約60人が参加。チェルノブイリ原発事故被害やカザフスタンの核実験被害について講演。
08 15? 金沢の市民団体、手記集「チェルノブイリは続く・・・」を出版。
09 01 外務省、市民団体「チェルノブイリ支援・広島医療協議会」に政府開発援助(ODA)予算のNGO(非政府組織)事業補助金約500万円を支給する方針を決定。
09 06 公明新聞(日曜版)「チェルノブイリ原発事故から12年余-悲劇のツメ跡今なお深く-広河隆一氏に聞く」
09 28 岡山県阿哲郡哲多町のボランティア団体「チェルノの子供たちを救う会・哲多」、ベラルーシ共和国の児童2人を受け入れる。10月29日まで会員宅に滞在。今回が3回目の受け入れ。
09 30 日本癌学会、横浜市で開催。-日。山本晋史大阪市立大学医学部助手ら、チェルノブイリ原発事故汚染地域の住民に膀胱癌が急増しているとの調査結果を発表。
11 14 ジュノーの会と原爆被害者相談員の会、ウクライナのチェルノブイリ原発事故被害者を訪れた旅の報告会を広島YMCAで開催。約30人が参加。
11 14 日本救急医療学会、チェルノブイリ原発事故などの経験をもとに、放射線災害に対する国内の被ばく医療の問題点を話し合うパネルディスカッションを高松市で開催。
12 04 毎日新聞「ひと:小池健一-チェルノブイリ原発事故禍の白血病児に衛星を使った「遠隔治療」を試みる信州大医学部助教授」

 

年表:チェルノブイリ原発事故1997

年表:チェルノブイリ原発事故1997

できごと
01 30 チェルノブイリ原発事故被災者を救援しているウクライナの医師ら3人、日本赤十字社が実施している招へい事業で長崎大学医学部を表敬訪問。
03 22 「チェルノブイリ支援・広島医療協力会」・文部省など、「国際学術研究講演会・チェルノブイリ事故被災者の現況」を広島で開催。クリメンコ・ウクライナ放射線医学研究センター教授、今村展隆広島大学原医研講師らが報告。約100人が参加。
04 13? 木村智子医師(長崎大学医学部第一内科)ら、笹川記念保健協力財団の資金援助で5月中旬から2年間ベラルーシ共和国でチェルノブイリ原発事故の被曝の影響の研究に従事するため研修中。
04 16 広島市内の崇徳高校生徒、ハザーの収益金7万8000円をベラルーシの医師で広島大学医学部の客員研究員にチェルノブイリ原発事故の被災者の治療のためにと託す。
04 23 「チェルノブイリ子ども基金」(広河隆一代表)、講演会「チェルノブイリの子どもたちに希望を!」を広島市内で開催。
04 25 ウクライナ保健省のチェルノブイリ原発事故医療局次長、同事故の犠牲者は昨年末までに同国だけで20万人ののぼったと語る。
04 26 ウクライナ保健省、チェルノブイリ原発事故でこの1年間に3000人以上が死亡したと発表。
04 26 ベラルーシ・ミンスクで「人民戦線」などの主催する「チェルノブイリ街道」のデモ行進。1万人以上が参加。
04 26 クチマ・ウクライナ大統領、チェルノブイリ原発事故被災者の救済などを国際世論に求める声明を発表。
04 26 ロシア・モスクワ市内の墓地でチェルノブイリ原発事故犠牲者追悼集会。クリコフ内相が参列。エリツィン大統領が被災者の援護は国家の義務との声明を発表。
04 30 チェルノブイリ支援検診車キャンペーン、講演会を長崎市内で開催。ラリサ・ダニーロバ・ベラルーシ共和国放射線医学センター教授が「チェルノブイリの子どもたちは今」と題して講演。
05 02 武市宣雄医師、チェルノブイリ原発事故被災者の医療システム作りのため、ベラルーシへ出発。10日間滞在予定。
06 21 (日本時間22日)主要国首脳会議(デンバー・サミット)、ウクライナ・チェルノブイリ原発4号炉を覆う「石棺」補修のため3億ドルを拠出することで合意。
08 01? 「原発はごめんだヒロシマ市民の会」代表の木原省二、チェルノブイリ汚染地区の視察記「ヒロシマ発チェルノブイリ」を出版。
08 06 16時55分、RCCテレビ、「チェルノ終わりなき放射線被害」を放映。
08 12 沼田鈴子ら、チェルノブイリ原発事故の被害を受けたベラルーシの療養所「希望21」で保養している子供たちが書いた短冊を広島市平和公園の原爆の子の像に届ける。
08 21? 広島の被爆二世・木原省吾、「ヒロシマ発チェルノブイリ」を発行。
09 23 チェルノムイジン・ロシア首相とゴア米副大統領、シベリアの3か所の核兵器用プルトニウム生産工場を米国の支援で2000年までに民生用に転換することに同意。
10 02? チェルノブイリ原発事故で大量の放射性物質が降ったベラルーシで毎年医師の勧告により400件の妊娠中絶が行われていることが判明。
10 23? 長崎県立佐世保東商業高校生徒会、書き損じ、未使用はがきなどの回収を計画。基金は、「チェルノブイリ支援運動・九州」に贈る予定。

 

年表:チェルノブイリ原発事故1996

年表:チェルノブイリ原発事故1996

できごと
01 20? ウクライナの女性画家リュドミラ・メシュコワ、広島とチェルノブイリをテーマとした壁画を制作し、広島市内での受け入れ先を求める。
01 26? ベラルーシの水文気象委員会、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染が30年後の2016年になっても国土の約14%で深刻な影響が残るとする予測地図をまとめる。
02 18 広島の市民グループ「チェルボナ・カリーナ(赤い木の実)を広島に呼ぶ会」、集い「チェルノブイリの子どもたちはいま」を広島市内で開催。広河隆一が講演。
02 20 ロシア・ウクライナ・ベラルーシの3共和国の研究者と山下俊一長崎大学医学部教授ら、「チェルノブイリの甲状腺病理と分子生物学」をテーマに同大学で国際シンポジウムを開催。チェルノブイリ支援を続けている外務省の専門家招聘事業の一環。
03 07 ウクライナの通信社UNIAN、チェルノブイリ原発の1号機で昨年11月17日に「3」(重大な異常事象)に相当する事故が起きたと報道。
03 08 ベリャフスキー・キエフ大学教授、チェルノブイリ原発事故による死者はウクライナ共和国だけで18万人に達したと語る。
03 08 広島大学、3月末に定年退官する医学系5教授の記念講演会を開催。佐藤幸男原医研所長が「放射線による先天異常-実験室からチェルノブイリへ」と題して講演。
03 09 インタファックス通信、ロシア保健省の報告書でチェルノブイリ原発事故の影響で現在も80万人近くの子供が検診を受け、入院患者は延べ3000人にのぼることが明らかになったと報道。
03 22? 欧州委員会(EC)とベラルーシ・ウクライナ・ロシア3国、ベラルーシのミンスクで国際会議「チェルノブイリ事故による放射能の影響」を開催。同3国の汚染地域での甲状腺がんが増加し、子どもでの発生が約1000人に達したことが明らかになる
03 22? 旧ソ連・チェルノブイリ原発4号炉を覆っている石棺がわずかに傾きかけていることが、ウクライナ公式報告書で判明。
03 31 英日曜紙インディペンデント・オン・サンデー、英北部の島でのガンの多発は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と関連がありそうだと報道。
04 01 ウィーンの国際原子力機関(IAEA)で、事故を起こしたチェルノブイリ原発事故と同型の旧ソ連型原発の安全問題を討議する国際フォーラム開幕。-3日。
04 02? 経済開発協力機構(OECD)、ウクライナのチェルノブイリ原発の敷地内外にある放射性廃棄物を埋めた穴から、近くのプリピャチ川に放射能が漏れる可能性を明らかにする。
04 03 ロシア原子力省高官、国際原子力機関本部で開催のチェルノブイリ型原発に関するフォーラムで、同原子炉の早期閉鎖を否定。
04 04 ロシア科学アカデミーのシェフチェンコ博士、チェルノブイリ原発事故の被害者の両親から生まれた子供のうち8400人が先天性異常を持っているとの調査結果を発表。
04 04? 欧州委員会、国際原子力機関で開催されているチェルノブイリ型原発の安全性に関する国際フォーラムで、チェルノブイリ4号機を覆っている「石棺」の倒壊の確率は13年に1度であると発表。
04 09 国際原子力機関(IAEA)・世界保健機構(WHO)・欧州連合(EU)、チェルノブイリ原発事故の影響と今後の対策について話し合う国際会議「チェルノブイリから10年」をウィーンで開催。約700人が参加。-12日。
04 09? 経済協力開発機構(OECD)のチェルノブイリ原発事故10周年国際会議への報告で、同事故により放出された放射能が当初推計の3-4倍に上ることが判明。
04 10 チェルノブイリ原発事故10周年国際会議の専門家委員会、汚染地域に住む子供の間に発生した小児甲状腺がんが事故以来659人におよぶとの報告を発表。
04 13 チェルノブイリ子ども基金(本部・東京、代表:広河隆一)、21日にかけ全国5か所で「チェルノブイリ10周年コンサート」を開催。
04 15 チェルノブイリ原発事故で被曝したウクライナのジャーナリスト、L.コバレフスカヤ、広島市を訪問。
04 17 「チェルボナ・カリーナを広島に呼ぶ会」、チェルノブイリの子供たちを救援するコンサートを広島市のアステールプラザで開催。約1400人が鑑賞。
04 19 脱原発びんごネットワーク、「チェルノブイリ10周年支援コンサート」を福山市で開催。20日には尾道市、21日には三原市で開催。
04 20 ハインリヒベル財団(ドイツ・ケルン)、国際会議「チェルノブイリの教訓」をウクライナの首都キエフで開催。-22日。
04 21 明石康・国連人権問題局長、ウクライナのチェルノブイリ原発やプリピャチを訪問。
04 21? 「長崎・ヒバクシャ医療国際協力会」、チェルノブイリ原発事故被曝者を対象としたロシア語の小冊子を発行。
04 22 ウクライナ保健省、チェルノブイリ原発事故の被害者として同国の47万4095人が登録されていることを明らかにする。
04 22 ウクライナ政府、国連の協力でチェルノブイリ原発問題に関する会議を開催。
04 22 日本テレビ系、夜のニュース「きょうの出来事」で、チェルノブイリ事故10周年を特集。23日、26日の3回シリーズ。
04 22? 今中哲二・京都大学原子炉実験所助手の調査で、旧ソ連政府の機密議事録にチェルノブイリ原発事故直後市民900人以上に急性障害が出たと記録されていることが判明。
04 22? 高田純広島大学原医研助教授ら、笹川記念保健協力財団の援助事業でチェルノブイリ原発汚染地域の放射線を調査。
04 25 ウクライナ国営テレビ、チェルノブイリ原発事故についての24時間特別番組を放映。
04 25 ウクライナのチェルノブイリ原発当局者、24日夜に放射能汚染事故が発生したことを明らかにする。
04 26 クチマ・ウクライナ大統領、チェルノブイリ原発事故についてテレビ演説。
04 26 「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援・関西」のメンバーら約70人、チェルノブイリ原発事故10周年のデモを大阪市内で実施。
04 26 原水禁のメンバーら、チェルノブイリ10周年の座り込みを広島市の平和記念公園・原爆慰霊碑前で挙行。約200人が参加。
04 26 チェルノブイリ原発事故の犠牲者27人が眠るモスクワ郊外のミチンスコエ墓地で追悼式典。カダンニコフ・ロシア第一副首相ら約2000人が出席。
04 26 エリツィン・ロシア大統領、訪問先のロシアからチェルノブイリ原発事故10周年でテレビ・ラジオで演説。
04 26 キエフでチェルノブイリ原発事故10周年の追悼式。
04 26? 「ヒロシマ・ナガサキ平和基金」、チェルノブイリ原発事故の被曝者の救援に当たった広島と現地ウクライナなど6か国の医師らがまとめた「チェルノブイリ事故-最初の10年」を発行。
05 06? 今中哲二京都大学原子炉実験所助手、ウクライナがチェルノブイリ原発事故発生直後に作成していた半径30キロ圏内の詳細な放射能汚染分布地図を入手。
05 28 日本ユーラシア協会、第3次チェルノブイリ原発事故調査団を派遣。6月6日までにロシア・ベラルーシ・ウクライナの3国を訪問。
07 01 池田外相、ウクライナ・キエフ市内でクチマ大統領と会談。チェルノブイリ原発閉鎖の技術協力を表明。
07 15 舟橋喜恵広島大学教授・山田寿美子福島生協病院相談室長(広島県府中市の市民団体「ジュノーの会」の派遣)、8月上旬にキエフ市のチェルノブイリ博物館が開催する「キエフ原爆展」に展示する広島平和文化センター所蔵の「市民が描いた原爆の絵」
07 25 米ハーバードがん予防センターのトリコポウロス博士らの研究グループ、チェルノブイリ原発事故の放射性降下物が大量に降ったギリシアで、母親の胎内で被曝した乳児の白血病発病率が2.6倍とする調査結果を英科学誌ネイチャーに発表。
08 03 ロシアのジャーナリスト、アラ・ヤロシンスカヤ、被爆51周年世界大会国際会議でチェルノブイリ原発事故被害の実態を報告。
08 03 「広島の女上演委員会」(村井志摩子代表)、新作「ヒロシマ・チェルノブイリレクイエム96」を東京・新宿文化センターで開催。
08 06 「原爆被害者証言のつどい」、広島YMCAで開催。約270人が27人の被爆者の体験を聴く。全体会で舟橋喜恵広島大学教授がウクライナ・キエフ市でのチェルノブイリ原発事故被災者の聞き取り調査の結果を報告。
08 10 「チェルノブイリ支援・広島医療協議会」、報告会「広島から見たチェルノブイリ支援」を広島国際会議場で開催。約60人が参加。
08 10 長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設と原爆被災学術資料センター、旧ソ連チェルノブイリ原発事故をテーマとした公開セミナーを開催。約30人が参加。
08 13? 木原省治「原発はごめんだヒロシマ市民の会」代表、チェルノブイリ原発事故の現地視察をまとめた小冊子の刊行を準備。
09 12 長崎市の活水中学・高校で文化祭。中学2年1組の生徒33人、チェルノブイリ原発事故についての調査研究結果を発表。
09 14? 長瀧長崎大学医学部長、米国のメイヨー財団の「サムエル・ヘインズ賞」を受賞。チェルノブイリ原発事故による小児甲状腺癌の調査研究などが認められる。
09 27 長崎大学で「シーボルト生誕200年記念国際医学シンポジウム」。チェルノブイリ原発事故の汚染地区で多発している小児甲状腺癌などの研究成果が報告される。
10 14 チェルノブイリ原発事故被害者の治療にあたっているリトアニアとラトビアの医師2人、9月中旬から広島で実施していた放射線被曝者医療国際協力推進協議会の研究を終了。
10 19? 錬石和男放影研臨床研究部内科科長、世界保健機構(WHO)が実施するチェルノブイリ原発事故で放射能の除去に当たった作業者の調査に参加。広島・長崎の被爆者のデータを基に「酸化ストレス」の治療方法などを研究予定。
10 29 肥田舜太郎・斉藤紀・伊藤直子、チェルノブイリ医療センター所長の要請とリトアニア保健省大臣の招待でリトアニアを訪問。-11月2日。
11 30 ウクライナのチェルノブイリ原発1号機の閉鎖作業開始。午後10時(日本時間1日午前5時)稼働停止。

 

年表:チェルノブイリ原発事故1995

年表:チェルノブイリ原発事故1995

できごと
02 02? 写真家の本橋成一、チェルノブイリ原発の周辺を取材した写真集「無限抱擁」を出版。
02 21 バルト3国(リトアニア・エストニア・ラトビア)の医師ら6人、チェルノブイリ被曝者医療の研修のため外務省の招きで来日。放射線影響研究所や広島大学原医研・長崎大学医学部などで研修。-3月9日。
03 27 英日曜紙オブザーバー、ウクライナのチェルノブイリ原発で事故炉を覆ったコンクリートの「石棺」に接する建物部分が崩壊の危機にあるという専門家グループの報告書を報道。
04 05 ロシア科学アカデミー、レントゲン(エックス線)発見100年を記念する科学シンポジウムを開催。セミパラチンスク核実験、南ウラル、チェルノブイリ原発事故など旧ソ連の核被害の実態が報告される。
04 13 クチマ・ウクライナ大統領、チェルノブイリ原子力発電所を2000年までに閉鎖する方針を明らかにする。
04 25 セルジューク・ウクライナ保健相、1986年4月のチェルノブイリ原発事故で、同地域から避難した住民及び放射能汚染除去作業に従事した労働者のうち88年から94年までの間で約8200人が死亡したと発表。
04 25 国連原子力機関(IAEA)、ウクライナのチェルノブイリ原発事故10周年の来年4月8日からウィーンで国際会議を開催すると発表。
04 26 ウクライナ最高会議、チェルノブイリ原発事故9周年に当たり、主要7か国(G7)と欧州連合(EU)に向けた声明を発表。その中で、400万人が今も事故の後遺症に苦しんでいると表明。
04 26 広島県原水禁のメンバーら80人、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故9周年の座り込みを広島市の原爆慰霊碑前で実施。
05 02? ウクライナ・キエフ市のピーススクールの子どもたち、チェルノブイリ原発事故をテーマにしたミュージカルを10月に広島などで上演することを計画。
06 24 米紙ワシントン・ポスト、ベラルーシでチェルノブイリ原発事故の影響と見られる甲状腺ガンなどが子供の間で急増していると報じる。
07 07 チェルノブイリ原発事故被災者の治療に当たっているベラルーシ・ロシア・ウクライナの3医師、長崎市の日赤原爆病院での放射線医療研修を開始。
07 22 チェルノブイリ原発事故による被災児の支援グループ「モーストの会」、ウクライナの少年少女音楽舞踊アンサンブル「バルヴィノーク」のチャリティー公演を広島市のアステールプラザで上演。
07 25 長崎・ヒバクシャ医療国際協力会の研修受け入れで長崎入りしたチェルノブイリ原発事故被災者救済のための医師団、県庁を訪れ挨拶。
07 25? 「チェルノブイリ子ども基金」(本部東京)、昨年9月にベラルーシ共和国やドイツの非政府組織などが首都ミンスク郊外に建設した保養センター「希望21」で多くの児童を保養させるために、滞在費用を負担してくれる里親を募集。
07 27? 今中哲二京都大学原子炉実験所助手、ロシア科学アカデミー・地球気象生態学研究所のユーリ・イズラエルが作製したチェルノブイリ原発事故による汚染地図を入手。
08 01? 山下俊一長崎大学医学部付属原爆後障害医療研究施設教授ら、チェルノブイリ原発事故で死の灰を浴びたウクライナ・ベラルーシ・ロシア共和国の事故当時10歳以下だった子供たちの調査結果をまとめる。それによると小児甲状腺ガンの発症率は3000倍
08 03 チェルノブイリ原発事故で被災したベラルーシの子ども4人、首相官邸で古川貞次郎官房副長官と面会し、ミハイル・チギリ首相から村山首相に宛てたメッセージを手渡す。
08 05 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で被災したベラルーシ共和国の被曝した子どもら4人、長崎市の県勤労福祉会館で市民約45人と交流。
08 05 ベラルーシ共和国で被曝した子供たちが体験を語る交流会「チェルノブイリの子供たちを囲んで」、長崎市の県勤労会館で開催。
08 08 ウクライナの市民団体「キエフ・チェルノブイリ連合」、広島県府中市の市民団体「ジュノーの会」の協力で首都キエフ市で原爆展を開催。-9月30日。
08 17 広島県、世界保健機構(WHO)が11月にジュネーブで開催する「チェルノブイリ及びその他の放射線事故の健康影響に関する国際会議」の議長を藤田知事が努めることになったと発表。
08 31 長崎ヒバクシャ医療国際協力会の招きで40日間の研修を終えたチェルノブイリ原発事故救済のための医師団、県庁を訪れ挨拶。
09 22? 国連人道援護局、チェルノブイリ原発事故で約80万人ががん発症の危険にさらされているとする報告書をまとめる。
09 22? ガリ国連事務総長の報告書によるとチェルノブイリ原発事故により、ウクライナ・ベラルーシ・ロシアの3か国で37万人余が避難生活をしていることが判明。
10 03 宮川裕行、ウクライナ・キエフ市でのチェルノブイリ原発事故被災者らとの交流を終え、広島市役所で帰国報告。
10 31 広島県被団協(伊藤サカエ理事長)・県原水禁など4団体、スイス・ジュネーブで開催されるチェルノブイリ関係の会議で展示されるパネル展示についてヒロシマの悲劇を伝える内容になっていないとして見直しを広島県に要請。
11 02 広島県議会決算特別委員会で、世界保健機構(WHO)の「チェルノブイリ及びその他の放射線事故の健康影響に関する国際会議」で県が展示する予定のパネルに異論が続出。
11 18 富重守広島赤十字・原爆病院長ら3人、チェルノブイリ原発事故の被害を受けたロシア・ウクライナ・ベラルーシ3国の視察に出発。-11月18日。
11 20 世界保健機構(WHO)、「チェルノブイリ及びその他の放射線事故の健康影響に関する国際会議」をスイス・ジュネーブの本部で開催。-23日。藤田広島県知事が参加。広島県が会場でHICAREの活動などを紹介したパネル20点を展示。
11 23 WHO主催「チェルノブイリおよびその他の放射線事故の健康影響に関する国際会議、同原発周辺地域で問題になっている小児甲状腺がんと原発事故との関連を確認して閉幕。
11 30 ベラルーシ・ウクライナ・ロシア3国政府代表と国連、共同記者会見で、チェルノブイリ原発事故被害に対する資金援助を要請するアピールを発表。
12 21 外務省、ウクライナのチェルノブイリ原発を2000年までに閉鎖するために、日本や米国など先進7カ国と欧州連合(EU)がウクライナとの愛差で、電力部門の改革や原子力の安全性で協力することを確認する覚書を交わしたと発表。
12 22 長滝重信長崎大学医学部長、御所で天皇・皇后に、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の放射能汚染地区の子どもに多発している甲状腺がんの治療活動などについて説明。
12 23? 「チェルノブイリ子ども基金」(本部:東京)、来年のカレンダー「チェルノブイリと核の大地」を作成。写真家広河隆一の写真で構成。