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トルーマン談話(1958.2.2)への抗議

トルーマン談話への抗議

 トルーマン前米大統領は,1958(昭和33)年2月2日,CBS(コロンビア放送)のテレビ番組「いまこそ見よ」の中で次のように述べた。

 われわれが強力な新兵器をもっていた以上,それが大量殺人兵器だからといって,私はこれを使うことに良心のかしやくを感じることはなかった。だれも戦争は望まないし,戦争には反対だが,戦争に勝てる兵器をもちながらそれを使わなかったとすればばがげたことである。私は水爆が戦争に使われないよう希望するが,万一世界が大混乱にまきこまれば,水爆は使われるだろう。このことは間違いない。

「中国新聞」(夕刊)1958年2月3日)

 広島県原水協は,この談話について5日夜常任理事会を開いて検討を行った。その結果,対応の基本方針として,次の5点を確認した。

1.たとえ言葉だけにしろ,このような発言は道義的に罪悪であり,世論からどれほど手ひどい反撃を受けるかを知らせる必要がある。

2.トルーマン氏の最も痛いところは広島である。広島から抗議運動をもりあげることはとくに重要である。その意味から直接被害者の強い反撃の組織が必要である。

3.単に抗議文を送るという形式的な手続きのみでなく,県市民の怒りが結集されるという方向が必要である。

4.とくにこのような機会をとらえて,素朴な「もってのほかだ」という憤がいの気持を誰れもがあらわしていけるような態勢と結びつきを考える必要がある。

5.こんどのト発言を知らない人にも周知徹底するなかで世論を組織すること。

 また,当面の具体的行動としては,抗議文をトルーマンあてに発送するとともに,次の5点を決めた。

1.地域原水協,県内諸団体(とくに労組,被害者団体,婦人,青年,宗教団体など)に行動をおこしてもらうよう要請し,話合いをもつ。

2.知事,市長,地方自治体に抗議を要請する。

3.県下諸団体は自己の全国組織にとりあげて全国的世論と抗議をよびかけてもらう。

4.広島原水協,日本原水協を通じて直接,間接に国際的世論の反撃運動を組織するようよびかける。

5.とくに米国の宗教,平和団体を通じての抗議を要請する運動を強化する。

 翌6日には,広島県被団協も緊急理事会を開き,次のような抗議文をトルーマンあてに発送するとともに,当日ただちに県・市を訪れ抗議への協力を要請した。

 あなたは,二月二日のコロンビア放送で「広島・長崎の原爆攻撃を指令したあとに,良心のかしやくを感じなかった。これからも水爆は使われるであろう」という言明をせられました。この言明は直接原爆の苛酷な被害を経験した私たち広島の被害者に計り知れない衝撃を与えました。

 被爆後十二年間を経た今日,なお,当時受けた放射能により,原爆症のため倒れて行く人たちが後をたちません。そればかりではなく,子孫にまで悪影響を及ぽし,被害者は全く救いのない恐怖におののいている現状であります。

 あなたは,このような被害の実相をご存じでしょうか。一九四六年広島にA・B・C・Cを作られたあなたが被害の実相をご存じない筈がないと思います。

 あなたの言葉が事実とすれば,原爆投下の最高責任者であったあなたが全く異質の大量殺人兵器を使用しながら,戦後十三年たった今日,なお,いささかの反省もしないのみならず,宇宙時代,究極兵器時代においても原子戦争体制の準備と原水爆使用の必然性があることを強調されたことになります。これは明らかに人類への挑戦と考えざるを得ません。

 私たちは,今原爆ドームが灰色に凍るヒロシマの爆心地,そして一瞬にして悲惨な死をとげた二十数万人の原爆死没者の慰霊碑の前に立っています。(この碑の中には,当時捕虜であった数名のアメリカ兵も,マラヤ・インドネシヤの留学生の霊もまつられています)

 私たちは,「安かに眠って下さい 過ちは繰返しませんから」という碑文を,かろうじて生きのこった身体に鞭うちながら,運動の指針として来たことに高い誇りを持ち続けていますが,加害者であるあなたは,この碑文を如何にお考えでしょうか。

 速やかにあなたの言葉を撤回されるよう要求します。

一九五八年二月六日-原爆投下から十二年六カ月目の日-

広島県原爆被害者団体協議会

トルーマン閣下

 トルーマン談話のもたらした波紋は,原水協・被団協のこうした反射的反応にとどまらなかった。2月7日,大原広島県知事および渡辺広島市長は,両団体の要請に応え,それぞれトルーマン談話に対し,原爆投下は人道上許しがたい行為であったとする抗議の談話を発表した。また,13日の広島市議会は,トルーマン談話に対する抗議声明を可決し,直ちにトルーマンあてに送った。

 トルーマンは,このような日本側の反響に接し,3月14日の記者会見で,広島市議会議長仁都栗司あてに反論の手紙を送ったことを明らかにした。この報道は,再び広島では大きな反響を呼び,3月24日の広島市議会本会議は,トルーマンの返書(17日到着)に対する抗議の声明書を採択し,25日トルーマンあてに発送した。この後,この問題は4月8日,トルーマンが再度弁明,これに対し,広島市議会が2度目の抗議文を世界各国の首脳をはじめアメリカの報道機関に送るという様に,ますます大きな広がりをしめした。

 広島のトルーマン談話に対する抗議は,一様に原爆投下を人道上許しがたいことと述べていた。中でも,2月7日の県知事談話は,原爆投下を国際法違反とまで断じていた。このような原爆投下責任の問題は,それまでの広島では,タブーの観があった。原爆慰霊碑の碑文をめぐる論争(1952年11月以降),あるいは原爆損害賠償請求訴訟の提起(1953年1月)など,原爆投下責任を追及する動きは存在したが,それらは,大きな広がりを持つものとはならなかった。それにもかかわらず,トルーマン談話は,広島の原爆投下批判を一気に吹き出させる契機となった。「中国新聞」のコラム「断層」は,トルーマン談話は,「広島としては戦後最大のショックだった」と述べている(「中国新聞」1958年3月1日)。

 トルーマン談話をめぐる日本側の反応が,いわば原爆投下批判一色だったのに比ペ,アメリカ国内での反応は,複雑であった。アメリカから広島市の抗議に賛意が寄せられる一方で,次のような書簡も届いていた。

 トルーマン氏が広島・長崎に原爆投下後良心のかしやくを感じなかったという発言は市民と犠牲者に対する冒とくだと言い,遺憾の意を表わせと要求されたが,貴国の指導者たちが真珠湾を不意打ち攻撃し,戦争を始めたことについて米国民はどう考えていると思うか。トルーマン氏は彼が思っていることをそのまま語ったもので彼の本意だと思う。当地には多くの日系米人がいるが,これの人々の多数はいまでもトルーマン氏を支持していることをご存知ですか。(カリフォルニア州ラグナビーチ市 チャールズ・A・ペティコート)

(「中国新聞」昭和1958年2月26日)

 アメリカにおいては,こうした声が一般的であることは,前年の国民使節団の米国班により確認されていたことであった。広島県被団協では,5月25日の総会で,広島に原爆を投下したB29の当時の飛行機長ロバート・A・ルイイに手紙を送り,トルーマン談話への反対運動を行うよう呼びかけるとともに,「恩讐を越えて平和運動をともに展開しよう]と8・6大会に招待することを決めた(「中国新聞」1958年5月26日)。ルイスを選んだのは,彼が治療のために渡米した原爆乙女の救援に助力し,アメリカ国防省から原爆使用の可否を問われたとき絶対反対の意を表明したことが伝えられており,アメリカ内部から原爆投下ヘの反省を起こさせる適任者と思われたからである(藤居年一「ルイス大尉招待の経緯」)。広島県被団協は,7月23日,正式に招待状をルイスあてに発送した。しかし,当のルイスは,招待状の届く前の7月28日,記者の質問に対し,出席するつもりのないことを明らかにするとともに次のように語った。

 報道によると私は原爆によって引きおこされた災害を遺憾に思っていることになっているが本当にそうだとはいえない。もちろん他人に不必要な災害をおよぽすことは望んでいない。原爆は普通の爆弾以上の破壊力を持っていることも知っている。しかし仕事をやりとげねばならなかった。戦争を早く終らせるためにだ。この気持はいまでも変らない。

(「中国新聞」(夕刊)1958年7月29日)

 

ヒロシマ会議

ヒロシマ会議 1970年11 月29 日~ 12 月2日

「平和文化推進審議会」委員の発案が契機となり,「ヒロシマ会議」が開催された。広島市が市民の協力を得て開催した戦後初めての国際平和会議である。招待参加者は,海外からフィリップ・ノエルベーカー(英国,ノーベル平和賞受賞),ユージン・ラビノビッチ(米国,パグウォッシュ会議創始者の一人)ら6人,国内からは,湯川秀樹・朝永振一郎(いずれもノーベル物理学賞受賞者)ら13 人であった。

ヒロシマ宣言 1970年12月2日
原子爆弾がヒロシマ・ナガサキに投下されてから二十五年経た今日、われわれはこの広島に集まり、同時に組織された市民会議と相協力して「現代における平和への条件」を中心に真剣な討議を行なった。
われわれは、今なお被爆による肉体的苦痛と精神的不安に耐えつつ生きる多くの人々のいることを知り、被爆者の切実な声を聞き、推定二十万人を越える犠牲者の数々の遺品、被爆の物的資料、さらに本年七月広島市民の手で編集された当時の惨状を生々しく伝えるフィルムを見る機会を得た。核兵器は二度と使われてはならない。一日も早くこれを廃絶しなければならない。
にもかかわらず、現実の世界においては、ますます核兵器体系は巨大化と多様化の一途をたどっている。われわれは、われわれの努力が足りず、こうした事態を招いていることに対して深い自責の念を禁じ得ない。
核時代においてはいかなる国家にとっても、もはや防衛はありえない。核抑止とは核報復を前提とする戦略であり、核報復は自滅ないし共滅以外の何物でもない。その上、抑止戦略の根底には大量殺りくの威かくによって生存を図ろうとする恩恵が横たわっており、それは人類の安全をおびやかすだけでなく、人間の尊厳に対する許しがたい冒とくと言わなければならない。
したがって核兵器は即時禁止され、廃棄されなければならない。さらに各国は他の軍備をも廃棄し、軍事力を徹底的に解体する必要がある。このような措置が平和の強化のために持つ意義は大きい。
しかし、その場合でも、もし国際紛争が戦争に転化するならば、核兵器の再軍備が始り相手への不信と恐怖にかられて、ついには核戦争に突入する危険もある。
人類がこの核戦争の危険を防止し、現代における科学技術の進歩と人間の精神的荒廃というこの矛盾を克服し、人類の安全と人間の尊厳を確立するために、われわれのとるべき道はただ一つ、それは戦争を廃絶することである。
そのためには、われわれ自身の価値体系を変革し、従来の国家主権から人類主権へと向かう道を切りひらかなけれぱならない。それは単なる理想ではなく、人類の生存にとって不可欠の条件である。のみならず、政治、経済、文化の面で国際的相互依存関係が急速に増大している今日、その実現可能性も増大している。この人類主権の原理を現実化するために、われわれは次のような措置がぜひ必要であることに合意した。
第一に、国際機構の次元において、われわれは、核兵器の使用は国連憲章に直接違反すると宣言した第十六回国連総会決議に立脚して、国連がこれを実効性のあるものにするための具体杓措置をとり、核兵器の廃絶を早急に実現することを要請する。またこのような決定を有効に実行しうるためにも国連は中国の復帰によって普遍性を高める必要がある。それは国連を一層強化する道でもある。とりわけ、焦眉の課題であるインドシナと中東に平和をもたらすためにも、国連の強化は急がれなければならない。さらにまた、人類の成員は主権者として、だれしも全く平等であるにもかかわらず、現代の世界には南北間の重大な不平等があり、また、一国の内部にも不当な差別が存在している。こうした社会的不正義を平和的に除去するには、人類の協力を一段と強めなければならない。そのためにも現在開発途上にある貧しい人々に代って、人類共同の建設的努力を行なっている国連及びその他の国際機関に対しこれまでにも増して強力な努力を望むものである。
第二に、日本の対外政策に関して、会議への日本人参加者は、核武装と日本国憲法とが全く相いれないことを再確認し、日本政府が全人類に向けて非核武装を誓約する宣言を行なうことを強く要求する。また参加者の全員は、軍備競争の悪循環を断ち切るために、日本国憲法に規定された一方的非武装の方式が、きわめて有効であることを再確認し他の日々も日本の例にならうことを希望する。
第三に、全世界においてまた日本において以上のような変革を実現するためにも、一人々々の思考様式や価値体系を変革する必要がある。われわれは、そのような目的のために、全世界で平和研究が一段と活発に行なわれることが緊要であると考える。平和研究は単なる過去や現在の事実の分析だけでなく、戦争の廃絶された人類の将来を想像し計画し、これを積極的につくり出して行くために、軍備を必要としている現在の制度を乗り越えていくものでなければならない。さらにわれわれは、次の世代に戦争の悲惨と平和の意義とを正しく伝えるために、すべての国において平和教育が自由かつ学問的に行なわれる必要を強く訴えたい。特に世界の様々の宗教団体、青少年団体、文化団体にも積極的に平和教育にたずさわる責任が負わされていると考える。
被爆四半世紀後のヒロシマに集まったわれわれは、世界の同胞に向ってこう訴えたい。人間の能力の中で最も弱いのは想像力であり最も強いのは忘却力であるという。だがわれわれは決してヒロシマを忘れないし、戦争の廃絶された世界を構想する能力を失わない決意である。
一九七○年十二月二日  広島にて(本会議への参加者全員)
相原和光 秋月辰一郎 テイボール・バルタ ダニロ・ドルチ 江川義雄 原田東岷 橋本栄一 飯島宗一 今堀誠二 石田明 ロベルト・ユンク 川田侃 牧二郎 松元寛 森滝市郎 村上忠敬 フィリップ・ノエルベーカ 野村浩一 小黒薫 岡咲恕一 大田昌秀 ユージン・ラビノビッチ バーバラ・レイノルズ 坂本義和 佐久間澄 関寛治 庄野直美 荘司雅子 田畑茂一郎 高野雄一 谷川徹三 朝永振一郎 豊田利幸 山田節男 湯川秀樹

ヒロシマ会議・市民会議の報告

世界最初の原子爆弾が広島・長崎に投下され、二十五年を経過した。この間、被爆者の不安と社会的差別は解消されないばかりか、憲法第九条は空洞化され、日本の核武装の危険は増大し、国際情勢は大きな危機をはらむに至っている。われわれは、こうした現実を直視し、その歴史的、政治的根源を追求しなければならない。今日、被爆者は、みせかけの繁栄の中に埋没し、いまなお原爆症の不安におののいている。われわれは、被爆者の援護措置が国の戦争責任において、国家補償としてすみやかに確立されるよう、日本政府に強く要求する。

さらに進んで、われわれ広島・長崎市民はもとより、被爆者も自らの体験をのり越え、通常戦災者や公害被害者との連帯を強化するとともに、核基地沖縄の県民や外国人被爆者がおかれた生々しい苦悩にも切実なる思いを寄せ、一方では、日本の侵略戦争によって犠牲となった中国をはじめとする諸国民の実情をも見つめなおし、それらを自分自身の内なる問題として位置づけなければならない。

また、原爆のおそろしさが意識的に知らされなくなった今日のきびしい体制分析をふまえて、平和教育の重要性を深く認識し、学校教育や家庭教育を通じて教師と母親との一体化をはかり、真の被爆体験の継承をしんぽうづよく持続させなければならない。そのためにも、正確な資料の収集・調査・活用や平和問題の科学的研究を行なうための総合的な研究のセンターが設立され、被爆者を勇気づけ、市民や教師の諸活動を結びつけ、はげます方向が打ち出されることを望むものである。

われわれは、ここにいままでねぱり強く展開され、積みかさねてきた幾多の平和運動の成果を正しく評価するものである。同時にその欠陥をも忠実に摘出しながら自己の戦争責任を反省し、人間生命の尊厳を運動の基調として定着させなければならないと考える。

将来にわたって国民的課題である平和の諸問題を、根気よく、探究することを誓い、それを行動化することを確認する。

出典:ヒロシマ会議委員会『現代における平和への条件-1970ヒロシマ会議-』

 

参考資料:「原爆関係文献目録-ヒロシマ・ナガサキは世界に問い続ける」

BK701129

歴代広島市長(1945年以降)

歴代広島市長

氏名 就任年月日 退任年月日
18 粟屋仙吉(あわやせんきち) 昭和18(1943)年7月10日 20年8月6日
19 木原七郎(きはらしちろう) 昭和20(1945)年10月22日 22年3月22日
20 濱井信三(はまいしんぞう) 昭和22(1947)年4月17日 26年3月31日
21 濱井信三(はまいしんぞう) 昭和26(1951)年4月25日 30年4月8日
22 渡辺忠雄(わたなべただお) 昭和30(1955)年5月2日 34年5月1日
23 濱井信三(はまいしんぞう) 昭和34(1959)年5月2日 38年5月1日
24 濱井信三(はまいしんぞう) 昭和38(1963)年5月2日 42年5月1日
25 山田節男(やまだせつお) 昭和42(1967)年5月2日 46年5月1日
26 山田節男(やまだせつお) 昭和46(1971)年5月2日 50年1月8日
27 荒木武(あらきたけし) 昭和50(1975)年2月23日 54年2月22日
28 荒木武(あらきたけし) 昭和54(1979)年2月23日 58年2月22日
29 荒木武(あらきたけし) 昭和58(1983)年2月23日 62年2月22日
30 荒木武(あらきたけし) 昭和62(1987)年2月23日 63年2月22日
31 平岡敬(ひらおかたかし) 平成3(1991)年2月23日 7年2月22日
32 平岡敬(ひらおかたかし) 平成7(1995)年2月23日 11年2月22日
33 秋葉忠利(あきばただとし) 平成11(1999)年2月23日 15年2月22日
34 秋葉忠利(あきばただとし) 平成15(2003)年2月23日 19年2月22日
35 秋葉忠利(あきばただとし) 平成19(2007)年4月8日 23年4月7日 
36 松井 一實(まついかずみ) 平成23(2011)年4月10日   27年4月9日
37 松井一實(まついかずみ) 平成27(2015)年4月12日 31年4月11日
38 松井一實(まついかずみ) 平成31(2019)年4月12日
2019年=平成31年は4月30日まで。5月1日からは令和元年

出典:https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/7/17966.html

熊田重邦

 

くまだ しげくに
192002生
20130129没
享年92歳

 

資料

『熊田教授退官記念事業会』(記念録、1983年3月)
『熊田重邦先生勲三等旭日中綬章受章記念祝賀会(式次第・出席者名簿)』(1994年6月24日)

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ヒロシマを”追体験”
貴重な未公開資料を収める  本年度中に刊行へ  原爆資料の”紙碑”をめざして
編集を進める広島県史編さん室
「被爆の実相を明らかにするとともに、広島県民の責務としてそれを後世に伝えるための”紙碑”をたてる」。広島県史編さん室(広島市宇品東、広島女子大内・熊田重邦室長)はこういった趣旨で、現在「広島県史・原爆資料編」の編集を進めている。あの日から26年。この間いろいろな機関、団体、個人により、さまざまな形で被爆体験の記録がまとめられている。広島県が独自に原爆に関する諸資料を集大成するのは初めて。いま編集中途ではあるが、再び同じ体験が繰り返されてはならないという願いを”紙碑”にきざみ込む作業が続けられている「原爆資料編」の編集意図や方針、それに沿って収録される資料のあらましなどをまとめた。
本文 「広島県史」全32巻の編集は43年度から10ヵ年の継続事業として始められた。3年間の資料調査・収集をおえ46年度からは本格的な編集作業にはいり、「原爆資料編」ほか1巻が本年度中に、出版第1号として刊行される。この資料編が最初に、発行されるのも、県史全体からみてその意義が大きく、重いからだろう。
今日・将来の問題
編集の意図は、被爆体験を単に過去の事実として記録にとどめるだけでなく、今日・将来にわたる問題としてとらえることにある。つまり「死者の復権を図ると同時に、今日もなお放射能障害によって生命の危機を内在させている被爆者、胎内被曝者、被爆二世など、将来に不安を残す生者の問題を鋭く社会に問いかけるものとして原爆関係資料を最大限に生かす」ことである。そして、核兵器が人類滅亡の危険性をはらんで巨大化している今日「ヒロシマを全世界に”追体験”させることにより、核兵器全廃の世論を起こすこと」を大きなテーマにしている。これらの意図を踏まえ、被爆体験を郷土の歴史-ひいては人類の歴史-の中に正しく位置づけながら、広島の”個別体験”を”人間一般の体験”にまで高める努力をし、原爆が人間に与えた悲惨さを明らかにすることによって”人間の尊厳”を考えさせるようすがとする-といった理念をこの資料編に盛り込んでいる。また「原爆資料編」の編集方針については、国内はもとより国際的にもその集成が求められていることから、被爆の実態を明らかにするため、主として未公開資料を中心に、生の資料を骨子にしている。収集された資料は相当な点数になるようだが、その中で被爆直後の実態、救護活動のもようを通して「被爆の実相」を明らかにするため、戦災の記録、調査活動の詳細な資料が特に重視される。それらを通して「被爆者の苦悩や被爆前後の状況を歴史的、科学的に正しく理解することにより、未来への展望を妨げるような”偏見”をなくする。「被爆後の物質的、精神的復興に果たした行政や団体、個人の役割の長短を見きわめて将来の指針とする」ことにしている。
軍関係の記録も
収録される資料群は、主として軍関係の調査記録と官公庁や町村の記録文書の2つに大別される。そのおもなものをあげると軍関係では8月8日、本格的な調査団として広島入りした「大本営調査団」の調査資料がある。この調査団は参謀本部の有末中将らの一行で、目的は使用爆弾が何かを究明することだった。そして同行した理化学研究所の仁科芳雄博士が「原子爆弾」であることをつきとめ、報告している。「陸軍省広島災害調査班」の資料は、陸軍軍医学校、臨時東京第一陸軍病院から大本営調査団と同時に広島へ派遣された軍医による医学的調査を内容としたものである。この2つの資料は、最悪の状態の中で軍当局がどのような調査を行い、非常事態に対処したかがうかがえる記録で、当時はいずれも”極秘”の資料であった。のちに一部は断片的に発表されたり、資料として引用されているが、系統だって総合的に資料化されるのは初めて-という。またこのほかに呉鎮守府関係の諸調査資料が多数含まれている。
混乱の状況克明に
次に県や市町村関係の資料では、まず広島県の「戦災記録」がある。これはすでに新修広島市史や続広島原爆医療史にも収録されてはいるものの、当時広島県行政の動きを知る上で貴重な資料であり、被爆直後の処置、救護活動、調査などの公式記録として取り上げられる。町村役場関係の文書では佐伯郡廿日市町宮内・地御前、安佐郡佐東町八木・川内、安芸郡坂町など主として広島市周辺の町役場にあった被災者調査資料がある。坂や八木、宮内などの諸資料は、県史の資料所在調査中に発見されたものが多数あり、資料としても価値の高いものである。特に「宮内村日誌」などは被爆直後の混乱した状況を克明に記載しており、救護活動の実態がかなり具体的に知られる。また、広島市草津本町で発見された国民義勇隊の記録も救護所の動きや義勇隊の救護状況を知る資料として貴重なものとされている。このように「原爆資料編」の編集は、これまで埋もれていた多くの資料をも発掘してきた。「町村役場の資料がいかに無視されてきたかがわかる」と関係者がいうように”埋蔵資料”をもう一度総点検する必要があり、そういった資料を被爆実態の究明に役立てるよう県全体として取り組むべきだ-という指摘もある。
人間の尊重ふまえて
このほか広島地方気象台の8月6日付け「気象日誌」や「津田町日記」など公的な日記、日誌類や調査団の記録としては、東大をはじめ当時広島へ調査団を出した各大学関係の公・私的な資料も収録の予定である。「原爆資料編」の全般について熊田重邦室長は「8月6日の時点で、広島市や周辺町村ではどうなっていたか、生の記録をもとにして”被爆の実相”を明らかにすることであり、人間の尊厳-人間の尊重という理念をふまえて、あくまでも科学的に資料をとらえること。広島市民としてはもちろんだが、もっと広島県民という広い観点で資料を集成していきたい」と話している。いずれにしても、1,000ページ余りの資料編では、収録される資料に限界のあることはやむをえない。だが、集成される資料の1つ1つに重い意味があり、さらに資料の紙背にある”文字なき記録”は多くの被爆の実態について語りかけてくれるだろう。

あ

被爆体験の風化をくいとめるために、被爆の実相を明らかにする資料集成が進められている(広島県史編さん室で)

『中国新聞』1971年8月2日

 

田原伯

田原 伯 たはら

つかさ

原爆文献研究家。終戦時に朝鮮半島から引き揚げる際、傷ついた被爆者や広島の廃虚を目撃したのが活動の原点に。1968年、今堀誠二広島大教授(当時)らと原爆被災資料広島研究会を結成し、原爆文学や被爆体験記、占領期文献などを網羅した「原爆被災資料総目録」第1~4集を発行。(『中国新聞』)
  生

 

20170510没

84歳

資料

1985 04  01 宇吹暁「蔵書あれこれ」『河図洛書―渓水社10周年記念』(渓水社、1985年4月1日)pp.140-143
原爆問題についての私の師の一人であるT(田原)氏との出会いは、広島市内のあるガレージであった。そこには、T氏の管理する原爆関係の本が持ち込まれていた。私は学生時代から平和、原爆問題に関心を持っていた。広島県の歴史の中でも重要なテーマと思い、その関連の本について、卒業後も気をつけていた。しかし、T氏の本の大半は、初めて目にするものであった。その後、T氏は、しばしば「蔵書を前の議論」の機会をつくってくれた。それは、私が、学生時代以来、久しく忘れていたものであった。私の原爆文献漁りが、T氏との出会いを契機に始まった。
2017 05 12 「田原伯氏死去 原爆文献を調査」『中国新聞』2017.5.12
2017 05 18 「悼記 綿密調査 非条理を告発 原爆文献研究家 田原伯さん 10日、84歳で死去」

「9年前に脳出血で倒れ、リハビリを続けたが、第5集の発行という執念は果たせなかった。「お疲れさま」と声を掛けたくなる。ただ、あの圧倒的な仕事ぶりに一度でも触れると、「後は任せて」とたやすく口にできない自分がもどかしい。原爆犠牲者の無念をしっかり継承できているのかどうか。核兵器が廃絶できない人類全体に対し、幻さんが残した宿題は重い。」(編集局長・江種則貴)『中国新聞』2017.5.18

広島平和記念資料館

広島平和記念資料館(通称:原爆資料館)

1955年8月24日開館

前史 平和都市建設と原爆資料==広島市勢要覧にみる「観光都市広島」
原爆参考資料陳列室(原爆記念館)
原爆資料保存会
年表 1951~69年、1970~77年、1978~79年、1980~81年、1982~831984~87年、 1988~90年、1991~93年、1994~95年、1996~97年、1998
関連文献
入館者数の変遷

*1998年4月、広島平和文化センターに委託。

*被爆資料約1万2000点。165項目の分類。

*1999年、図録を作成。

原爆開発・使用関係資料(1945年1月3日~6月10日)

原爆開発・使用関係資料(1945年1月3日~6月10日)

450103 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450109 グローヴズ将軍にあてた覚書(J・S・デリー陸軍大尉)

 

 

「資料マンハッタン計画」(930922)
450115 フランス人に関する諸問題(覚書)

(H・H・バンディ陸軍長官特別補佐官)

「資料マンハッタン計画」(930922)
450120 グローヴズ少将が行う予定の勧告内容-重要機密を保全するうえで最も実行しやすい問題処理方法に関するグローヴズ自身の見解 「資料マンハッタン計画」(930922)
450127 C・W・ニミッツ米国太平洋艦隊・太平洋地域司令長官にあてた書簡(E・J・キング海軍作戦部長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450127 [キング元帥からニミッツ元帥への書簡](E.J.King(Fleet Admiral,U.S.Navy)) 「長崎原爆戦災誌第5巻」(830331)
450130 ハーヴィ・バンディ陸軍長官特別補佐官にあてた書簡(ブッシュ科学研究開発局長官) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450201 バンディにあてた書簡(ブッシュ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450201 グローヴズ少將あて電文(第23969号)(H・K・カルヴァート陸軍少佐) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450206 H・H・バンディ陸軍長官特別補佐官にあてた覚書(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450210 広島工業専門学校職員録
450213 J・B・コナント国防研究委員会委員長にあてた覚書(ブッシュ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450213 コナント国防研究委員会委員長にあてた書簡(ブッシュ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450213 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450215 コナント博士にあてた覚書(ブッシュ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450215 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450215 スタイアー陸軍戦務部隊参謀長にあてた書簡(パタソン陸軍次官) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450223 陸軍長官にあてた書簡(アルバート・J・エンゲル下院議員) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450225 陸軍長官にあてた書簡(パタソン陸軍次官) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450226 Stimson’s Diary Entry 「The Manhattan Project」(91)
450303 Byrnes’s Memo to Roosevelt 「The Manhattan Project」(91)
450303 スチムソン陸軍長官にあてた覚書(バンディ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450303 大統領にあてた覚書(ジェイムズ・F・バーンズ戦時動員局長官) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450305 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450306 陸軍長官にあてた覚書(L・R・グローヴズ陸軍少将) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450308 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450310 L・R・グローヴズ陸軍少將にあてた覚書(J・A・デリー陸軍少佐) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450314 ハリソン陸軍長官特別顧問にあてた覚書(バンディ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450315 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450315 Stimson Diary Entry 「The Manhattan Project」(91)
450324 1944年7月3日付のニールズ・ボーア覚書補遺 「資料マンハッタン計画」(930922)
450326 MEMORANDUM TO THE CHIEF OF STAFF[グローヴス少将から参謀総長への覚書](L.R.Groves(Major General,U.S.A.)) 「長崎原爆戦災誌第5巻」(830331)
450326 マーシャル陸軍参謀総長にあてた覚書(グローヴス) 「資料マンハッタン計画」(930922)
4504?? ロシア側動静の大要 「資料マンハッタン計画」(930922)
450402 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450403 スチムソン陸軍長官にあてた覚書(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450403 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450406 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450406 D・M・デニソン博士にあてた書簡(パーソンズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450407 ファイル用覚書(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450412 Stimson mentions the Bomb to Truman Memoirs by Harry S. Truman
450412 HARRY TRUMAN’S DIARY AND PAPERS 1945.4.12-48.3.3 http://www.he.net/~douglong/index.html
450418 Frankfurter’s Private Memo 「The Manhattan Project」(91)
450420 グローヴズ将軍にあてた覚書(J・A・デリー陸軍少佐) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450423 デニソン博士にあてた覚書(パーソンズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450423 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450424 Stimson Informs Truman about the Bomb :Memorandum http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450424 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450425 トルーマン大統領とスチムソン陸軍長官との会談についての覚書(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450425 Memo Discussed with Truman 「The Manhattan Project」(91)
450425 トルーマン大統領との会談に関するスチムソン陸軍長官の覚書(スチムソン陸軍長官) 「WHY JAPAN?-原爆投下のシナリオ」(850925)
450425 スティムソンがトルーマンに提出したメモ(スティムソン) 「葬られた原爆展-スミソニアンの抵抗と挫折」(950918)
450425 トルーマン大統領との協議に付された覚書(スチムソン陸軍長官) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450425 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450425 Stimson Diary Entry 「The Manhattan Project」(91)
450425 Report prepared by Eben Ayers, White House Assistant http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450427 NOTES ON INITIAL MEETING OF TARGET COMMITTEE

[目標委員会第1回会議議事録]

「長崎原爆戦災誌第5巻」(830331)
450427 目標検討委員会初回会議覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450428 統合目標検討グループ長にあてた覚書(L・ノースタッド第20航空軍参謀長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
4505 スチムソン陸軍長官あて匿名友人からの対日和平構想の覚書 「WHY JAPAN?-原爆投下のシナリオ」(850925)
4505?? ドイツの状況(要約) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450501 陸軍長官にあてた覚書(ハリソン) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450501 グローヴズ少將にあてた覚書(C・ビッセル一般参謀部第二部担当参謀次長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450501 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450502 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450503 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450504 コナント国防研究委員会委員長にあてた覚書(スチムソン陸軍長官) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450504 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450505 陸軍長官にあてた覚書(コナント) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450505 第20航空軍参謀長にあてた覚書(J・A・サムフォード統合目標検討グループ長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450505 グローヴズ将軍にあてた覚書(J・ランズデール陸軍大佐) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450508 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450509 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450509 作業の手順に関するデニソンの予備報告 「資料マンハッタン計画」(930922)
450509 Interim Committee Log, 9 May 1945 through 1 July 1945 http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450509 暫定委員会非公式会議覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450510 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450510 J・R・オッペンハイマー・ロスアラモス科学研究所長にあてた書簡(K・T・コンプトン科学研究開発局現地業務部長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450511 原爆の放射能についてのオッペンハイマー博士からファレル将軍あて覚書(オッペンハイマー) 「WHY JAPAN?-原爆投下のシナリオ」(850925)
450511 T・F・ファーレル准將にあてた覚書(J・R・オッペンハイマー) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450512 Target Committee, Los Alamos, May 10-11 http://www.dannen.com/decision/index.html
450512 目標委員会会議(5月10、11日)の要約 「WHY JAPAN?-原爆投下のシナリオ」(850925)
450512 目標検討委員会第2回会議の要約-L・R・グローヴズ少將にあてた覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450512 Memorandum For: Major General L.R.Groves

[目標委員会第2回会議議事録]

「長崎原爆戦災誌第5巻」(830331)
450512 Derry and Ramsey’s Memo to Groves 「The Manhattan Project」(91)
450512 Stimson Diary Entry 「The Manhattan Project」(91)
450513 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450514 暫定委員会非公式会議覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450514 グローヴズ陸軍少將にあてた覚書(J・R・オッペンハイマー) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450514 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450515 Notes of an Informal Meeting of the Interim Committee,

Monday, 14 May 1945

http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450515 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450516 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450517 Notes of an Informal Meeting of the Interim Committee,

Wednesday, 9 May 1945

http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450518 Notes of the Interim Committee Meeting

Friday, 18 May 1945

http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450518 暫定委員会非公式会議覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450518- Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450521 グローヴズ将軍とデュポン社G・M・リードとの電話会談

-ソ連、英国およびフランスが米国に追いつく予想時期について

「資料マンハッタン計画」(930922)
450521 アルゾス諮問委員会委員にあてた覚書(W・M・アダムズ一般参謀部外国班長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450528 目標検討委員会第3回会議議事録 「資料マンハッタン計画」(930922)
450528 MINUTES OF THIRD TARGET COMMITTEE MEETING

[目標委員会第3回会議議事録]

「長崎原爆戦災誌第5巻」(830331)
450528 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450529 第21爆撃部隊司令官にあてた覚書(ノースタッド第20航空軍参謀長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450529 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450530 陸軍長官にあてた覚書(ハリソン) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450530 ノースタッド将軍にあてた覚書(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450530 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450531 Ameson’s Notes of Interim Committee Meeting 「The Manhattan Project」(91)
450531 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450531 暫定委員会会議覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450531 Stimson Diary Entry 「The Manhattan Project」(91)
450531 暫定委員会会議(5月31日)ノート 「WHY JAPAN?-原爆投下のシナリオ」(850925)
450531 Notes of the Interim Committee Meeting,

Thursday, 31 May 1945

http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
4506?? ホワイトハウス-1945-原子(バーンズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450601 Armeson’s Notes of Interim Committee Meeting 「The Manhattan Project」(91)
450601 暫定委員会会議覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450601 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450601 Notes of the Interim Committee Meeting http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450604 スチムソン陸軍長官あて覚書に対する統合参謀本部戦略政策グループの論評(統合参謀本部戦略政策グループ) 「WHY JAPAN?-原爆投下のシナリオ」(850925)
450606 Stimson’s Memo of Talk with Truman 「The Manhattan Project」(91)
450606 Henry Stimson’s diary and papers http://www.he.net/~douglong/stimson.htm
450607 スチムソン合同政策委員会委員長にあてた書簡(グローヴズ合同開発トラスト委員長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450607 From “Interim Committee Log” 「The Manhattan Project」(91)
450611 The Frank Report 「The Manhattan Project」(91)
450611 The Franck Report, June 11, 1945 http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450611 The Franck Report, June 11, 1945 http://www.dannen.com/decision/franck.html
450611 政治的および社会的諸問題(フランク報告) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450612 From “Interim Committee Log” 「The Manhattan Project」(91)
450612 陸軍長官にあてた書簡(アーサー・H・コンプトン冶金計画責任者) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450612 Compton’s Memo to Stimson 「The Manhattan Project」(91)
450612 Minutes of Meeting of “Committee of Three” 「The Manhattan Project」(91)
450614- Joint Chief of Staff knowledge of the Atom bomb and Chronology

June 14 – July 24, 1945:

http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450615 陸軍長官にあてた覚書(L・R・グローヴズ・マンハッタン工兵管区司令官) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450616 核兵器の即時使用に関する勧告(科学顧問団) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450616 Recommendations on the Immediate Use of Nuclear Weapons http://www.dannen.com/decision/index.html
450616 Recommendations of Scientific Panel 「The Manhattan Project」(91)
450618 Minutes of Meeting Held at the White House http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450618 Minutes of Meeting Held at the White House http://www.whistlestop.org/study_collections/bomb/large/
450618 トルーマン大統領と軍首脳との対日戦略会議 「資料マンハッタン計画」(930922)
450618 Stimson Diary Entries 「The Manhattan Project」(91)
450618 Minutes of President’s Meeting 「The Manhattan Project」(91)
450619 グローヴズ陸軍少將にあてた書簡(アーサー・H・コンプトン) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450621 暫定委員会会議覚書 「資料マンハッタン計画」(930922)
450621 Notes of the Interim Committee Meeting http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450622 グローヴズ陸軍少將にあてた書簡(ジェイムズ・コナント国防研究委員会委員長) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450625 Arneson’s Memo to Harrison 「The Manhattan Project」(91)
450625 スチムソン陸軍長官にあてた覚書(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450626 Harrison’s Memo to Stimson 「The Manhattan Project」(91)
450626 Stimson Diary Entries 「The Manhattan Project」(91)
450627 Memorandum by the Undersecretary of the Navy Ralph A. Bard http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450627 RALPH BARD:AN ALTERNATIVE TO A-BOMBING JAPAN http://www.he.net/~douglong/bard.htm
450627 Bard’s Memo on Use of S-1 Bomb 「The Manhattan Project」(91)
450627 Bard Memorandum, June 27, 1945 http://www.dannen.com/decision/bardmemo.html
450628 アーサー・コンプトン博士にあてた書簡(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450628 陸軍長官にあてた覚書-S1爆弾使用に関するR・A・バード海軍次官覚書を送付 「資料マンハッタン計画」(930922)
450629 Opinion Poll on Treatment of the Japanese Emperor http://www.nuclearfiles.org/docs/bombong-hiroshima.html
450630 マーシャル陸軍参謀総長にあてた覚書(グローヴズ) 「資料マンハッタン計画」(930922)
450630 統合参謀本部によって採択された措置 「資料マンハッタン計画」(930922)
450630 米穀配給台帳による広島市の原爆被爆前人口
450630 Recommended Action by the Joint Chief of Staff

[総合参謀本部による勧告]

「長崎原爆戦災誌第5巻」(830331)
450630 MOMORANDUM TO THE CHIEF OF STAFF

[グローヴス少将から参謀総長への覚書]

 

原子爆弾被爆者特別措置に関する陳情書<抄>(1969年~97年)

原子爆弾被爆者特別措置に関する陳情書

陳情項目の変遷 1969年~1997

原子爆弾被爆者特別措置に関する陳情書(1969101日)

 昭和42年9月1日付で原子爆弾被爆者特別措置法の制定について陳情いたしましたところ、昨年9月には、特別措置に関する法律が新たに制定施行され、また施設等の予算も計上されて被爆者の福祉が図られました。

 これはひとえに各位の御尽力のたまものと深く謝意を表するものであります。

 しかしながら、法律による措置についても実施上なお多くの問題があると同時に未解決の問題が相当残されておりますので、さきの衆参両院における付帯決議の趣旨もあり、この際早急に次の事項が実現されますよう重ねてお願いするものであります。

 一 被爆者健康管理及び医療制度の充実強化

 一 被爆者健康管理・保養・保護施設の充実

 一 被爆者援護措置の拡充

 一 障害補償その他被爆にともなう補償制度の確立

 一 放射能医学研究機関の拡充

 一 原子爆弾被爆者対策審議会の設置等

昭和44年 原子爆弾被爆者特別措置陳情概要

第1 被爆者健康管理及び医療制度の充実強化

 1 健康診断の内容充実

 2 被爆2・3世に対する被爆影響の調査研究の促進

 3 認定疾病の範囲拡大

 4 特別被爆者の範囲拡大

 5 被爆者温泉療養費の補助

 6 健康診断受診奨励金の支給

 7 認定患者入・通院手当の支給

第2 被爆者健康管理・保養・保護施設の充実

 1 被爆者保養センターの設置

  (説明)原爆被爆者は、放射能を浴びたことによって常に生命の不安と焦燥に脅えながら生活を続けてきました。

     このようは被爆者に心のよりどころを与えるとともに、心身の保養を図る必要があります。

     特に被爆者のうちには、老齢者、低所得者あるいは病弱者が多く、遠隔地の温泉等へでかけることは不可能であり、また、既存の民間保養所の利用については多額の経費を要し、利用することが困難であります。

     したがって、近接地域に一日の保養を楽しむことのできる慰安・娯楽設備の完備した総合的な保養センターを設置すべきであります。

 2 被爆者更生授産所の設置

 3 被爆者健康管理、医療施設整備特別補助制度の創設

第3 被爆者援護措置の拡充

 1 生活困窮被爆者に援護費の支給

  (説明)原爆特別措置法は、原爆放射能の影響による特定の疾病に罹病している一部の者を援護の対象としていますが、援護の対象から除かれている者のうちにも、被爆の影響によって健康を阻害され、正常な生活を営むことのできない者が多数存在しています。

     これら被爆障害者の生活の安定を図るため、疾病制限の緩和・年齢制限の撤廃・所得制限の緩和等による支給対象の拡大ならびに支給金額の増額等援護措置の充実を図るべきであります。

 2 被爆者奉仕員及び生活相談員制度の実施

 3 被爆者就職支度金および雇用奨励金の支給

第4 障害補償その他被爆にともなう補償制度の確立

第5 放射能医学研究機関の拡充

  (説明)原爆放射能の人体に与える影響については、未解明な分野が多く、その学問的な解明のおくれていることが、被爆者対策の進展を阻害する要因となっています。ついては、被爆者の健康管理・医学の根本的対策を確立するため、広島大学原爆放射能医学研究所の研究部門の増設ならびに、長崎大学原爆後障害研究施設の研究所昇格と施設の拡充及び資料センターの新設を早急に実現し、その機能の充実強化を図るべきであります。

第6 その他

 1 原子爆弾被爆者対策審議会の設置

  (説明)被爆者対策全般に関する重要事項を調査審議するための機関として、原子爆弾被爆者対策審議会を設置すべきであります。

 2 被爆者対策の事業運営に要する経費の全額国庫負担

 3 動員学徒等準軍属に対する処遇の改善

 4 旧防空法等による防空業務従事犠牲者の援護措置の確立

  (説明)防空業務従事者は、旧防空法によって防空業務に従事することを義務づけられていたものであり、このことは動員学徒等の旧国家総動員業務に服した者と少しも変るところがありません。したがって、防空業務従事者およびその遺族についての援護措置を確立すべきであります。

 5 原爆被爆者の実態調査の実施

  (説明)原爆被爆者の被爆後現在までの生活及び健康の状況等被爆の影響の実態を広汎に調査し、被爆者に対する根本的な対策を講ぜられるべきであります。

     なお、これらの調査を地方公共団体が実施した場合、国はその費用の全額を負担し調査を促進すべきであります。

 6 国民健康保険財政における原爆被爆者に係る医療費の影響に対する国庫補助(特別調整交付金)の10割交付

 7 原爆被爆者養護ホーム運営費の全額国庫負担

  (説明)昭和44年度において、国の建設補助金の交付をうけて広島・長崎両県市に原爆被爆者養護ホームが建設されていますが、この施設は全国に散在する恵まれない原爆孤老等を収容保護するための全国的な施設であり、また、被爆者という特異性から本来国の責任において設置運営すべきものであります。したがって、この施設運営費は、全額国庫で負担すべきであります。

原子爆弾被爆者特別措置に関する陳情書(19707月)

 原子爆弾被爆者に対しては、昭和32年に「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」が制定され被爆者の健康管理並びに医療についての援護が行なわれ、さらに昭和43年からは「原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律」により被爆者の生活面の援護が実施されたほか、施設等の予算も充実強化され、被爆者の福祉の向上が図られてきました。

 これはひとえに各位の御尽力のたまものと深く謝意を表するものであります。

 本年は被爆25周年にあたりますが、さきの衆参両院における付帯決議にもみられるとおり被爆者対策については、なお多くの解決しなければならない問題が残されておりますので、この際早急に次の事項が実現されますよう重ねてお願いするものであります。

 なお、最近の被爆者の状況にかんがみ被爆者対策の根本的改善を促進するため「原子爆弾被爆者対策審議会」(仮称)を設置せられるよう特に切望するものであります。

 一 原子爆弾被爆者対策審議会の設置

 一 被爆者健康管理及び医療制度の充実強化

 一 被爆者保養・保護施設の充実

 一 被爆者援護措置の拡充

 一 障害補償その他被爆にともなう補償制度の確立

 一 放射能医学研究機関の拡充

 一 原爆被爆者の実態調査等

昭和45年 原子爆弾被爆者特別措置陳情概要

第1 原子爆弾被爆者対策審議会の設置

  (説明)原子爆弾被爆者対策全般に関する重要事項を調査審議するための機関として、原子爆弾被爆者対策審議会を設置すべきであります。

第2 被爆者健康管理及び医療制度の充実強化

 1 健康診断の内容充実

     被爆者は、被爆の影響による悪性新生物、その他の成人病の発生率が高い。また被爆者は逐年老令化しているので検診内容、検診方法を改善すべきであります。

 2 被爆2・3世に対する被爆影響の調査研究の促進

     被爆者の二世・三世に対する被爆の影響が、学問的に究明されていないので、早急に調査研究すべきであります。

 3 認定疾病の範囲拡大

     現在認定疾病とされるものは、ごく一部の疾病に限定されているので認定疾病制度の趣旨を十分に活用し適用範囲の拡大を図るべきであります。

 4 特別被爆者の範囲拡大

     現在、特別被爆者以外の一般被爆者においても認定疾病の発生等放射能の影響を多大に受けた被爆者の存在することが認められるので、現在の特別被爆者の距離制限の緩和等合理的にその範囲の拡大を図るべきであります。

 5 原爆被爆区域の是正

     被爆指定区域に指定格差を生じているので是正すべきであります。

 6 被爆者温泉療養費の補助

     温泉療養は、被爆者の健康管理上、好結果をもたらしている実績から、医師が入湯の療養効果を期待し管理入湯を行なう被爆者に対して、温泉療養費を補助すべきであります。

 7 健康診断受診奨励金の支給

     健康診断の受診促進と健康管理の徹底を図るため、一般検査、精密検査、収容検査を受診した者に対して奨励金を支給すべきであります。

 8 認定患者入・通院手当の支給

     認定被爆者の治療促進を図るため、治療のために入院、通院(退院を含む)した場合本人および介護人にその交通費を支給すべきであります。

第3 被爆者保養・保護施設の充実

 1 原爆被爆者施設の法制化ならびに運営費の全額国庫負担

     原爆被爆者施設は被爆の特異性からして本来国の責任において設置運営すべきものであり、且つ、その施設設置の基盤を確固たるものとするため、これを法制化し、施設の運営費は全額国庫で負担すべきであります。

 2 被爆者特別養護ホームの増設

     昭和44年度国庫の補助を得て建設した特別養護ホームは、既に、定員を上回っており且つ老令化に伴なう被収容者の増加が見込まれるので増設すべきであります。

 3 被爆者保養センターの設置

     被爆者は、心身の保養を図る必要がありますが、被爆者の中には、老令者、低所得者あるいは病弱者が多く、遠隔地の温泉等へでかけることが不可能であり、また、既存の民間保養所の利用については多額の経費を要し、利用することが困難であるので、近接地域に慰安・娯楽設備の完備した総合的な保養センターを設置すべきであります。

 4 被爆者更生授産所の設置

     被爆者のうちには労働能力の低下により一般の職業につくことができない者があるので、これらの者の生活の保障と自立更生を図るため原爆被爆者更生授産所を設置すべきであります。

 5 被爆者健康管理、医療施設整備特別補助制度の創設

     被爆者の健康管理の徹底を期するため被爆者専用の公的医療機関の新設・増改築等に対しては特別高率補助制度を創設して、被爆者の健康管理、医療機関の整備促進を図るべきであります。

第4 被爆者援護措置の拡充

 1 原爆特別措置法による諸手当の支給範囲の拡大及び支給金額の増額

     現行の原爆特別措置法は、原爆放射能の影響による特定の疾病に罹病している一部の者を援護の対象としているが、援護の対象から除かれている者のうちにも、被爆の影響によって健康を阻害され、正常な生活を営むことのできない者が多数存在する等、被爆者の実情にそぐわない面があるので、早急に次の事項を改善すべきであります。

 (1) 諸手当の所得制限の撤廃と支給金額の増額

 (2) 特別手当の支給条件の改善

 (3) 健康管理手当の年令制限の撤廃と疾病制限の緩和

 (4) 認定医療の給付日数による医療手当の支給条件を改め毎月定額の支給

 (5) 介護手当の介護事実に対する定額支給

 2 被爆者奉仕員及び生活相談員制度の実施

     被爆者が居宅で安らかな療養生活を送ることができるようにするため、且つ生活上の各種相談に応ずるため、被爆者奉仕員及び生活相談員を設置すべきであります。

 3 被爆者就職支度金および雇用奨励金の支給

     被爆者の就職を促進して、経済的な自立を図るため疾病・障害等の健康上の理由によって失職し、または就職することができなかった者が、常用労働者として就職する場合に、被爆者就職支度金を支給すべきであります。

      また、被爆者の雇用を促進するため、就職支度金受給者を常用労働者として雇用する事業主に対して、雇用奨励金を支給すべきであります。

 4 被爆障害者手当の支給

     原爆特別措置法による援護の対象から除かれている者のうちには、被爆の影響による身体上の障害、または健康を阻害され正常な日常生活を営むことができない被爆者が多数存在しています。これら原爆被爆障害者に対し障害者手当を支給すべきであります。

 5 被爆障害者の国鉄運賃割引制度の実施

     被爆者のうち、身体障害(外的・内的障害とも)により、介護を要する者が日本国有鉄道の鉄道・自動車および連絡船を利用した場合に、本人および介護人の運賃割引を行なうべきであります。

第5 障害補償その他被爆にともなう補償制度の確立

 1 被爆障害者に障害年金の支給

     原爆被爆者に障害年金支給制度を創設すべきであります。

 2 認定疾病死亡者に対する弔慰金の支給

     原爆被爆者のうち認定被爆者が死亡した場合、その葬祭を行なう者に対して弔慰金を支給すべきであります。

 3 被爆者補償および死没者の遺族補償

     被爆者補償及び死没者の遺族補償について早急に実態を調査検討し、必要な措置を講ぜらるべきであります。

第6 放射能医学研究機関の拡充

 1 長崎大学原爆後障害医療研究施設の研究所昇格と施設の拡充及び資料センターの設置

     長崎大学医学部の原爆後障害研究施設を研究所に昇格させるとともに研究部門を増設し且つ資料センターを創設してその機能の強化を図るべきであります。

 2 広島大学原爆放射能医学研究所の拡充

     広島大学原爆放射能医学研究所に必要な研究部門を増設し、その機能の強化を図るべきであります。

第7 原爆被爆者実態調査

 1 復元調査費の増額

     昭和45年度から実施した原爆被爆の復元調査は、被爆の基本的実態を把握するための緊急且つ重要なことであるので、国庫支出金を増額し調査を促進すべきであります。

     なお、その費用は全額国庫負担とすべきであります。

 2 原爆被爆者実態調査の実施

     原爆被爆者の、被爆後現在までの生活及び健康の状況等被爆の影響の実態を広汎に調査し、被爆者に対する根本的な対策を講ぜられるべきであります。なお、これらの調査を地方公共団体が実施した場合、国はその費用の全額を負担し調査を促進すべきであります。

第8 その他

 1 被爆者対策の事業運営に要する経費の全額国庫負担

     原子爆弾被爆者特別措置法の施行運営に伴う、事業費、事務費および人件費等は、全額国庫負担とすべきであります。

 2 動員学徒等準軍属に対する処遇の改善

     原爆によって公務上負傷し、あるいは障害をうけた動員学徒、国民義勇隊及び女子挺身隊員等の準軍属に対しては軍人軍属と同等の処遇を講ぜらるべきであります。

 3 旧防空法等による防空業務従事犠牲者の援護措置の確立

      防空業務従事者は、旧防空法によって防空業務に従事することを義務づけられていたものであり、このことは動員学徒等の旧国家総動員業務に服した者と変るところがありません。

     したがって、防空業務従事者及びその遺族に対する援護措置を確立すべきであります。

 4 国民健康保険財政における原爆被爆者に係る医療費の影響に対する国庫補助(特別調整交付金)の10割交付

     原爆被爆者に係る医療費は国の責任において保障すべきであり、被爆者以外の被保険者に負担させるべきではない。従って原爆被爆者に係る医療費に対する国庫補助(特別調整交付金)は10割交付とされるべきであります。

     なお、現行の医療保険制度の抜本改正を行なう場合は、

    1 標準保険料の医療費段階別の保険料率設定については原爆被爆者に係る医療費を除いた平均額をもって算定基礎とすべきであります。

    2 原爆被爆者に対する医療費については、国庫補助として措置されると共に、従前の特別調整交付金の交付率を下廻らないよう配慮されるべきであります。

昭和46年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 原子爆弾被爆者対策審議会の設置

第2 被爆者援護措置の拡充

第3 被爆者健康管理および医療制度の充実強化

  6 被爆2・3世に対する被爆影響の調査研究の促進

第4 被爆者保養・保護施設の充実

第5 放射能医学研究機関の拡充

  1 長崎大学原爆後障害医療研究施設の研究所昇格と施設の拡充及び資料センターの設置[説明略]

  2 広島大学原爆放射能医学研究所の拡充[説明略]

第6 原爆被爆者実態調査

  1 復元調査費の増額[説明略]

  2 原爆被爆者実態調査の実施[説明略]

第7 その他

昭和47年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者援護措置の実施

第2 被爆者健康管理および医療制度の充実強化

  4 被爆2・3世に対する被爆影響の調査研究の促進

第3 被爆者に対する補償制度の確立

第4 被爆者保養・保護施設の充実

第5 原爆被爆者実態調査

  1 復元調査費の増額[説明略]

  2 原爆被爆者実態調査の実施

    原爆被爆者の実態は昭和40年に実施されたが、その後日時もかなり経過しているので、前回と同様の調査を早急に実施し、被爆者に対する根本的な対策を講じていただきたい。

第6 放射能医学研究機関の拡充

  1 長崎大学原爆後障害医療研究施設の研究所昇格と施設の拡充及び資料センターの充実強化[説明略]

  2 広島大学原爆放射能医学研究所の拡充

    広島大学原爆放射能医学研究所に必要な研究部門を増設し特に情報機能の強化を図っていただきたい。

第7 その他

  6 原爆被災資料センターの設置

    原爆資料の収集、保存、調査研究機関として、原爆被災資料センターを設置していただきたい。

昭和48年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者援護措置の拡充強化

第2 被爆者健康管理および医療制度の充実強化

第3 被爆者に対する補償制度の確立

第4 被爆者の子および孫に対する調査研究の促進

   被爆者の子および孫に対する被爆の影響が、いまだ学問的に究明されていないので、被爆者のなかには、被爆者本人の健康だけでなく、その子・孫の健康についても常に不安をいだいているものもある現状から調査研究を一層促進し、適切な措置を講じていただきたい。

第5 被爆者保養・保護施設の充実

第6 原爆被爆者実態調査の実施および復元調査費の増額

  1 原爆被爆者実態調査の実施

    原爆被爆者の実態は昭和40年に実施されたが、その後日時もかなり経過しているので、昭和50年に行なわれる国勢調査に併せ、ぜひ被爆者の実態調査を実施し、被爆者に対する根本的な対策を講じていただきたい。

  2 復元調査費の増額[説明略]

第7 その他

  1 放射能医学研究機関の拡充

    広島大学原爆放射能医学研究所における研究情報は、ますます多様化・多量化し、現在設置の電算機の機能では消化しきれないので、これを大型化していただきたい。長崎大学医学部の原爆後障害研究施設を研究所に昇格させるとともに研究部門を増設し、且つ医学標本センターの機能の充実強化を図っていただきたい。

  2 国立原水爆被爆資料センターの設置

    広島・長崎・ビキニの原水爆被災資料の散逸を未然に防ぐとともにその資料の収集、保存と調査研究を行なうための機関として、日本学術会議が多年にわたり要望している国立被爆資料センターを、広島・長崎・東京の三か所に早急に設置していただきたい。

  6 原子爆弾傷害調査委員会(ABCC)の研究体制の強化

    現在原子爆弾傷害調査委員会が行なっている調査研究は長期に継続する必要があるので、その構成ならびに運営については、主体性を日本側が持つようじゅうぶん検討していただきたい。

昭和49年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者援護措置の拡充強化

第2 被爆者健康診断の充実強化

第3 被爆者の医療・福祉施設の充実強化

第4 被爆者実態調査の実施

   原爆被爆者の実態は、昭和50年に行なわれる国勢調査に併せて実施し、被爆者に対する根本的な対策を講じていただきたい。

第5 被爆者の子および孫に対する調査研究の促進[説明略]

第6 その他

  1 放射能医学研究機関の拡充

    広島大学原爆放射能医学研究所における研究事業は、ますます多様化・多量化しているので、ビデオファイリングシステムの導入など設備の拡充強化及び事業費の増額を図っていただきたい。長崎大学医学部の原爆後障害研究施設を研究所に昇格させるとともに、研究部門を増設し、かつ資料センターの機能の充実強化を図っていただきたい。

  6 原子爆弾傷害調査委員会(ABCC)の主体性の確立[説明略]

  2 国立原水爆被災資料センターの設置

    原水爆被災資料の散逸を未然に防ぐとともに、その資料の収集・保存と調査研究を行うための機関として、日本学術会議が多年にわたり要望している国立原水爆被災資料センターを設置していただきたい。

昭和50年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者援護措置の拡充強化

第2 被爆者健康診断の充実強化

第3 被爆者の医療・福祉施設の充実強化

第4 被爆影響に関する調査研究の促進

  1 被爆影響に関する調査研究の促進[説明略]

  2 被災全体像調査の促進

    原爆被爆の復元調査は、被爆による死没者等のは握するための調査として緊急かつ重要なことであるので、被災全体像調査を一層促進していただきたい。

第7 その他

  1 放射能医学研究機関の充実

    長崎大学医学部の原爆後障害研究施設を研究所に昇格させるとともに、研究部門を増設し、かつ資料センターに電算機を設置する等機能の充実強化を図っていただきたい。広島大学原爆放射能医学研究所における研究事業は、ますます多様化・多量化しているので、ビデオファイリングシステムの導入等研究事業費の増額を図っていただきたい。

  4 国立原水爆被災資料センターの設置[説明略]

昭和51年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者援護措置の拡充強化

  1 被爆者年金制度の創設

第2 被爆者健康診断の充実強化

第3 被爆者の医療・福祉施設の充実強化

第4 被爆影響に関する調査研究の促進

  1 被爆者とその子及び孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射能医学研究機関の充実

    長崎大学医学部の原爆後障害研究施設を研究所に昇格させるとともに、研究部門を増設し、かつ資料センターに電算機を設置する等、機能の充実強化を図っていただきたい。広島大学原爆放射能医学研究所における被爆影響の研究に必要な自動染色体分析装置の導入等、研究事業費の増額を図っていただきたい。

  3 被災調査の促進

    原爆被爆による死没者等の実態をは握するための調査は、緊急かつ、重要なことであるので、被災調査の実施を促進していただきたい。

第5 その他

昭和52年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者年金制度の創設

第2 被爆者援護措置の拡充強化

第3 被爆者健康診断の充実強化

第4 被爆者の医療・福祉施設の充実強化

第5 被爆影響に関する調査研究の促進

  1 被爆者とその子及び孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射能医学研究機関の充実

    長崎大学医学部の原爆後障害研究施設を研究所に昇格させるとともに、研究部門を増設していただきたい。広島大学原爆放射能医学研究所及び長崎大学原爆後障害研究施設の設備の充実、研究費の増額を図っていただきたい。

  3 被災調査の促進[説明略]

第5 その他

昭和53年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 被爆者健康診断・医療の充実強化

第4 被爆者援護措置の拡充強化

第5 被爆者の医療・福祉施設の充実強化

第6 被爆影響に関する調査研究の促進

  1 被爆者とその子及び孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実[説明略]

  3 被災調査の促進[説明略]

昭和54年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 被爆者健康診断・医療の充実強化

第4 被爆者援護措置の拡充強化

第5 被爆者の医療・福祉施設の充実強化

第6 被爆影響に関する調査研究の促進

  1 被爆者とその子及び孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射能医学研究機関の充実

   1.長崎大学医学部の原爆後障害研究施設を研究所に昇格させるとともに、研究部門を増設していただきたい。

   2.広島大学原爆放射能医学研究所及び長崎大学原爆後障害研究施設の設備の充実、研究費の増額を図っていただきたい。

  3 被災調査の促進[説明略]

昭和55年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度の創設

第2 被爆者健康診断・医療の充実強化

第3 被爆者援護措置の拡充強化

第4 原子爆弾被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第5 被爆影響に関する調査研究の促進

  1 被爆者とその子及び孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実

   1.放射線影響研究所の研究成果を、被爆者の健康管理と治療に役立てるため、広島・長崎の両研究施設を市内の適地へ移転することを促進していただきたい。

   2.広島大学原爆放射能医学研究所及び長崎大学原爆後障害研究施設の設備の充実、研究費の増額を図っていただきたい。

  3 被災調査の促進[説明略]

昭和56年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 被爆者健康診断・医療の充実強化

第4 被爆者援護措置の拡充強化

第5 原子爆弾被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第6 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の推進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進

    原爆放射線の身体的影響及び遺伝的影響については、いまだ学問的に究明されていないため、被爆者のみならず、その子・孫の中には健康について常に不安をいだいている者が多いので、原爆後障害についての調査研究機関の充実強化と調査研究の促進について、特別の措置を講じていただきたい。

  2 放射線医学研究機関の充実

   1.放射線影響研究所の研究成果を、被爆者の健康管理と治療に役立てるため、広島・長崎の両研究施設の研究設備の充実・研究費の増額を図っていただきたい。また、広島の研究施設を市内の適地へ移転することを促進していただきたい。

   2.長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設を研究所に昇格させるとともに、研究部門を増設していただきたい。

   3.広島大学原爆放射能医学研究所及び長崎大学医学部附属原爆後障害研究施設の設備の充実・研究費の増額を図っていただきたい。

  3 被災調査の促進[説明略」

  4 被爆の実態に関する啓蒙活動の推進

    原爆被害の実態については、いまだ国民に十分な認識が得られず、また、36年の経過の中で忘れ去られようとしている現況にかんがみ、国も被爆影響に関する調査研究の結果及び被爆の実相について、広く国民の認識を深め、理解が得られるよう努力していただきたい。

昭和57年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 被爆者健康診断・医療の充実強化

第4 被爆者援護措置の拡充強化

第5 原子爆弾被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第6 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の推進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実[説明略]

  3 被災調査の促進[説明略]

  4 被爆の実態に関する啓蒙活動の推進[説明略]

昭和58年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者援護措置の拡充強化

第6 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実[説明略]

  3 被災調査の促進

    原爆被爆による死没者等の実態をは握するための調査は、緊急かつ重要なことであるので、被災調査の実施を促進するよう措置を講ずるとともに、当該事業に対する助成額の増額を図っていただきたい。また、昭和60年国勢調査に当り、その付帯調査として、被爆者及び原爆死没者とその遺族に関する調査を実施していただきたい。

  4 被爆の実態に関する啓蒙活動の推進[説明略]

昭和59年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者援護措置の拡充強化

第6 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実[説明略]

  3 被災調査の促進

    原爆被爆による死没者等の実態をは握するための調査は、緊急かつ重要なことであるので、被災調査の実施を促進するよう措置を講ずるとともに、当該事業に対する助成額の増額を図っていただきたい。また、昭和60年国勢調査にあわせて、被爆者及び原爆死没者とその遺族に関する調査を実施していただきたい。

  4 被爆の実態に関する啓蒙活動の推進[説明略]

昭和60年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者援護措置の拡充強化

第6 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実[説明略]

  3 被災調査の促進

    原爆被爆の実態をは握するための調査は、緊急かつ重要なことであるので、国の責任において、被爆者及び原爆死没者とその遺族に関する調査の実施を促進するよう措置を講じていただきたい。

  4 被爆の実態に関する啓蒙活動の推進[説明略]

昭和61年 原子爆弾被爆者特別措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者援護措置の拡充強化

第6 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実[説明略]

  3 被災調査の促進[説明略]

  4 被爆の実態に関する啓蒙活動の推進[説明略]

昭和62年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者援護措置の拡充強化

第6 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進[説明略]

  2 放射線医学研究機関の充実[説明略]

  3 被災調査の促進[説明略]

  4 被爆の実態に関する啓蒙活動の推進[説明略]

昭和63年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

  1 被爆者年金の支給

  2 遺族弔慰金・年金の支給

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

  1 諸手当の所得制限の撤廃

  2 諸手当の大幅増額

  3 諸手当の適用範囲の拡大

  4 医療特別手当等の収入認定の適用除外

  5 原爆小頭症患者の終身保障制度の確立

第3 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

  1 健康診断内容等の充実

  2 被爆者健康管理施設の充実

  3 医療費自己負担の解消

第5 在宅被爆者援護対策の拡充強化

  1 要介護被爆者対策の充実

  2 被爆者相談事業の充実

  3 被爆者家庭奉仕員派遣事業の充実

第6 被爆者援護措置の拡充強化

  1 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

  2 法外援護事業の制度化

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進

  2 放射線医学研究機関の充実

  3 被災調査の促進

  4 被爆の実態に関する啓発活動の推進

平成元年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

  1 被爆者年金の支給

  2 遺族弔慰金・年金の支給

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

  1 諸手当の所得制限の撤廃

  2 諸手当の大幅増額

  3 諸手当の適用範囲の拡大

  4 医療特別手当等の収入認定の適用除外

  5 原爆小頭症患者の終身保障制度の確立

  6 法外援護事業の制度化

第3 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

  1 健康診断内容等の充実

  2 医療費自己負担の解消

第5 在宅被爆者援護対策の拡充強化

  1 要介護被爆者対策の充実

  2 被爆者相談事業の充実

  3 被爆者家庭奉仕員派遣事業の充実

第6 被爆者関係施設の整備充実

  1 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

  2 被爆者健康管理施設の充実

  3 原爆養護ホームの建設

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進

  2 放射線医学研究機関の充実

  3 被災調査の促進

  4 被爆の実態に関する啓発活動の推進

平成2年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者年金制度等の創設

  1 被爆者年金の支給

  2 遺族弔慰金・年金の支給等

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

  1 保健手当の支給対象の拡大

  2 諸手当の所得制限の撤廃

  3 健康管理手当の認定期間の上限の撤廃

  4 介護手当の改善

  5 医療特別手当等の収入認定の適用除外

  6 原爆小頭症患者の終身保障制度の確立

  7 法外援護事業の制度化

第3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

  1 短期保護、デイ・サービス制度の創設等

  2 被爆者相談事業の充実

  3 被爆者家庭奉仕員派遣事業の充実

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

  1 健康診断内容等の充実

  2 医療費自己負担の解消

第5 被爆者関係施設の整備充実

  1 被爆者関係施設の法制化及び助成措置の確立

  2 被爆者健康管理施設の充実

  3 原爆養護ホームの建設

第6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

  1 被爆者とその子・孫に関する調査研究の促進

  2 放射線医学研究機関の充実

  3 被災調査の促進

  4 被爆の実態に関する啓発活動の推進

第1 被爆者年金制度等の創設

  1 被爆者年金の支給

  2 遺族弔慰金の支給等

原爆死没者に対する弔意表明として、遺族弔慰金の支給等必要な措置を講じていただきたい。

平成3年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者関係施設の整備充実

第6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

第8 放射線被曝者医療国際協力の推進

第1 被爆者年金制度等の創設

  1 被爆者年金の支給

  2 弔慰事業の充実

原爆死没者に対する弔意表明に関する事業の充実について、必要な措置を講じていただきたい。

平成4年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者関係施設の整備充実

第6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

第8 放射線被曝(爆)者医療国際協力の推進

第1 被爆者年金制度等の創設

  1 被爆者年金の支給

  2 弔慰事業の充実

原爆死没者に対する弔意事業の充実として、原爆死没者慰霊等施設の建設などを促進していただくとともに、遺族弔慰金等必要な措置を講じていただきたい。

平成5年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者年金制度等の創設

第2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

第4 被爆者健康診断・医療の充実強化

第5 被爆者関係施設の整備充実

第6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第7 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

第8 放射線被曝(爆)者医療国際協力の推進

平成6年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 被爆者年金制度等の創設

第2 被爆50周年記念事業の実施

第3 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

第4 在宅被爆者援護対策の拡充強化

第5 被爆者健康診断・医療の充実強化

第6 被爆者関係施設の整備充実

第7 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第8 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

第9 放射線被曝(爆)者医療国際協力の推進

第1 被爆者年金制度等の創設

原子爆弾による被害は、人類の想像を絶したものであり、一般の戦災による被害と比べ際立った特殊性をもつものであることを十分認識していただき、国家補償の見地に立って次の措置を講じられるよう特に要望します。

  1 被爆者年金の支給

被爆者に対する年金の支給について必要な措置を講じていただきたい。

  2 弔意事業の充実

原爆死没者に対する弔意事業の充実として、原爆死没者慰霊等施設の建設などを促進していただくとともに、遺族弔慰金の支給等必要な措置を講じていただきたい。

平成7年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 弔意事業の充実強化

第2 保健医療福祉事業の充実

  1 被爆者実態調査の反映

  2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

  3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

  4 被爆者健康診断内容等の充実強化

  5 被爆者関係施設の整備充実

  6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第3 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

第4 放射線被曝(爆)者医療国際協力の推進

第1 弔意事業の充実強化

原子爆弾による被害は、人類の想像を絶したものであり、一般の戦災による被害と比べ際立った特殊性をもつものであることを十分認識し、原爆死没者追悼平和祈念館の建設を促進するなど、原爆死没者に対する弔意事業を一層充実強化していただきたい。

平成8年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 弔意事業の充実強化

第2 保健医療福祉事業の充実

  1 被爆者実態調査の反映

  2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

  3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

  4 被爆者健康診断内容等の充実強化

  5 被爆者関係施設の整備充実

  6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

第3 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

第4 放射線被曝(爆)者医療国際協力の推進

第1 弔意事業の充実強化

原子爆弾による被害は、人類の想像を絶したものであり、一般の戦災による被害と比べ際立った特殊性をもつものであることを十分認識し、原爆死没者追悼平和祈念館の整備に当たっては、施設の内容及び運営の充実列びに関係資料の整備に努めるなど、原爆死没者に対する弔意事業を一層充実強化していただきたい。

平成9年 原子爆弾被爆者援護措置に関する陳情書

 広島・長崎両市が、原子爆弾により人類史上未曾有の大惨禍を被ってから52年が経過しました。

 昭和32年の「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」の制定に始まり、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」が施行されている現在まで、被爆者に対する保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護対策が充実されてきたことは、ひとえに各位の御尽力のたまものと深く謝意を表するものであります。

 しかしながら、被爆者及び遺家族は、原子爆弾の特異性により、長年にわたり社会的・医学的・精神的後遺症に苦しみながら、今後も終生悩み続けなければならない実情にあります。

 また、被爆者の高齢化が一段と進み、ひとり暮らしや寝たきり等要介護者が年々増加しているなかで、生存被爆者対策はもとより、死没者に対する弔意事業の推進についても、強く望まれているところであります。

 さらに、これらの状況を踏まえ、衆議院厚生委員会においては付帯決議もなされているところであります。

 ついては、国の責任において、被爆者及び遺家族の実態に即した援護対策を、より一層充実していただくよう要望します。

平成9年7月

広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会

広島県知事 藤田雄山

広島県議会議長 檜山俊宏

長崎県知事 高田 勇

長崎県議会議長 村山一正

広島市長 平岡 敬

広島市議会議長 今田 智

長崎市長 伊藤一長

長崎市議会議長 奥村修計

平成9年 原子爆弾被爆者援護措置陳情事項

第1 弔意事業の充実強化

第2 保健医療福祉事業の充実

  1 被爆者実態調査の反映

  2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

  3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

  4 被爆者健康診断内容等の充実強化

  5 被爆者関係施設の整備充実

  6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

  7 介護保険制度の実施に伴う配慮

第3 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

第4 放射線被曝(爆)者医療国際協力の推進

第1 弔意事業の充実強化

原子爆弾による被害は、人類の想像を絶したものであり、一般の戦災による被害と比べ際立った特殊性をもつものであることを十分認識し、原爆死没者追悼平和祈念館の整備に当たっては、施設の内容及び運営の充実列びに関係資料の整備に努めるなど、原爆死没者に対する弔意事業を一層充実強化していただきたい。

第2 保健医療福祉事業の充実

保健医療福祉事業については、逐次その充実が図られ、平成7年7月の「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の施行により、総合的な援護対策が推進されているところであるが、なお次の事項について特段の配慮をお願いしたい。

  1 被爆者実態調査の反映

平成7年度実施された被爆者実態調査の速やかな分析に努めるとともに、調査結果に基づき生活実態に即した細かな援護対策を、今後講じていただきたい。

  2 被爆者に対する諸手当支給制度の拡充強化

被爆者が原子爆弾の特異性により、社会的・医学的・精神的に特別な状態におかれている実情にかんがみ、家族介護手当等諸手当の充実及び原爆小頭症患者の終身保障について特段の配慮をするとともに、広島・長崎の各県市が独自に実施している各種援護事業についても助成措置を講じていただきたい。

  3 在宅被爆者援護対策の拡充強化

高齢化が一段と進み、ひとり暮らしや寝たきりなど、日常生活に介護を要する被爆者が増加している実情を踏まえ、老人福祉施設のショートステイ、デイサービス利用及び老人保健施設入所にかかる助成措置を講じていただきたい。

  4 被爆者健康診断内容等の充実強化

被爆者は、被爆の影響により成人病の発生率が高く、また、高齢化が進んでいるので、健康診断の内容を更に充実するとともに、健康診断費の改善を図っていただきたい。

  5 被爆者関係施設の整備充実

被爆者の医療・養護等を進めていくうえで重要な原爆病院、原爆養護ホーム等の被爆者関係施設は、その特殊性から人的・物的負担が多く、経営に困難を来しているので、運営費を充実するとともに、施設建設に当たっては、より一層の助成措置を講じていただきたい。

  6 老人被爆者医療費の地方負担の解消

被爆者医療については、原爆被爆による健康上の障害の特異性と重大性にかんがみ、老人保健法による地方公共団体の負担が解消されるよう、同法施行前の実績を踏まえ、制度上、財政上、適切かつ十分な措置を将来にわたって講じていただきたい。

  7 介護保険制度の実施に伴う配慮

介護保険制度の導入実施に当たり、原爆被爆者に対しては、同制度による給付のほか、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」に基づくこれまでの施策を継続し、新たな負担が生じないよう措置を講じていただきたい。

また、被爆者を多く抱える広島・長崎両県市に対しては、保険者の財政負担が過度にならないよう特に配慮をお願いしたい。

第3 被爆実態に関する調査研究及び啓蒙活動の促進

原爆被爆による人的被害等の実態を把握するための被災調査の促進並びに被爆者とその子・孫に対する原爆放射線の身体的影響及び遺伝的影響についての調査研究の促進を図っていただきたい。

また、放射線影響研究所、広島大学原爆放射能医学研究所、長崎大学医学部付属原爆後障害医療研究施設の整備充実及び研究の振興を図るとともに、その研究成果を被爆者の健康管理と医療に一層活用されるよう、引き続き、お願いいたしたい。

第4 放射線被曝(爆)者医療国際協力の推進

広島・長崎が、長年積み重ねた被爆者検診・治療の実績及び放射線障害に関する調査研究の成果を生かし、世界の放射線被曝(爆)者医療への貢献と、国際協力の推進に資するために行う各種事業等に対し、引き続き助成措置を講じていただきたい。

また、国においても、引き続きこうした国際協力事業を積極的に推進し、広島・長崎が実施する事業との連携を図っていただきたい。

八者協陳情書の第1項目の変遷

昭和42年 医療制度の充実強化

昭和44年 被爆者健康管理及び医療制度の充実

昭和45年 原子爆弾被爆者対策審議会の設置

昭和46年 原子爆弾被爆者対策審議会の設置

昭和47年 被爆者援護措置の実施

昭和48年 被爆者援護措置の拡充強化

昭和49年 被爆者援護措置の拡充強化

昭和50年 被爆者援護措置の拡充強化

昭和51年 被爆者援護措置の拡充強化

昭和52年 被爆者年金制度の創設

昭和53年 被爆者及びその遺族の年金制度の創設

昭和54年 被爆者及びその遺族の年金制度の創設

昭和55年 被爆者及びその遺族の年金制度の創設

昭和56年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和57年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和58年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和59年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和60年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和61年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和62年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和63年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

昭和63年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

平成元年 被爆者及びその遺族の年金制度等の創設

平成2年 被爆者年金制度等の創設

平成3年 被爆者年金制度等の創設

平成4年 被爆者年金制度等の創設

平成5年 被爆者年金制度等の創設

平成6年 被爆者年金制度等の創設

平成7年 弔意事業の充実強化

平成8年 弔意事業の充実強化

平成9年 弔意事業の充実強化

 

『本土作戦記録・第二総軍』(第一復員局、1946.10)[抄]

『本土作戦記録・第二総軍』(第一復員局、1946.10)[抄][防衛庁防衛研究所蔵]

第12章 原子爆弾被爆及終戦の経緯

第1節 原子爆弾の被爆

7月下旬より8月初頭に互り総軍は前述せる新情勢判断の下作戦計画の修正、総軍決戦綱領の策定、之に伴ふ大本営との連絡も終了し、8月9日より両方面軍司令官を広島に会同し以て作戦準備並実施に関する最後の会同を実施すべく、之が準備中の所8月6日午前8時10分頃真に突如原子爆弾の攻撃を受けたり。被弾直後の印象は高々度より司令部に対し爆弾及焼夷弾の集中爆撃を受けたりと思考せるも、時間の経過と共に被害逐次判明、午前10時頃予て準備中の戦闘指揮所に移転するに及び炎々たる猛火に包もれたる全市街の被爆の様相を望見し、茲に特殊爆弾に非ずやとの疑問を懐き直ちに大本営に対し右所見を付して状況を報告せり。

本攻撃に依り全市街及軍管区司令部以下軍隊も殆んど一挙に大打撃を受けたるも総軍司令部のみは比較的損害軽微(司令部の戦死80数名入院多数)なりしを以て、直ちに船舶司令部及地方総監府以下の地方機関と連絡、8月7日総軍司令官は独断広島近郊の総軍隷指揮下外部隊及地方側機関を指揮し戦災者の救護、戦災地の整理復旧並広島周辺の治安等に関し一時指揮すべき命令を下達(実行動は6日直ちに採れり)し、船舶司令官をして之が実行を担任せしめたり。

広島の状況は真に言語に絶し死者8万を超え爆心地付近は一木一草を留めず屍死累々として目を蔽ふの惨状を呈せり。

第2節 終戦の経緯

総軍は原子爆弾の被爆が帝国戦争指導を左右すべき因子なりとは思考せず且又原子爆弾に対しては対策宜しきを得ば之を克服し得べしとの印象と強き敵愾心に依り、幸に微傷だにせざりし総軍司令官の下、小数の残存幕僚を以て鋭意司令部の恢復に努めつつ、方面軍司令官会同準備を続行せり。

然るにも12日頃大本営より「帝国政府は連合国に対し和平交渉中」との主旨の電報に接せり。次て13日畑元帥に至急上京の招電あり。元帥は15日帰任し、陛下の和平に対する鞏固なる団結と至厳なる軍紀を確保して大御心に副ひ奉らんことを期すべしとの主旨を伝達し、直ちに両方面軍参謀長を招致して此の主旨の徹底方を命令せり。

斯くて8月15日正午遂に終戦の大詔を拝し茲に総軍の作戦は終結せり。

第一復員省大屋中佐の原爆被害報告(1945年12月10日)

第一復員省大屋中佐の原爆被害報告

1945年12月10日 米国戦略爆撃調査団資料

戦略爆撃調査団「レフコ」中尉ニ対スル回答

昭和20年12月10日 第一復員省 大屋中佐

但シ本回答ハ小官ノ記憶及関係方面ニ連絡シ調査セルモノニシテ数字及専門事項ニ関シテハ正確ヲ保シ難キモノアリ

其ノ1.原子爆弾ノ影響

原子爆弾8月6日始メテ広島市ニ対シ使用セラレタル影響ハ当時ニ於ケル日本ノ状況及直後ニ於ケル「ソ」連邦等ノ参戦等ニ関連シ日本ノ戦争指導ニ重大ナル影響ヲ与ヘタルコトハ否定シ得サルヘシ

其ノ主ナルモノ左ノ如シ

1.終戦ニ及ホセル影響

累次ニ亘ル焼夷攻撃及爆撃ニ依リ本土主要都市及周辺軍事工場ハ灰燼ニ帰シ軍需工場及重要諸施設ノ地下転移ノ遅延ト交通遮断等ノ障碍ハ逐次軍需生産力ノ衰退ヲ来シ戦争ノ継続ニ大ナル支障ヲ来シタルハ事実ニシテ之カ対策ハ着々進捗シ本土決戦ヲ準備中ナリシ総合国力及戦力ノ減退ハ対米決戦ヲ逐次困難ナラシメ一部ニハ終戦ハ時間ノ問題ナリトノ感ヲ持ツモノモアルニ至レリ

此時ニ於ケル原子爆弾ノ現出ハ一般軍隊ニ対シテハ比較的影響少ナク却ツテ敵愾心ヲ昂揚シタルモ国民一般ニ多大ノ恐怖心ヲ与フルト共ニ戦争指導首脳者ノ一部ニ対シテハ「ソ」連ノ参戦ニ関連シ継戦ヲ絶望的ナラシムルニ画期的影響ヲ与ヘタルモノアリ

2.原子爆弾ノ威力ニ関スル反響

原子爆弾ノ威力(広島市及長崎市ノ損害別紙記述ノ如シ)ハ十分認識シタルモ現地ニ於ケル当時ノ所感ハ其ノ損害ヲ軽減シ得ルモノニシテ絶対致命的ノモノニアラスト結論セリ

然レドモ広島ニ於ケル一発ノ原子爆弾ノ威力カ上下ヲ通ジ国民ニ与ヘタル精神上ノ打撃ノ大ナリシハ否ムヘカラズ

註.広島ニ於ケル当時ノ状況ヲ回想スルニ8月6日午前7時乃至7時30分頃広島市東方ヲ旋回中ナリシB29 2~3機ニ対シ発令中ナリシ警戒(空襲)警報ハ8時前後解除 セラレ市民ハ所謂「ホッ」トシタル気分ニテ朝ノ始末、出勤、登校等ノ途ニアリ タルモノニシテ本爆撃ハ全ク奇襲ヲ受ク是カ為家外ニアリタルモノハ勿論屋内ニ アリシ者モ爆風、火傷及家屋倒壊ノタメ大小トナク重軽傷シ比較的軽傷、活動力 アルモノモ重傷者等ノ救助ニ尚及ハズ 折カラ発生セル火災ヲ消スノ努力ヲナサザルハ勿論避難モ困難ナルノ状況ニシテ全市灰燼ニ帰シタルモノナリ 最適例ハ (数字ニ若干ノ誤アルヘシ)当時歩兵第一補充隊ハ(兵営ハ全壊全焼)約3,000人 ノ兵員ヲ有シタルモ8月8日ノ調査ニ依リ判明セルハ兵営ニアル生存者約800名内活 動力アルモノ200名ニ足ラスシテ他ハ行方不明トノ報告アリシ如ク記憶シアリ 以 テ一般ノ状況ヲ推シ得ヘシ

即チ広島ニ於ケル被害状況ヲ見ルニ爆心ヨリ1~2粁ノ地域ニ於ケル家屋ハ全壊、全焼、約4粁付近迄ハ中、小破ノ打撃ヲ受ケ中心点付近ノ路上電車ハ脱線、方向ヲ転換、鉄柱ハ倒レ1~2粁以内ニ於テ屋外ニ在リシモノハ着衣全焼、全身火傷ニテ死亡、500米以内ニ於テハ内臓ノ露出セルモノアリ 又5粁付近迄ハ硝子ノ破片等ニ依ル損傷若干アリシ等被害ノ程度甚大ナリシモ一方市内ニ於テモ鉄筋「コンクリート」ハ(焼失シアリ)ハ比較的破壊度少ク普通程度ノ防空壕ニモ完全ニ形ヲ止ムルモノアリ

地下「ケーブル」、水道ハ損害ナク爆心ヨリ約3粁離隔セル飛行場ニ於テハ暴露セル小型機ノ中央座席付近ヨリ折損、風防硝子ヨリ引火焼失セル外掩体内ニアリシハ損害比較的軽微ニシテ又白夜ノ部分ハ火傷軽易ニシテ白色ノ光線ヲ反射スル等判明セルヲ以テ広島ノ如キ奇襲ヲ受ケタルコトニ対シテハ所謂奇襲兵器トシテ精神的動揺ヲ来シタルコトハ事実ナルモ又一面対応準備十分ナレハ敢テ対抗不可能ナラスト決論セラレタリ

3.当時考慮セル主要対策次ノ如シ

1.警戒警報中ト雖モ敵機ノ近接ヲ知ラバ掩蓋ヲ有スル屋外防空壕ニ待避ス 2.防空壕ニ入リ得サルモノハ遮蔽下ニ姿勢ヲ低クシ閃光後急速ニ脱出ス 3.露出部少キ服装トシ厚着ヲシ出来得ル限リ白色ノ下着ヲ使用ス 4.火傷薬ヲ必ス携行ス 5.「ガラス」窓ハ負傷ノ原因トナルヲ以テ直ニ撤去シ日本家屋ハ半地下式ノ壕舎ニ改築スヘシ 6.防空壕ハ爆風除ケヲ付スヘシ 7.消火器其置場ハ家屋倒壊ノ危険少キ屋外ニ格納ス 8.燃料弾薬ハ一般防護ノ程度ニシテ特ニ考慮ノ要ナシ 9.飛行機ハ有蓋掩体(補強セルモノ)若クハ地下ニ格納ス 10.高射砲其他ノ対空部隊用掩体ハ努メテ之ヲ高クシ偽装用材料ヲ以テ遮蔽シ得ル如クス 11.其他一般防護対策ニ同シ

4.中央ヨリ現地軍宛通牒セル原子爆弾ニ依ル患者ノ治療法ノ参考

1.治療法  イ.安静  ロ.自家輸血ノ筋肉内注射  ハ.生理食塩水又ハ5%葡萄糖液ノ皮下注射  ニ.「クロール、カルシウム」ノ静脈内注射  ホ.「ビタミン」「B1」及「C」ノ大量投与 2.爆心ヨリ半径2粁以内者(為シ得レハ4粁以内ノモノ)ハ健康診断(特ニ白血球数、赤血球沈降速度)ノ要アリ  白血球3000以下、赤沈50粍以上ヲ患者トシテ取扱ヒ、白血球3~5000、赤沈30粍程度ノ者ヲ要注意者トシテ安静ヲ必要トス

其ノ2.広島ニ関シテ

1.被害状況

明年1月中旬頃被害地域図完成(松本ニ於テ印刷中)予定ナルモ概要別紙要図ノ如シ

2.在広島陸軍部隊及其ノ状況

広島市付近5万分ノ1地図ナキニ付記入提出不可能ナルモ概要別紙要図ノ如ク又在広島陸軍部隊ノ数左ノ如シ

第二総軍司令部 370
中国軍管区司令部 688
歩兵第一補充隊 3346
砲兵補充隊 400
工兵補充隊 461
通信補充隊 243
輜重兵補充隊 627
広島地区鉄道司令部 267
独立鉄道第二大隊 1541
船舶司令部 15000
広島支部 80
船舶砲兵司令部 1135
其他 若干
約 244158

註.1.広島ニハ宇品ヲ含ミアリ   2.船舶司令部ノ人員ハ当時広島ニアリタリト推定セラルノ人員ナリ   3.其他2~3中隊ノ野戦勤務部隊駐屯シアリシカ如モ詳ナラス

3.陸軍関係被害

1.小官ノ記憶ニヨル陸軍関係ノ損害 中国軍管区司令部・歩兵第一補充隊・砲兵補充隊・工兵補充隊・輜重兵補充隊・ 広島第一陸軍病院・広島第二陸軍病院・広島連隊区司令部   庁舎全壊全焼   但中国軍管区司令部ハ防空作戦室(鉄筋コンクリート)ノミ健在又陸軍病院第一及第二共ニ職員約80%患者(第一約500第二約650)ハ殆ント全滅ス 第二総軍司令部   本庁舎ノミ半壊全焼 爾他ハ全壊全焼ス 宇品船舶司令部・広島補給廠   建物ニ若干ノ被害アリシ他異状ナシ 2.陸軍関係死傷者統計

死亡者 6082
傷者 3353
行方不明 687
10122

3.船舶関係   一部家屋ノ破壊セルモノアルモ被害僅少ナリ

4.広島市一般人民ノ損害左表ノ如シ(終戦直後)

63,614
64,670
128,284
全焼 55,005
全壊 6,820
61,825
罹災者 193,719

備考.本表ハ防空総本部ノ資料ニ依ル、広島市ハ他ノ爆撃ハ殆ント無キヲ以テ原   子爆弾ノミニ依ルモノト見ルヲ得ヘシ

5.宇品ニ関シテ

陸軍ハ宇品ニ於テハ陸軍船艇ノ修理及艤装ヲ主トシ一部上陸用小艇ヲ製作ス

其ノ3.長崎ニ関シテ

1.当時ニ於ケル在長崎部隊左ノ如シ

独立混成第122旅団 6291
高射砲134連隊 約2700
其他 若干
8991

註.長崎ニ於テハ独立混成122旅団ノ市内ニアリタルハ其ノ一部ト推定セラルルモ詳細ナル駐屯人員ハ不明ナリ

2.被害ノ状況

1.原子爆弾ニ依ル被害状況別紙要図ノ如シ 2.戦災様相  市ノ大部ハ一瞬ニ破壊セラレ市ノ全人口ノ5%ハ死傷シ全市家屋ノ40%ヲ焼失セリ  細部ノ状況左ノ如シ   但シ広島ニ比シ損害ハ比較的僅少ナリシハ爆心ノ都心ヨリ4粁余離隔セルト都心部ト投下点ノ間ニ比高約200米ノ山地存在セシニ依リタルモノト判断セラル

種類 人員 家屋火災 家屋ノ破壊
死亡 負傷 行方不明 全焼 半焼 全壊 半焼 損傷
原子爆弾 23,753 23,345 1,927 11,494 150 2,653 5,921 残リ全部
一般爆弾 364 600 43 59 1 288 223
船舶ノ被害 沈没 大破
6隻 3隻

而シテ主要罹災地域タル浦上川沿線ハ住宅完全ニ粉砕セラレ其ノ形骸ヲ止メス  造船其他重要建築物ハ全壊シ鉄骨ノミ残存シアリ  長崎駅西南都心部ハ離隔度ノ大ナニ従ヒ損傷小ナリト雖完全ナル居住施設ハ殆ント皆無ノ状況ナリ 3.長崎港防衛火砲ノ旧式ナル理由  長崎ノ防空兵力ハ弱勢ニシテ更ニ強化ノ必要ヲ認メタルモ長崎地区ハ日本全国的ニ見ル時他ニ比シ生産工場地帯乃至ハ港湾トシテ次等ニ位シ当時日本軍ノ兵力トシテヨリ以上ノモノヲ配置シ得ザリシモノナリ

其ノ4.俘虜ニ関スル事項

広島、長崎共ニ目下主任者出張中ノタメ判明セズ

其ノ5.水上特攻撃艇ノ配置ニ就テ

陸軍水上特攻艇隊ハ各方面軍ニ配属セラレアリシ関係上現在中央ニ於テ資料ナシ

従ツテ又残島(ノコノシマ)ノ配備ニ関シテモ現地軍(福岡ニ在リシ西部軍管区)ニ就テ調査セサレバ判明セス