沖縄県原子爆弾被害者連盟結成総会
1964年7月12日
宣言決議
きょうここに集った私たちは、19年前の8月6日、9日、広島、長崎においてあのおそろしい原子爆弾によって被害を受けた者です。
私たちは九死に一生を得て生きのこったもののその中には原爆症ではないかと思われる病気で死亡しだ人、あの時の傷痕がまだのこっている人、現在原爆症ではないかと思われる病気でねている人、更に今健康状態は良好であるが、将来放射能害が出てきはしないかと気にかかり毎日不安な生活を送っている人さまざまであります。私たちはこれまでこのような十字架を背負いながらそれを訴えるすべや解決の道を知らず19年間も悩みつづけて参りました。幸いこのたび沖縄原水協の誠意ある御努力によって沖縄在住被爆者の調査がなされ琉球政府、本土政府への救援方が要請されました。その結果本土政府も沖縄の被爆者問題について誠意をもって解決していただくという明るい見通しがつきました。
私たち被爆者にとってこれにまさる喜びはありません。思えばあの時のおそろしさ、そして19年間の不安と悩みそれはその当事者でなくてはわからぬものがありました。それにしても琉球政府本土政府のこれまでのこの問題に対する無関心さと、不誠意、私たちの力の足りなかったことがくやまれてなりません。
私たちはここに沖縄原子爆弾被害者進盟を結成するにあたり私たちの問題が、1日も早く解決されまたもう二度とあのような惨禍によって私たちのような人々が出ないよう原水爆禁止による世界の平和確立のために積極的な運動をおこすよう宣言し次のことを決議します。
1、沖縄在住の被爆者に本土の「原爆医療法」を適用させよう。
1、沖縄独自の原爆医療法を立法させよう。
1、米国政府に対し施政権者の立場から自ら投下した原爆による被害者の医療に積極的施策をこうじさせよう。
1、人類に私たちの苦難と犠牲をくり返させないため原水爆を全面禁止する国際協定を結ばせよう。
1964年7月12日
沖縄県原子爆弾被害者連盟結成総会
1965年運動基本方針
一、原水爆禁止運動
1、全面核停、核武装反対、軍備全廃促進のための諸運動
2、被害体験の訴え、体験記の募集。
3、研究会、学習を盛んにする。
二、原爆医療法の獲得運動
1、原爆医療法の沖縄適用のための強力な運動
2、琉球政府、民政府による医療措置運動
3、日本被団協と提携して生活援護法のかくとく
4、友好団体との協力
組織
1、役員
理事長 金城秀一
役員 丸氏つる、真喜志津留子、岸本久三、与みね、赤嶺高三、大域和恵、仲間呂美夫、吉本毅、久高政英
出典:原水爆禁止沖縄県協議会『基地沖縄の全貌』(1966年12月)