原水爆禁止広島母の会

原水爆禁止広島母の会 1959年9月1日第1回準備会

第5回世界大会に参加した婦人たちの中には,大会の中で明らかにされた安保条約改定の危険性に触発され,日常的な学習や活動を通じて大会の決議やアピールを実践する恒常組織をつくろうという気運が生まれた。1959(昭和34)年9月1日に広島市平和記念館で開かれた国際一斉行動広島中央集会を機に第1回準備会を持ったが,この時は労組の婦人部代表も参加しており,組織の上でむずかしい論議が出てまとまらなかった。その後,数度の会合の結果,個々の婦人の自発的組織として原水爆禁止母の会が発足した。
母の会は,1960(昭和35)年6月2日,広島県母親連絡協議会など七つの婦人団体とともに,広島県・市当局および県・市議会に安保批准阻止・国会解散を要求した声明書を提出するとともに,広島市内でビラを配布した。また,同年8月8日には,広島地区働く婦人連絡協議会・広島子供を守る会などとともに広島市ではじめての母親大会を開催した。「生命を生みだす母親は生命を育て生命を守ることをのぞみます」との横断幕を掲げた会場(国鉄職員会館)には,150人が参加,(1)子どもと教育,(2)暮らしについて,(3)平和問題,(4)地域婦人と働く婦人の結びつき,の4分科会に分れて討論を行った(「中国新聞」1960年8月8日)。
1961(昭和36)年6月14日の平和行進の広島出発にあたっては,「しろがねもこがねも玉も何せんにこの子の上に原爆を落すな」との歌を幼児の絵と一緒に書いたプラカードをみどり色のリボンで首からつるして参加した。こうした街頭活動の一方で,1961(昭和36)年4月には機関誌の発行を申し合わせ,6月14日の平和行進の日に『ひろしまの河』を創刊した(前田とみ子「原水爆禁止広島母の会の活動について」)。
母の会の会員のほとんどは,原爆でても,原爆によって象徴される徹底した非人間性こそすべての悪の根源であリ,人間性を大切にすることが平和と愛の始めであるという点で一致していた。機聞紙『ひろしまの河』は,創刊号(発行日は6月15日となっている)で,原爆孤老(山口勇子)・原爆未亡人(正田篠枝)を取りあげたのをはじめ,次表のように,原爆被害をめぐる諸問題をさまざまな角度から提起した。

『ひろしまの河』は,持続的な原爆手記発表の場でもあった。上田篠枝は,第1号に「私の苦悩と寂寞」と題して,自らの被爆記を寄せるとともに,第4号には,夫の兄弟の消息を伝えた手記「被爆の系譜」を寄稿した。第5号の手記特集以後,毎号数人の被爆手記の掲載をつづけ,第15号(1967年8月1日)までに掲載手記数は37点にのぼった。

ひろしまの河 NO.1(1961年6月15日発行)

タイトル 著者
原爆孤老 山口勇子
歌集「小さき旗」から 南雅子
私の苦悩と寂寞 正田 篠枝
歌集「さんげ」から 正田篠枝
16年後の2人の娘からの手紙 升川貴志栄
未だ癒えず 油井善子
9回の手術を受けて 小玉満子
広島・現代の救済 栗原貞子
原爆慰霊碑めぐり
(1)石田学園の巻、(2)市立女学校の巻
小西信子
(原水協通信)より
=殖える核保有国今年こそ実験停止を
(原水協通信)より
=盛んなイギリスの平和大行進
詩・平和公園にて 八島藤子
老人に腰かけを N
原爆17回忌 S
広島と死神 S
あとがき

 

各号発行年月日

号 発行年月日 号 発行年月日 号 発行年月日 号 発行年月日
1 19610615 6 19621201 11 19650101 16 19720720
2 19610801 7 19630501 12 19650801 17 19730725
3 19611001 8 19630806 13 19660301 18 19740725
4 19611201 9 19631220 14 19660801 19 19750725
5 19620801 10 19640425 15 19670801

 

『ひろしまの河』の主要掲載記事

号数 発行年月日 記事
1 19610615 原爆十七回忌に捧ぐ
2 19610801 座談会「被爆体験と今日の私たち」出席者=永瀬清子・林田みや子・西隅幸枝・日詰しのぶ・斉藤冨美江・森滝市郎・山口勇子・小西信子・升川貴志栄・藤井ゆり
座談会「原水爆時代の文学をめぐって」出席者=中川国雄・荏原肆失・小久保均・大原美耶雄・増原正・浜野千穂子・深川宗俊・小西信子・栗原貞子
3 19611001 米・ソ核実験抗議特集号
4 19611201 特集:被爆地の原水禁運動はどうあるべきか
5 19620801 被爆十七年の市民感情の方向-ABCCを中心に、 今なおつづく広島:手記八編
6 19621201 岩国基地:わたしたちのまわりは米軍基地にとりまかれている
7 19630501 原爆孤児あゆみグループのこと
8 19630806 八月特集号
9 19631220 特集:故峠三吉詩碑建設記念
10  19640425
11  19650101
12  19650801
13  19660301
14  19660801
15  19670801
16  19720720  復刊一号<原爆体験の今日的課題>
17  19730725  原爆体験特集号
18  19740725  援護法制定の悲願をこめて
19 19750725  思出の疎開児童紙芝居