ヒロシマの『河』 劇作家・土屋清の青春群像劇

『ヒロシマの『河』 劇作家・土屋清の青春群像劇』(土屋時子・八木良広編、藤原書店、20190806)

内容<作業中

まえがき 土屋時子 1
土屋清とはどのような人物か 15
土屋時子 土屋清・・・ 昭和の闇と光を生きた劇作家  17
無名の人生 17/
生い立ち 18/
予科練・十四歳の挫折 20/
思春期・占領下の別府 23/
地下活動家という放浪者 25/
大分から福岡へ 25/
福岡から熊本へ 27/
熊本から牛深へ 28/
九州から広島へ 30/
「広島民衆劇場」の研究生として 31/
「劇団」を立ち上げる 32/
創作劇『河』の誕生 34/
小野宮吉戯曲平和賞のこと 36/
『河』とその後の劇団活動 37/
劇団とは何か 38/
限りある命の日々 42/
見果てぬ夢なれど 44/
土屋清 『河』と私(一九七二年)  49
土屋清 峠三吉のこと、『河』への思い 講演原稿メモから(一九七四年)  53
第一の動機 峠三吉のことなど 53/
第二の動機 「炎の時代」の意味 58/
叙事と叙情について 65/
第三の動機 政治と芸術 68
尊大なリアリズムから土深いリアリズムへ
私にとって西リ演史 (一九八四年) 土屋清
70
はじめに 70
一 戦後史認識について 71
二 政治と芸術について 83
三 叙事と叙情について 136
あとがき 138
〈資料1〉土屋清略年譜(1880-1988) 140
『河』とはなにか 145
八木良広 『河』とはなにか、その軌跡  147
一 『河』公演の変遷 147
二 『河』が断続的に上演されてきた理由 157
三 土屋清が描こうとした『河』の世界 160
池田正彦 歴史の進路へ凛と響け 土屋清の青春  169
一『河』がめざしたもの 叙事と叙情 170
二 「われらの詩の会」と「日鋼争議」 173
三 平和運動の分裂と『河』 189
〈資料2〉『河』上演記録 194
土屋さんの怒鳴り声(1978年)池辺晉一郎 196
土屋清の頑固なナイーブ(1988年) 広渡常敏 198
土屋清の闇の深さについて(1988年) 広渡常敏 200
“風のように炎のように”生きた原爆詩人・峠三吉の姿を通して(2015年)
林田時夫 203
土屋清の語り部たち 『河』を再生・生成すること 207
水島裕雅 土屋清の時代と『河』の変遷、そして今  209
はじめに 209
『河』が書かれた時代 210
『河』の初稿と第四稿の違い 説明から観客の参加へ 212
そして今 再び核戦争の危機に直面して 214
笹岡敏紀 今、私の中に甦る『河』労働者として生きた時代と重ねて  217
はじめに 217
若き日の私と『河』 川崎の地で上演された『河』 218
時代と格闘した土屋清 そのリアリズム演劇論を読んで 219
『河』との再びの出会い2018年「京都公演」を観る 222
三輪泰史 『河』京都公演に思う 半世紀の時をこえて  224
1970年前後 大阪の夜学生を魅了した舞台 224
2018年の京都公演 『河』との再会 226
京都公演の今日的意義 229
補論あるいは断り書き 231
永田浩三 『河』、そのこころはどう引き継がれたのか
占領期のヒロシマを振り返って  234
自由な表現の場の登場と新たな弾圧 234
抵抗の中で詩が生まれ、絵が生まれ、声が結集した 237
朝鮮戦争に抗い、声をあげる 239
峠たちのこころは、どう引き継がれたのか 241
四國光 『河』と詩画人・四國五郎 243
『河』の中の四國五郎 243
峠三吉と四國五郎 言論統制下の反戦活動 247
四國五郎にとっての『河』 251
市民運動としての『河』 今、何を『河』から学ぶべきか 254
大牟田聡 『河」、もうひとつの流れ 峠三吉とともに歩んだ人びと  256
『この世界の片隅で』 256
『河』で描かれた時代 257
もうひとつの『河』 259
再び『この世界の片隅で』 261
趙博 今日も流れる「川」と『河』被爆のサブカル化に抗して 263
「広島の川」と『河』 263
脱色される「葛藤」と『河』 267
中山涼子 林幸子の詩「ヒロシマの空」にこめられたもの 270
武器になる詩を探して 峠と市河 271
本当のこと 273
『河』上演台本(2017年) 279
池田正彦 あとがき  353