海に消えた被爆朝鮮人徴用工-鎮魂の海峡

『海に消えた被爆朝鮮人徴用工-鎮魂の海峡』(深川宗俊著、明石書店、1992/07/31)

内容

見出し 備考
1 「原爆の日」からの旅立ち 11
1 ソウルの冬-一九七四年一月 12
三〇年間、帰らない息子/きびしいソウルの冬
2 「白紙」一枚の強制連行 16
戦時秘匿名「ヒロ八五〇一工場」/強制連行された人びとの生活/徴用工の不満/「日本が勝つと思われますか」
3 原爆が落とされた日 21
一九四五年八月六日/死者の群れ
4  朝鮮解放と「別れ」 25
日本の敗戦と朝鮮の解放/出発の前夜/朝鮮人徴用工との別れ/帰り着かぬという問い合
わせ
5 旅立ち 30
誤まった記録/少年の日の朝鮮人像
2 消えた二四六名を追って 33
1 祖国を奪われ、故郷を追われ―朝鮮民衆の歴史 34
抵抗のうたごえ/権力者のつくり話/朝鮮植民地化の開始/不平等条約の実態/朝鮮民衆の抵抗/土地をうばわれ、米をうばわれ、故郷を捨てさせられ/「皇国臣民の誓詞」/「人狩り」=朝鮮人強制連行/原爆症認定患者・崔英民さんの話
2 太平洋戦争末期における広島の朝鮮人 47
広島県協和会/ささやかな一粒の種子/徳光真散彦氏の話/爆発した朝鮮人徴用工の怒り/日本人に殺されるより…
3 彼らの消息はとだえたまま 53
処分された「応徴士」の名簿/帰国を急ぐ朝鮮人/仙崎港での証言/記録にない機帆船の遭難/人があふれた収容所/ミステリーではない/草津町での証言/触雷説/引揚船内反乱説/林記老からの報告/盧長寿さんの手紙
4 下関、戸畑にて67
関釜連絡船/下関で聞いた証言/下関地方気象台、厚東さんの証言/戸畑港で聞いた証言
5 対馬、壱岐にて 76
対馬へ/流れついた死体/埋葬された死体/阿比留さんの証言/釜山が見える岬/壱岐・郷ノ浦/朝鮮を犯しつづける日本
3 ふるさとに墓地はなかった 87
1 再会 88
「静かな朝の国」/重長寿さんとの再会/盧聖玉のふるさと/金泉-水原-ソウル/後宮大使との会見/タコ作り名人の夢/名乗り出た元徴用工/「忍耐」の二文字
2 元徴用工と遺族の証言 96
保存されていた徴用令書/権泰植さんの証言/いまこそ遺骨を故国へ/あなたの墓地はなかった/盧長寿さんの証言/両手両足をもがれた感じ
3 「あの日」と朝鮮人 107
被爆についての証言/被爆朝鮮人の実数/外交ルートにのった朝鮮人遺骨問題/「古い傷口」/<あの日>
4 電光のように脳裡にうかぶ愛する人へ 115
1 遺族さがし 116
重苦しい韓国の政情/息子を三菱にとられた母親の嘆き/権寧瑾のふるさと
2 若い徴用工夫婦の往復書簡 120
寧瑾の妻・貞愛さん/寧瑾からの第一信/自転車に乗って走って行きたい/鉄石のような決心で/逢う日を信じて下さい/ああ朝鮮、朝鮮がいやになった/離別という二文字が二人の前に立ちふさがる/余すこと百余日/迫りくる日本の敗戦/いつかきっと蝶が舞う/電光のように脳補にうかぶ私の愛する人よ/被爆にもかかわらず私は健在だ/帰ってこない夫
3 確認できた山港地 138
第一次徴用で連行された権五衡/生きることが一番苦しかった/三菱から海軍に徴用された朝鮮人/新しい種子/裏づけられた戸畑出港説/証言者たち/発見された一九四六年の慰霊祭アピール/あついもてなし
5 さわだちやまぬ鎮魂海峡 153
1 再び壱岐にて 154
語ろうとしない壱岐の人びと/警察の弾圧/慰霊碑と台風/野原で焼かれた骨/私たちの悲劇/慰霊碑によせた熱い思い/見殺しにした日本人/朝鮮にむかって牙をむく日本
2 遺族会の結成 164
韓国の四月/韓興剣の家族/遺族会結成の呼びかけ/遺族会結成式/日韓双方の動き/韓国の被爆者たち/金再根の遺志/元徴用工・崔基昌さん/狭いワクを越えて
3 三菱重工との交渉 182
韓国に進出する三菱/三菱への疑念/三菱に支払う意志はあったか/誠意のない回答/決死の覚悟/三菱に責任はある/鎮魂の海峡/にんげんの復権
補1 外国人被爆者の間題 193
孫振斗さんの勝訴/これは日本人被爆者の問題でもある/自らの生命を絶つ被爆者/日韓被爆者の連帯/来日した韓国人被爆者たち/辛さんへの被爆手帳交付/厚い壁/ふたたび三菱との交渉/ソウルでの慰霊祭/塗り消された碑文/野火のようにひろがる民衆の火
補2 海峡の怨-訪韓レポート 207
はじめに 207
1 道義までふンにカる日本政府・三菱重工 208
2 三一年目に壱岐で遺体発掘 209
3 外国人被爆者問題 215
4 外国人被爆者に平等の権利を 230
5 私の訪韓に際してのアピール 233
6 ソウル無住宅被爆者自治互助会 243
7 三菱遺族会の人々 245
死ぬ時も一緒に/土の中に入るまでは/結婚して五年目に強制連行/父が二人目の成子/自殺未遂の意味するもの
8 訪韓に際してのアピールについて 252
加害者と被害者の立場をこえるために/新資料と新証言/李学俊氏のレポート
資料  261
年表  293
三菱重工業強制連行関係年表
あとがき 深川宗俊(1974年8月) 300
解説 飛田雄一(1992年6月) 303
奥付
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